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最強はすごい
???「やぁやぁ我が妹。久しいね。」
『どうしてあんたがここにいんの…』
ヴィラン連合のメンバーが道を開け、その道から出てきた人物。
その人物は、
私の兄であった。
ー第2話ー
私の兄はヴィランである。
ー死柄木弔ー
兄の名。
個性“崩壊”
実の妹である私の個性も“崩壊”
血が繋がっていようとも、あまり同じ個性になることは少ないらしい。
私と兄は珍しい貴重な人種らしく、2人が合わさると“最強”が出来上がる。
私は兄に向き直った。
『兄さん。貴方は何がしたいの?』
弔「ヒーローを…殺したい」
『…なんでよ。』
弔「ねぇ珠洲。覚えてるだろ?あの日俺等はヒーローに、正義を守る奴に捨てられたんだ。」
『それはそうだけど…』
ー
私と兄は幼い頃、大きな地震災害で親を亡くし、助けを求めていた。
沢山のヒーローが飛び交う中、兄ができる限りの声を出してヒーローを呼んでいた。
ずっと。
ずっと。
でもヒーローは来なかった。
私達のことを気づいていたはずなのに。
兄の声を聞いていたはずなのに。
ヒーローに捨てられた。
私達の個性は幼い頃から強すぎて、常にオーラが半端じゃなかったらしい。
そのせいもあったのだろう。
ー
『私は今ヒーローとしているの。』
『私達みたいにならないように。
1つ残らず命を守る。
私はその道を選んだ。』
『なんで兄さんはそっちに行っちゃうの?』
兄は笑った。
弔「笑わせないでくれよ。」
弔「珠洲が1番ヒーローを恨んでたくせに。」
『ッ…』
兄の言う通り、ヒーローになるまでの間の私はずっとヒーローを憎んでいた。
ずっとヒーローへの殺意が込められ、ヒーローを見かけると暴走してしまうほどだった。
弔「珠洲。お前はヴィランになるべきだ。」
『私はヴィランになんかならない。私は私の道を行く。』
弔「お前だってまだヒーローへの殺意が完全に消えてるわけじゃないだろ?」
弔「それにヴィラン連合には珠洲の大好きな人たちだって…」
『うるさい!』
バキン!
イライラしてしまった私はいつの間にか“崩壊”で地割れを起こしてしまっていた。
ヴィラン連合にいる私の大好きな人達。
本当は私は兄の影響でヴィランになろうとしていた。
そこで出逢ったのがあの5人ともう1人の人物。
家族のように仲が良かったのだ。
兄は突然声を上げて笑った。
弔「あははは!やっぱり俺等の個性で人を救うなんてことできないんじゃねぇのか?」
『…』
実際、私は人を守るためにこの個性を使ったことがない。
使う機会がないのだ。
だからいつも、生まれつきの超身体能力の力でしか人を救ったことがない。
弔「…図星みたいだね。」