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「ヒロスケえええ!!?」


な、なにがあった!?


他2人の雛も倒れていて、あっちで桶に入ってるウーリーシャークもプカプカと力なく浮いている。


「おでのオイドンが!」


「サカムシ!」


「グレートフルスタルシティ!」


「ミニュ!」


うん、みんなそれぞれいい名前だね……ってそんなことより何がどうなってんの!?


{言い忘れてましたが、君たちは魔物と一心同体……当然のことながら魔物が死ねばそのパートナーも処分するので気を付けてください}


だからそういうのは先に言え!


「あ!思い出しました!」


猫耳さんが「しまった!」と言わんばかりの表情でこの状況を説明する。


「この魔法陣……やっぱり私が奴隷になる前に父が使っていた奴です!その時家畜が死にそうになってた時もこんな感じでした!……あの時はその……私が餌を忘れててあげなかったので……」


猫耳と尻尾がシュンとなってる、かわいいな……って考えてる場合じゃない!


「と言うことは餓死の直前!?みんな、早く何か食べさせよう」


ぐったりしてるヒロスケを手に優しく乗せ、近くにあったコーンが入ってる鳥の餌を少し取りクチバシの近くに持ってきて与えてみるが……


「ヒロスケ、ほら、ご飯だよ」


もはや食べる気力すらなくなっている。


「食べないと!死んじゃうよ!」


やばいやばいやばいやばい!どうしよ!このまま食べないと……俺も死__



__いや違うだろ!くそ!ネガティブな考えになってる!


えと……つまりなんとか栄養が豊富なものを胃に流し込めばいいのか!


しかも固形ではなくゼリーと言うかふやかした物ならワンチャン!


「栄養が豊富で尚且つ即効性のありそうな物__っ!!?」


俺の頭に思い浮かんだのは1つの紙袋……うげ……でも四の五の言ってられない!


「34番さん水を汲んできててもらえますか!」


「はい!いいですよ!」


「ヒロスケ、もうすこしがんばって!」


俺は倉庫へ行き、真っ直ぐと1つの紙袋の元へ行き開けた!


「うぐ……おぇ」


元の世界では三億年前から存在していたと言われている“アイツ”……幸か不幸か……乾燥して死んでいる中にかろうじて頭から生えた2本の触手が少し動いているものがあった……


「い、生きている方が栄養があるよね……うぅ……」


ソイツを手に取ってみると悍ましい造形と微妙に動いている手足が手の皮膚の感触を伝って脳に危険信号を送りだした。


◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#!!!!!!


全身のゾクゾクする感覚と闘いながらヒロスケのところへ戻るとちょうど猫耳さんが水を持ってきてくれてた。


「水はこれくらいでいいですか!?」


「うん!ありがとう!」


「!?」


猫耳さんは俺の手の中の“ヤツ”に気付いた。


「あの…………栄養は確かにありますが……」


言いたいことは分かってる……自分の大きさと同じくらいのコイツをこのままでは食べないだろう。



「うん…………でも、方法はある!」



……………不思議だよな……お腹はめちゃくちゃ空いてるはずなのに脳が勝手に満腹だと錯覚させ喉を遮断、さらには“口を開ける”と言うことを意識しないと開かない状況になる、


