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【1】wnru ヒーロー
案件配信で唐揚げやっと食べてくれたのが嬉しくて書きました。
次からウェンくんちゃんと出てきます。
※モブヒーローいます。
「目立っちゃってまぁ。」
敵の全滅を確認し仲間がいるところに戻れば他の応援できたヒーローたちの声が聞こえる。
「狼様だからって偉そうに」
「あ、聞いた?あいつ昔…」
朝会ったからずっとこの調子だ。
人前ではちゃんとヒーローとして振る舞ってはいるがいつ気が緩んで軽んじた発言をこぼすか分からない。
「おい。俺らはヒーローだ。本部以外でその話すんな。一般市民が怖がる。」
俺が声をかけてもけろりとして聞いてる様子がない。
最近の若い奴は…って言うのはまともなあいつらに失礼か。
俺はため息をつき、剣を抜く。
そのまま一瞬で詰め寄り目の前の男の首筋に剣の刃をむける。
振り切れば綺麗に首が飛んでいただろう。
「っ!?…は?何してんだテメェ、頭おかしいのかよ」
震えた声で吠える、無様な男ども。
「俺は何と言われようと構わねぇがその事実を公言すればヒーローでは居られなくなる。俺も、お前らも。」
「何言っ…」
ヒーローに暗殺者が紛れていることを知れば臆病な一般市民は今まで通りヒーローに期待を抱かなくなる。
それがこいつらには分っちゃいない。
とんだ指導不足だ。
「ヒーローの信頼がなくなるイコールヴィランが蔓延り抑止力もなくなる。そしてそうなれば俺はきっと表に出れない。その状況でお前は変わらずヒーローでいられんのか?お前の一言で多くの一般市民が追い詰められているのに。」
「ヴィランはいうだろうなぁ。あいつらが本当の悪だ。あいつらを殺せば…ってな。」
わざと笑って言うとやっと理解したかのように青ざめる。
「別に力がない事はどうでも良い。ただ、一つの間違えた行動で簡単に人を殺す職業だ。舐めてんならやめな。他の信念があるヒーローに迷惑が掛かる」
刃を鞘に納めると男は膝をついて震えていた。
周りも目を合わせただけで後ずさる。
「こらロウ、やり過ぎ。ヴィラン以外に刃向けない」
一部始終を見ていたのかライが
後ろから登場する。
「任務終わった?」
「…とっくに」
「おけ、じゃ俺は帰る。腹減ったぁ」
「あ!もう…」
ライは何か言いたそうだったが話が長くなりそうなので適当に切り上げ離れたところで電話をかける。
「ろーきゅんおつー!今から帰る?」
相手は同棲している赤城ウェン。
後ろで野菜を切っている音が聞こえる。
「ん、今から帰る。30分くらい?」
「りょーかい。じゃー気をつけてぇ」
短い通話。
いつも通りのウェンの声。
ヒーローじゃないウェンの声は酷く優しい。
ご飯、今日は何だろうな。