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なんかプロローグの見た人数が5人なのに1話が7人とかなんですけど…
プロローグもちゃんと見てくれ…
全然更新してませんでした
第2話
路地裏。
白くなったガムや煙草の吸い殻、飴やスナック菓子の袋がそこら辺に落ちている。
‥靴とスカートの裾が汚れるし、少し臭い臭いも付いてしまう…
でも、ここから離れる気はなかった。
『‥なんでこんな田舎にお嬢様がいんの?』
「…好きなこと居たって良いでしょう。」
『はは、否定するつもりじゃなかったんだけどなぁ。』
「‥落ち着くね、ここ。」
『でしょ、私も好きなんだよね。』
見ず知らずの人とそんな他愛ない会話をする。
肌、服がとってもぼろぼろだ。
なのに、青いメッシュが入った短い髪だけは、きれいでさらさらだった。
「…」
『‥ん、あぁ、これ?』
私が余りに見つめるからか、ぼろぼろの元は真っ白だったであろうパーカーを指差す。
『まぁ、家庭とか学校とか、いろいろあるんだよね。』
『お嬢様はそういうのないの?』
「‥まぁ、怖気づいて近付かないやつが多いよ。来ても身体目当ての気持ち悪い男。」
『へぇ。家柄から、逆にいじめやらなんやらあるかと思ったけど、意外とないもんだね。』
「まぁ、これでも国の皇女だからねぇ。」
小さな私達にとっては高い高い、落書きの沢山ある壁を見つめて、諦めたような顔をしている。
「‥ねぇ、あなた…お名前は?」
『名前ぇ?』
『んー…』
少し考える素振りを見してからぽつりと発言した。
『‥じゃあ、“八幡宮”。』
『私は“御前崎八幡宮”。』
人に教えるためにも、自分に言い聞かせるようにも聞こえる。
「そう。八幡さんね。」
「まぁ知ってると思うけど‥私は猫黒めめ。」
『‥ねくろって言うんだ。漢字読めないから知らなかった…』
「えぇ…?」
「漢字が読めない」事に対して少し気になったが、深堀りはしないほうがよさそう。
『‥あ、そろそろうちに帰らなきゃ。』
「…そう。‥あぁ、私が居たことは誰にも話さないでね。」
『もちろん。そっちこそ。』
「ええ。まぁ、またいつか来るよ、八幡さん。」
『‥うん、じゃーね。』
寂しそうな笑顔で私に手を振って、路地裏から消えていった彼女は、彼女の背中は、酷く悲しく寂しそうだった。
‥私もそろそろ帰らなくては。
「‥」
ばさっ、と音を立て、羽ばたいた。
幸い、人は居ないようだ。
「…神様って理不尽だわ、本当。」
いつもいつも、私の邪魔をする。
でも…
「…八幡さんに会えたのは、本当ラッキーだったな。」
自分の、紺色で水色のメッシュ入りの髪を優しく撫でる。
「‥天界にも、いるよなぁ。」
白い髪をしたあなた達は、恐らく天界に居るのでしょうね。
「…会えるまで、他のメンバーを探そう。」
優しく地面に降り立つ。
「…そういや、塾の宿題がまだだったかしら‥」
そんなことを考え、うちに向かって歩く。
‥一瞬、金髪で、天使の輪を持つ堕天使が見えた。
「ッ!?」
驚いて振り返るが、もちろん、もう居ない。
「‥絶対メテヲさんだったろ、今の…」
言うまでもなく、堕天使なのか。
暗くなってきた空を見上げる。
「‥雨降りそうだな‥」
仕方ない、走って帰るか。