テラーノベル
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#主人公最強
#ハッピーエンド
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「君は、メアリーのハンカチを生徒会長前に置いた人物について、心当たりはあるかい?」
(──ッッ!! 私、だけど……こんなの言える雰囲気じゃない……。でも、レヴィス様は困ってらっしゃる……)
「早く答えないか、エレナ・アスモデウス!」
「レヴィスの質問に答えないつもりかしら?」
レオナルドとメアリーの容赦ない視線と言葉
がブッ刺さる。
怖い。
「レオナルドとメアリーのことは気にしなくていいよ」
「レヴィス様。そんな寛容でよろしいですの?」
「大丈夫だよ。だって……」
レヴィスの目がきらん、と光る。
「あぁ……なるほど、ですわ……」
レヴィスの笑みに、察したように小さく息を吐くシーノ。
「まあいいや、答えないなら答えないで」
「え……?」
「レヴィス、それ本気!? エレナ・アスモデウスは容疑者じゃない! 早く本音を吐かせないと酷いことになるのはわかるでしょ!?」
「メアリー」
「……っ!」
エレナを睨むメアリー。
(容疑者扱い……)
「今日はこれでいいかな。帰っていいよ」
にっこり笑うレヴィス。
「はい、ありがとうございます……」
「シーノ。送ってあげて」
「お断りですわ」
ツンと澄まし顔のシーノ。
どうやらもうすでに嫌われてしまったらしい。
「じゃあルミア、お願いできる?」
「……承知しました」
静かに椅子から立ち上がるルミア。
「ではレヴィス様、失礼します」
ルミアは、丁寧にレヴィスに向かって礼をした。
「行きましょうか」
颯爽と、ルミアは生徒会室から出て行った。
「わ、私も、失礼します……」
エレナも、慌てて礼をしてルミアの後を追った。
◇◇◇
エレナとルミアが出て行った生徒会室。
「レヴィス、何を考えてるの!?」
メアリーがレヴィスに詰め寄った。
「『何を考えてるの』⋯⋯って?」
「だから、あの生徒──エレナ・アスモデウスのことよ! ほっとくつもり!?」
「ほっとくわけじゃないよ」
ふるふると首を振るレヴィス。
「じゃあ何を⋯⋯」
「泳がせておくだけ」
「泳がせておくって⋯⋯。ほっとくのと同じじゃない!」
「違うよ。ほっとくのはほっとくもの。泳がせておくのは、しばらく観察するってこと」
「⋯⋯」
(違いがわからないわ⋯⋯)
この婚約者は昔から、メアリーには理解できない感性を持っているらしい。
5歳からの付き合いであるメアリーにもわからないものがある。
「はぁ⋯⋯」
「大丈夫だよ、メアリー。彼女に危機は加えない」
「レヴィス様。本当にあの女子生徒を泳がせるのですか?」
「フェリクスまで心配性だね。僕は嘘をつかないないことを、君はわかってるだろう?」
「そうですけど⋯⋯」
「本当に心配はいらないよ。ただ、気になることがあっただけだからね。⋯⋯シーノ、ハレンに接触は出来る?」
突然レヴィスの口から出てきたのは、《桃花の王子》──ハレン・テレサルーア。
「わたくしでは難しいですわ。レイを経由すれば出来るかもしれませんけど」
「じゃあお願い出来るかな?」
「承知しましたわ。⋯⋯ハレンに、何を頼むつもりですの?」
「それは秘密だよ」
完璧な王子様の笑顔。
この笑顔のときは、レヴィスは何も教えるつもりはないとシーノは知っている。
頼まれた以上、引き受けるしかないのだった。
「ではわたくしは、ハレンを探してきますわね」
シーノが生徒会室から出ていった。