小柳side
今日は皆で海に来ている。俺の記憶が失くなる前にも皆で来たことがあるらしい。
小柳「あちぃ……」
汗が額から流れ落ちる。日陰に居るのにも関わらず暑い。おかしいだろ今の夏は……。隣にいる星導も今にも溶けそうなぐらい弱っている。
赤城「ロウきゅん,るべ~!!そんなとこ居ないでこっち来なよ~!!」
小柳「わかったよ…!!星導行くぞ」
星導「えぇ~…ちょっと待ってくださいよぉ…」
小柳「行かねぇなら置いてくからな」
星導「えぇ…!?待ってくださいよ小柳君〜」
じりじりと太陽が俺たちを照らす。海に足を付けるとひんやりとしていて気持ちいい,なんて思っていると後ろから水がかかってきた。
小柳「!? 誰だ!?」
叢雲「油断しとんのが悪いんやろ~!?」
宇佐美「背中ががら空きですよ小柳君~^^」
緋八「るべも背中がら空きやで!!」
星導「わ”…!?」
やられたからにはやり返さないといけない。俺はカゲツ目掛けて水を飛ばす。カゲツが避ける。するとカゲツの後ろに居たイッテツの顔に水が思いっきりかかってしまった。
佐伯「ビャッ!?!?!?」
宇佐美「wwwwww」
佐伯「痛…!?鼻に入ったんだけど…!!!?」
小柳「なんか…すまん…w」
佐伯「最悪だよぉ~…」
伊波「あんまり虐めんなよ〜!!w」
そんなこんなで遊んで居るといつの間にか日が沈んでいた。遊んでいると時が経つのは早い。皆が海から上がり海の家へと行っている中俺は夕日を見つめていた。
星導「小柳君…?」
小柳「ん…?なんだよ,てか居たのか」
星導「いやなにも…」
小柳「あっそ…」
今日みたいな日がまたこれば良いななんて思う。早く記憶を思い出して前の日々に戻りたい。けど今の生活も楽しくて戻らなくて良いなと思う時もある。でもあいつらからしたら戻ってくれた方が良くてその方が嬉しいんだと思う。今回は何も思い出せなかったけどいつか全てを思い出したい。
星導side
夕日を眺めている小柳君は何だか消えそうなぐらい儚くて,そのまま海に連れていかれそうな気がした。そんなことはないはずなのに。そんな事を思っていたらつい口が動いてしまった。
星導「小柳君…?」
小柳「ん…?なんだよ,てか居たのか」
星導「いやなにも…」
小柳「あっそ…」
消えそうだったなんて,連れていかれそうだったなんて言えない。まだ夕日を眺めている小柳君の顔は何処か寂しそうで悲しそうで,ついジッと見てしまった。夕日に照らされて光るまつ毛が瞳が俺を魅了する。早く小柳君の記憶が戻りますように───。
コメント
2件
いと様の作品、どれもすごく素敵です✨夢中で一気に全話読んでしまいました☺️続きを楽しみにお待ちしております✨