テラーノベル
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※太宰×中也 二次創作
『背中合わせが丁度いい』 中也目線
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4年前のあの日、俺の恋は終わった。片想いを募らせていた太宰治が組織を裏切ったから。
…人伝に聞いた話だが、友人の為にポートマフィアを裏切ったらしい。
相棒として隣りに居るのが当たり前だった。嫌いだなんだ云い合って、其れでも居心地が良かった。
ーーー彼奴は如何だったのだろう?
俺と居る時、嫌そうな顔しつつも楽しそうだった様子は幻想だったのだろうか?
任務の時に楽しそうに俺に指示を出していた彼奴は…、
喧嘩しながらも一緒に笑い合った彼奴は…、全部、全部、幻想だったか?
ー4年越しに再会した彼奴は、何もかもが変わっていた。沙色のコート、外した包帯、似合わない笑顔、…..只、唯一性格だけは変わってない様で、其処に安堵した。
厭味ったらしく予言し、周りの人間全員手駒にしやがる性根は変わっていなかった。
でも、偶然彼奴と探偵社の人間が太陽の元を笑って歩いてる姿を見て其の安堵も砕け散った。
俺と太宰はもう交わる事を赦されない。夜の社会を生きる人間が、血みどろの人間が彼奴の隣に居れるわけがない。
此の下らない恋心など捨てっちまおう。そうすれば太宰の事など考えず済む。
首領に忠誠を誓える。….合理的じゃねェか…(笑)
だから、もう俺を相棒と呼ぶな。俺を捨てたくせに隣を歩くな。
手前はもう俺と別の世界にいる人間なんだ。明るい世界でのほほんと笑っていろ。
ーそうすれば、屹度俺はお前を忘れられる、昔の手前を探す日々に終止符を打てる。
俺と太宰の関係は『元相棒』。
隣に立つことは赦されない。其れなら手前と別の道を逝こう。
手前がもし俺を振り返った時に俺は振り返ら無ェ。笑って自分の道を進んでいろ。
そしたら、少しは相棒の門出を祝ってやる。
ーーーだからおれらは、『背中合わせが丁度いい』。
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