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檻の中の苺
エピソード7
外はすっかり暗い空と静寂で包まれていて、狭い研究室の中では実験机の上に置いてあるテーブルライトだけが優しい光を灯している。
シルバーさんが俺の家を訪ねてきた日の夜、そんな研究室で俺は一人、丸い椅子に腰掛けて実験机にひじをつきながら、今日の出来事を何度も思い返していた。
簡潔に言うと、俺の心はぽかぽかしていた。
青いいちご族である俺のことを差別せずに助けてくれた恩人の名前を知れて、呼ぶことができて。『シルバー』という名前を聞いたとき、「赤いいちご族の人にしては珍しい名前だな」とは感じたが、あのとき名前を知れた瞬間、緊張が嘘かのようにほぐれた感覚は未だに手に取るように思い出せる。
明日また会うという約束をしたが、今すぐにでも会いたい。あの甘いいちごの匂いを嗅いで、あわよくば顔や手に触れてみたい…。
そんな少し強欲なことばかりを考えていると、だんだんと我慢ができなくなってくる。
そこで、実験用に用意していた赤いいちごの果汁といくつかの正しく使えば体に害がない薬品を瓶の形の違いを手探りで確認しながら取り出して、それぞれを順番に撹拌棒で混ぜていく。
そしてそばにあったガーゼにスポイトで出来上がった液を数滴垂らして少し待ってから手で仰いで匂いを嗅ぐ。
ブルー
「んーー…少し違うな。」
たしかに、赤いいちご族の体臭ではあるのは間違いない。
でも、あのときシルバーさんから漂っていたとろけるような甘い匂いに比べて…濃厚さが足りないと感じた。
その後も諦め切れずに何度も何度も調合をやり直して嗅いでみたが、どれもどこか違う。
やっぱり、シルバーさんからの匂いじゃないと……。
そこまで考えたところで、俺ははっと正気に戻った。
なぜ、俺は今シルバーさんのことでここまで必死になっているのだろう。
少しの間考えたが、明確な答えは出なかった。ふと電子時計を目に近づけて確認すると、すでに午前3時を過ぎている。
今すぐに会いたいというもどかしさを抱えながらも、のそのそとベッドに潜り込み、明日に期待を膨らませながら睡眠薬を規定量飲んで眠りについた。
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#無理矢理