間に合うと思ったけど無理でした。遅刻ポッキーの日。
【お願い】
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《青桃》
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「失礼しま〜す」
社長室のドアをノックしてひょこっと顔を覗かせる。デスクで仕事をしているはずのないこが俺に気づき、慌てたように何かをパソコンの裏に隠した。如何にも怪しい挙動。それで隠せていると思ってるのだろうか。出来上がった資料をひらひらと振りながらないこに近づく。
「資料できたけど。なにしてるん社長」
「…ポッキー食べてる」
バレてないわけがないこの状況で開き直ったのか、堂々ともう一本目に手を伸ばし「まろもいる?」なんて聞いてきた。いつも通りのマイペースさに呆れていると、無言を「NO」と受け取ったのかまたボリボリ食い始める。
「今ダイエットしてるんじゃなかったん?勤務中にポッキー食うとかまさにダイエットの真逆やん」
「えーいいやんポッキーの日なんだし。今日くらい食べたって許されるでしょ」
「ポッキーの日…?」
そういえばそうだ。最近色々忙しくて忘れていたけど、今日は確かに『ポッキーの日』だった。だから此奴ポッキー食ってんのか。
「え、忘れてたの?先週のファンミでポッキーの日ないむ配信だよーって告知したやん」
「…確かにしたようなしてないような」
記憶を辿っている俺を見て「多忙極めてんねえ〜」とかなんとか言ってるないこに、心の内でお前もだろと呟く。 いつも面白いことをしたり他メンと大声で騒いでいたり何かと元気だけど、此奴も毎日大量の仕事を捌いているのだ。
「まぁお前も頑張っとるし、ポッキーの日だから大目に見たるわ」
「とか言っていつも俺に甘いよね〜、まろ」
またポッキーを咥えてぼすっと背凭れに体重をかけるないこ。体育座りのように縮めた足に肘をついてニマニマと笑うその姿に何故か負けたような気がして、空いているポッキーの片方をぱくっと咥えて半分くらいを掻っ攫った。 やってやったぞという優越感を抱き、伏せていた目を開ける。
「え」
そこには顔を耳まで真っ赤にしたないこがいた。目が合った途端隠すように顔を両手で覆ってしまう。そんなないこを、今日は何故か少しだけ、可愛いかもなんて思ってしまった。
コメント
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ウンカワイイ(表現不可能) そのまま…グヘェヘ(ウヘ) 今日は何故か可愛く思ってしまった 的なことが書いてる… つまり自分の気持ちに気づいたのね!!(誰目線) いやぁもう…うふ