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KOKUGA
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嫌われたくなかった。
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なぁ…ミスミスター。
聞いてくれ。
✧• ──────────── •✧
あたしは元貴族だった。キャシー家の令嬢だった。
キャシー家は代々株式投資で儲けており、あたしも少しは勉強をした。
株主総会とやらについて行ったり、株主優待というものを知り、少しずつ自分で投資にチャレンジして小遣いを稼いだり。逆に失敗してもまだ次があるとお父様に諭されたり。
なに不自由なく生活を送ってきた。
あたしはお母様とメリーゴーランドに乗るのが好きだった。
ヤギの台がお気に入りで、塗装が剥げるまでが言い過ぎじゃないほどに。
あたしはやんちゃで元気な女の子だった。
お母様がカメラを構えるとあたしはよくヤギから足を出していた。
「おちないでね。」
毎回そう呆れ顔半分で釘を刺された。
順風満帆────のはずだった。
ある日所有していた株価が大暴落し、あたしたち家族は没落貴族となった。
落ちたのは「カトルレイン研究所」のモノ。
生活は貧しくなり好きなメリーゴーランドにも乗れなくなった。
しかし、あたしには家族が一番だった。あの優しい目、呆れ顔が大好きだった。家族さえいれば────
「あの子を売りましょう。」
コメント
1件
うわ……最後の一行、えぐかったです……。 最初のメリーゴーランドの思い出が優しくて温かいからこそ、「あの子を売りましょう」の冷たさが刺さりました。 家族こそが大事だったのに、その家族に選ばれたのが自分じゃなかったって ── 胸がぎゅっとなりました。 めがとんきゅーさんの、静かに畳みかけるような文体、すごく好きです。続きが気になります。