「勘違いしないで」
坂道を駆け上がったところで後ろを振り返る。
幸い、友達はだれもついてきてはいなかった。
(よかった……)
ほっとした私は、息を整えつつ、少し先の図書館へと歩き出す。
本当、今日は朝から散々だった。
『御曹司の彼女候補』と騒がれて、佐伯とのことを聞き出そうと囲まれて、教室にいられない。
先生までもなんだか態度がおかしいし、居心地は最悪だ。
「ここなら騒いじゃダメだから、少しは落ち着けるよね」
昼休みだけでもゆっくりしようと、私が逃げてきたのは図書館だった。
この図書館は大学との共同で、このあたりではいちばん大きな図書館だったりする。
一般の人も借りられるし、学園のちょっとした自慢だ。
幸い、 書架(しょか)にはほとんど人がいなかった。
私は自習でもしようと、鞄からファイルを出して、資料になりそうな本を探し始める。
それからしば**********
**************************
******
*******************
***********************
*****************************
*************************
**************************
コメント
2件