「……ん?」
眩しい光に目を細めながら、主人公――俺はゆっくりと意識を取り戻した。気づけば、どこまでも青く澄んだ海の上に浮かぶ、小さな島に立っていた。
「ここ…どこ?」
目の前に広がるのは、無数の島と、どこか既視感のあるブロックの世界――まるで子供の頃に夢中になって遊んだゲームの世界が、現実になったような感覚だった。
「よーし!このゲーム、初めてやるぞー!目指せ最強!」
まるで自分に言い聞かせるように叫ぶと、勢いよく砂浜に駆け出した。最初は木を殴ったり、地面を掘ったりと、何をしていいかわからずうろうろ。吹き抜けた風が、彼の髪をかすめた。どこか懐かしくも新しい潮の香りが、胸の奥をざわつかせる。
「うわっ…画質たけぇなぁ……これ、ゲーム?っていうか映画レベルじゃん……」
独り言を呟いた主人公は、目の前に広がる海の青と、波間に浮かぶいくつもの島影に、リアルさを通り越した“臨場感”を感じていた。
「ん?これは…案内役か?」
浜辺に近づくと、そこには妙にテンションの高いNPCらしき人物が立っていた。帽子をかぶり、サングラスをかけて、妙にチャラい。
「ヘーイ!新入りかい?よぉこそ、始まりの海へッ!オレの名前は“チュートリア・ハジメ”。なんつって☆」
「うわ、説明臭ぇ名前だな……」
「これからの君の冒険に必要なこと、だいたいはオレが教えるぜ?でも一つだけ忠告。パンツは履け。海は思ったより冷たいぞ!」
「いや、履いてるけどな?!てか、なにその忠告!」
思わずツッコミを入れつつも、主人公はこの世界に足を踏み入れることの実感を噛みしめていた。
数日後。
主人公は最初の島で、不思議な光を放つ果物を発見していた。それは「ブロフルーツ」と呼ばれ、この世界における“能力”の鍵だった。
「これが……能力を得られる果物……」
「食べるしか……ないだろう!!(もぐもぐ)」
バチッ!
身体の中を電撃が走ったかのような衝撃。世界が、一瞬、静止した。
「うおおおおお!なんかキターーーー!!」
全身にみなぎる力。手からうっすら青いエネルギーが漏れ出す。
「……まさか、これが……”ゴロゴロ”の力か!?」
雷を操る能力、それが彼のブロックスフルーツだった。
その後、彼は各地を旅しながら、徐々に仲間たちと出会っていった。
最初に現れたのは、陽気な剣士・レン。頭にバンダナ、腰には細身の剣。
「おっ、新顔?オレはレン!見ての通り、ちょっとばかし腕は立つぜ?一緒に行こうぜ!」
続いて出会ったのは、元気印の天才少女・リン。
「ふふん!私、リン!フルーツなんてなくても戦えるってとこ、見せてあげるわよ!」
少し遅れて現れたのは、クールビューティーな歌姫・ミク。
「……私はミク。風と共に生きてるの。よろしく。」
最後に合流したのは、謎多き破天荒系女子・テト。口癖は「なんとかなるっしょ☆」
「おいっすー☆戦いはノリと勢い!落ち込んだら負けだよ~」
それぞれが個性的すぎるが、不思議と相性は悪くない。すぐに一つのチームとしてまとまっていった。
そんな中、彼らは“イエティ”という巨大な雪の魔獣と対峙することになる。
「見ろよ…あれ、チュートリアルじゃ出てこないサイズだろ…!」
「これ…全員で当たってもキツくない…?」
しかし、主人公は雷の力で動きを封じ、レンが切り裂き、リンとテトが連携して弱点を狙い、最後はミクの風の斬撃が決め手となった。
「――終わった……」
その時、主人公の中で何かが変わっていた。
自分の力だけじゃなく、仲間と協力することの意味――「チームとしての力」を、彼は初めて理解したのだった。
数多くの島を巡り、「正義の島」では“副監督”と名乗る謎の人物に出会う。
「正義とは、常に上から降ってくるものだ。貴様のような野良に語る資格はない。」
「……じゃあ、その正義が間違ってたら?誰が止めるんだよ?」
そんな言葉を交わしつつ、激しい戦いが繰り広げられた。
最終的に彼らは、空島で雷と風の技術を融合させる“新技術”を習得する。
「雷旋脚(らいせんきゃく)!」
「風雷斬(ふうらいざん)!」
一つ一つの技に、仲間との絆が込められていた。
そして、彼らは第一世界最強の装備「サングラス」を手に入れた。
「なんでサングラスで足速くなるんだよ!」
「それ言ったら、フルーツで雷撃てるのもおかしいだろ!」
「たしかに。」
ノリと勢い、そしてほんの少しの正義感。
「さぁ――第二世界(セカンドシー)へ!」
主人公たちは、新たな冒険の扉を開いた。
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