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花月夜れん
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#現代ファンタジー
裏五条
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第十七話「覚醒」
戦場。
神城怜は静かに目を閉じる。
「空白……。」
ノアが剣を構えた。
「まだ立つか。」
神城怜は小さく呟く。
「古流斬さん。」
「信じます。」
能力発動。
空白。
世界が静かになった。
神城怜はノアを見つめる。
「意識を……。」
「入れ替える!」
一瞬だった。
ノアの意識と神城怜の意識が入れ替わる。
「なっ!?」
ノアが初めて驚いた。
自分の身体が動かない。
神城怜はノアの身体に入った一瞬を逃さない。
「今だ!」
能力が解除される。
元の身体へ戻る。
だが、その一瞬の隙は十分だった。
バッドが笑う。
「待ってたぜ!」
巨大な斬撃。
ノアは防御が間に合わない。
ドォン!!
直撃。
ノアは大きく吹き飛んだ。
神城怜も息を切らす。
「成功……した。」
バッドは笑う。
「やるじゃねぇか!」
神城怜は拳を握る。
「古流斬さん。」
「あなたの言う通りでした。」
ノアはゆっくり立ち上がる。
口元から血を流していた。
「なるほど。」
「それが空白の本当の力か。」
神城怜は剣を構える。
「終わりです。」
ノアは静かに笑う。
「いや。」
「ここで終わるわけにはいかない。」
最後の魔力を解放する。
「終焉裂界。」
黒い斬撃が周囲一帯を飲み込む。
「伏せろ!」
バッドが神城怜を突き飛ばす。
大爆発。
土煙が戦場を覆った。
しばらくして煙が晴れる。
神城怜は立ち上がる。
「バッド隊長!」
バッドも立ち上がる。
「生きてる。」
しかし。
ノアの姿はなかった。
地面には血だけが残っている。
神城怜は周囲を見回す。
「逃げられた……。」
バッドは肩で息をしながら笑う。
「いや。」
「俺たちの勝ちだ。」
「向こうも最後の技で戦線離脱した。」
「しばらくは戦えねぇ。」
神城怜も頷く。
「こちらも……。」
腕から血が流れていた。
二人とも満身創痍。
それでも。
第三幹部を撤退まで追い込んだ。
神城怜は空を見上げる。
「古流斬さん。」
「俺、少しは強くなれました。」
その頃。
遠く離れた場所でノアは膝をついていた。
「神城怜……。」
「想像以上だった。」
「次は。」
「勝つ。」
こうして、両者は大きな傷を負いながらも戦場を離脱した。
第十七話 完
コメント
1件
第17話、読みました! まず「古流斬さん、信じます」って怜が呼びかけるところ、もう胸が熱くなりました……。空白の力で意識を入れ替える発想が鮮やかで、初めてノアが驚く瞬間も痛快でした。最後の互いに満身創痍で倒れ込みながらも「少しは強くなれました」と空を見上げる怜の姿、すごく好きです。惜しむらくはノアの逃げ際の一瞬の描写がもう少しあると、余韻が深まったかなと。でも、この一戦、本当にいい勝負でした! 次が気になりますね。