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「――っと、それでは気を取り直して参りましょう!
残りの賞品は2つ! ルークとエミリアさんの賞品になりまーすっ!!」
「「「「「おぉーっ!!」」」」」
「気になる希望者ですが!
ルークが33人、エミリアさんが4人ですっ!! エミリアさん、強いっ!!」
「え? ええぇーっ!?」
思わぬ展開に、エミリアさんは大きく驚いた。
……いや、正直私もびっくりしたんだけどね。いわゆる、まさかの展開というやつだ。
「それではまず、人数が比較的少ないルークの方から決めてしまいましょう!
ちなみにルークの賞品は、剣の修行を1日だけ見てもらうか、もしくは彼の冒険譚を聞くことができる――というものです!!」
「「「ま、まじかっ!!」」」
私の言葉に力強く反応したのは、ルークの賞品を希望した三人だった。
この三人は全員が警備のために滞在している人で、それぞれが剣を腰に下げている。
お祭り中とは言え、何かあったら率先して行かなければいけないから、こんな場所でも剣を持ってきてくれているのだろう。
「みなさん、武器は剣を扱うようですね。
ルークは高名なお師匠様に修行をつけてもらったことがあるので、質の高い修行になると思いますよ!」
「あの、アイナ様……。ハードルを上げないで頂けますか……?」
ルークは少し困った顔で私を見たが、しかしそんな彼を憧れの目で見る剣士が3人。
まぁまぁ、ここは期待を裏切らないように、ハードルを下げるわけにはいかないでしょう?
「それでは運命を決めるじゃんけんタイムです!
ポエールさん、これは参加者同士でやってもらえば良いですか?」
「はい、それでお願いします!」
「分かりました!
それでは3名の方。準備は良いですか?」
「はい!」
「おう!」
「いくぜ!」
「気合い十分ですね!!
それでは――最初はグーっ! じゃーんけーん」
「「「ぽん!!」」」
結果は――
グーが1人に、チョキが2人!
「はいっ! グーの方、ストレートで大勝利ですっ!!」
「うおおおっ!! キターっ!!!!」
「ぐふ……」
「何故俺はチョキを出してしまったのだ……」
「それでは都合の良い日をポエール商会に連絡しておいてください。
申し訳ないのですが、ルークは一旦クレントスに戻りますので、2週間ほど先でお願いします」
「分かりました!
……でも、結構先ですね。何か基礎的な訓練を教えて頂ければ、その間にやっておきたいです!」
おお、向上心の強い人だ。
こういう人、私もルークも好きなんだよね。
「せっかくだし、それなら明日の1時間くらい、見てあげる?」
「そうですね。私は大丈夫ですので、都合が会えば是非」
「マジですか!? それでは明日、よろしくお願いします!!」
「「「「「良かったなーっ!!」」」」」
会場の方からも温かい声が掛けられる。
うんうん、優しい世界だね、ここは。
「それでは3名の方、ありがとうございました!
次はついに最後! エミリアさんの賞品になりまーすっ!!」
「「「「「うおぉおぉーっ!!!!」」」」」
「ふえぇ……。アイナさん、わたしの賞品って、ただの編み物なんですけど……っ!?」
「えぇー、良いじゃないですか。私も欲しいくらいですよ?」
「それでは今度、編んであげますね!」
「わぁ、本当ですかっ!?」
これは言ってみるものだ。何だか得した気分――
「「「「「アイナさーんっ! ずるいぞーっ!!」」」」」
「えぇっ!? こ、これは友情の勝利ですよ!?
――っというのは置いておいて! それでは最後の勝負です! 4名の方、準備は良いですか!?」
「はいっ!」
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「運命よ、俺を誘え……!」
「どきどきが止まりません!」
「さ、最初はグーを出すぞっ!!」
……あー。自分の出す手を先に言う人、いるよね……。
正直に言うか、嘘をつくかは人それぞれだけど――
「それでは――最初はグーっ! じゃーんけーん」
「「「「ぽん!!」」」」
結果は――
パーが4人!!
「グーはどこに行ったんですか!!?」
「てへっ♪」
案の定、グーを出すと宣言した人もパーを出してきた。
いわゆる裏の裏の裏をかいてきたのかな? さすがにちょっと、裏をかきすぎじゃない?
「それでは次! あーいこーで」
「「「「「しょっ!!」」」」」
グーが2人、チョキが1人、パーが1人!!
「おぉっと、あいこですね! では次――
あーいこーで」
「「「「「しょっ!!」」」」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その後10回ほどあいこを繰り返し、ついに――
グーが1人、チョキが3人!!
「「「「お……!!」」」」
「はい、ようやく決まりました!
グーの方、おめでとうございまーすっ!!」
「やったぁああああっ!!」
「「「くそーっ!!」」」
勝った男性は喜びのあまり、その場で何度も飛び跳ねて喜んだ。
「あ、あのー……。でも、ただのマフラーですよぉ……?」
エミリアさんはやはり、想像以上の盛り上がりに対して恐縮してしまっているようだ。
うーん、あげる側がそれだと、もらう側も少し申し訳なくなっちゃいそうだなぁ。
「それなら私も少し、手を貸しましょうか?
えいっ」
バチッ
「ひゃっ? アイナさん、何ですか? その……バッジ?」
作ったのは、金属製のちょっとしたバッジだ。
デザインは……まぁいつも通り素っ気ない感じなんだけど、逆にそれがシンプルで今回は良いだろう。
「で、もいっちょアーティファクト錬金を――」
バチッ
「はい、これでステータス付きのバッジが完成です。
鑑定してみると――素早さが1%上がる効果が付きましたね」
「おぉ!」
「おぉ!」
「「「「「おぉーっ!!」」」」」
「少し邪道ですけど、これを付ければエミリアさんも自信を持って出せますか?」
「はい、とっても良いと思います!
マフラー付きのバッジですね!!」
「……え? それ、逆――」
「というわけで、4名の方、ありがとうございましたーっ!!」
「ちょっ!? エミリアさん、勝手に進行しないでっ!?」
「「「「「あははははっ」」」」」
最後はまさかのエミリアさんによる締め。
……でも何だか収まりも良いし、このまま進めてしまおう。
「――それではビンゴ大会はこれで終了となります!
最初にアイナさんからお知らせがあった通り、お土産用のビンゴカードをご用意しておりますので、興味を持たれた方は是非ご購入してみてください!
アイナさん、司会進行、ありがとうございましたーっ」
「「「「「ありがとうございましたーっ」」」」」
「はい、また機会がありましたらよろしくお願いしますね」
「分かりました、次の企画もしておきます!!」
「えぇっ!?」
ポエールさんの言葉に、会場も大きく盛り上がった。
……やっぱりみんな、こういうイベント事を期待しているのかな?
それならまぁ、たくさんやっていくのも良いかなぁ。
「それでは最後に、中央に火を焚いてダンスと参りましょう!!
……女性が少ないので、今回はみんな一人で踊りましょうね!!」
「「「「「そんなーっ!!」」」」」
会場からは男性の残念そうな声が多数聞こえてきた。
何せ、男女比が極端に違うからね。男女でペアを組むことになれば、あぶれる男性が大量に発生するわけで……。
少し微妙な空気になりながらも、しかし最後のダンスも大いに盛り上がることができた。
突発イベントのお祭りはこれにて終了。
何だかもう、遊んだことより司会進行をした記憶しか残ってないけど……まぁ、それもひとつの思い出かな。