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16. ◇荒れ狂う嵐
荒れ狂う心を宥める術を知らぬ私は、もはや泣くという行為すら
できぬ哀れな女と成り果てたのである。
その時の私にできたこと……。
それは、病気になってひたすら眠ることだけだった。
そんな私は、荒れ狂う嵐が過ぎ去るまでひたすら眠り続けた。
この時の夫はやさしかった。
人のやさしさをこんなに悲しく感じたことはなかった。
それなのに私は、夫を追い詰めたりすることができなかった。
その先にどんな道が待ち受けているのか……
それを考えると……。
次に問い詰める時は、きっと私たちの関係を終わらせる時になって
しまうのだろうと、漠然とだがそんな風に思えた。
とにかく今は何も知らないことに徹しようと思った。
夫の未だ続いている不倫を、わたしが知っているということを
この先、夫に隠し通せるだろうか。
この先の夫婦生活をどうやって切り抜けていけばよいのか、
寝ている間もこのことばかりを考えて過ごした。
今のわたしに余裕などない。
もはや切り札という言い方があっているのかも分からないけれど、
わたしの持っている札は”離婚”。
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