俺は口を開け……手に持ってる“コイツ”を____





____入れた!!!!




「うぐ!おぇ……うぷ」



味を感じたく無いのに唾液がどんどん出てくる。


その唾液と噛んだ時に出る“汁”が混ざり合いこの世のものとは思えない味が下を伝わって脳まで来て……それを胃に入れてはならないと吐き気が襲ってくるが我慢する。


ザリッ……ぐちょ……ぬちゃ……


口の中でどんどん固形だったものが噛み砕かれてドロドロになっていく感触を確かめながら涙が出てくる。



「うぐ……ぇ……ほ、ほら……ヒロスケ、食べやすくしたから……」


自分の唾液と共にドロドロになった物を手に吐き出し。


餌をくちばしの近くにやるとヒロスケは残りの力を振り絞りその餌を食べてくれた。


「よ、よかった……うぷ……」


まだ口の中に翅や足のカスがある感覚に襲われながらも手の中の餌を食べていってるヒロスケのリズムを壊さない様に吐き気を我慢しながら見ている。


…………………


…………


次第にヒロスケの顔色も良くなっていき__


「ピヨっ!」


自分から歩き先ほどのコーン入りの餌の紙袋に入って中でガツガツ食べ始めてくれた。


「もう限界!……」


俺は急いでみんなを置いて餌倉庫に走って行き誰にも見えない端っこの方で盛大に吐き散らかした…………


__________



________



______



「ピヨ!」


「うへぇ!?もう食べたの!?」


あれから1時間。


みんなも危機を逃れ相方が元気になったが一難去ってまた一難。


……食欲がやばい!


手のひらサイズだったヒロスケ達はもう大人の鶏くらいの大きさに成長している。


その成長に比例する様に餌の食べるスピードと量も加速していくのだ。


「ち、ちょっとまっててね!」


もしも餌を食べさせるのを放置した場合、また餓死の可能性がある。

もうあんなことはごめんだ!急いで餌を取りに行き20キロある餌を持ってきてヒロスケにあげると__


「クォ!」


「ひえぇ、また早くなってる!?」


ものの数分で食べあげた……嘘でしょ!?


どうやら他の人も同じような状態だ、ひっきりなしに運んでいる。


「ま,待ってて!」


「クォー!」


「これ!水です!」


「ありがとう!」


もちろん餌だけでは無く、水も必要だが……あいにく俺は蛇口から水が出せないので他の人に出してもらっている……ごめんほんと……快くお願いを聞いてくれるのだが迷惑かけている自分が恥ずかしい。


「う……重たい……」


20キロを持っても埒が開かないので40キロを一気に持ったがかなり重たい……あれ?俺ってこんなに力が無かったっけな?


これも身体が女になった影響か……


「うぐぐぐぐ!」


顔を真っ赤にしながら運ぶと__


「クォ!クァ!」


「あ、あれ?」


いつの間にかヒロスケの周りには餌が5個置かれていた。


「これは……」


「とりあえずこれで30分は持つか?」


「あ__」


横から俺の持っていた餌を1つひょいっと持ってくれたのはライアンさんだった。


「え、えと……」


「俺達は一気に餌を運べるからな」


倉庫から両肩に3個ずつ餌を乗せたゴリラさんも来た。


「そうだど、みんなでやるど!」


そう言いながらヒロスケの近くにドスン!と餌を置く。


「みんな……」


うぅ……嬉しすぎて涙が出そうだ……


周りを見るとみんなそれぞれ餌の山を積み上げていってる……


……って猫耳さん3つ同時に持ってきてる!?


あ、あれ?もしかして間に合ってないの俺だけ!?


「お?見ろ」


「ん?」


ヒロスケの方を指さされて見てみるとお腹一杯になったのかグーグー寝ていた。


「これでまた時間が稼げるな!」


ガッハッハっと笑っているライオンさんの笑顔が眩しい!何この人男前すぎる!


それからは焼け石に水だが俺も手伝いながら餌を運んでかなりストックが出来てひと段落……


「ふぅ……」


汗だくになって壁に寄りかかり休憩をしてると隣に猫耳ちゃんが座ってきた。


「あの子達が大人になったら親みたいに凶暴にならないようにしませんとね」


「そうだねフフ」


汗をかいた後の休憩、和む会話……そんな事も関係ないと言わんばかりに____





____“アレ”は突然やってきた。






「痛……」


「?。どうしたんですか?」


「いや、何かわからないけど、一瞬お腹がちくってして……」





次の瞬間。


強烈な痛みがお腹の下を襲った。






「っ!!」






痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、なんだこれうお、痛い。



「35番さん!?」


「どうしたカロ?」


「どうしたど?」


急にお腹を抱えて苦しそうにする俺を見てみんな心配して近寄ってくる。


「う、ぐぐ……」


やばいくらいの腹痛に吐き気。


おぇ……こ、これは……さっきの餌でお腹を壊した?


いや、待て!?



「っ!?!?!?!」



お股から伝わる違和感__







__まさかこれ!?!?!










これは、女になった代償。


男は一生、経験することのない身体の現象。






異世界転生したら女になった!?

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