テラーノベル
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『にゃ゛ぁ、っ!?』
ばき。殴られる。骨に響くような、つよい痛み。目がチカチカする。親から離され、強制的に連れてこられた場所。最初こそはミルクだったり世話をしてくれたが、最近は当てつけのように殴られたりする。
俺たちの性質は信頼できる人や自分たちに対してちゃんと面倒をみるというか覚悟ができる人の前で人間へと姿を変える。
猫のまんまなのはこいつが勢いで買い始めたから。こいつが殴ってくるから。くそが。
「はー…うるせえ猫共だな。」
タバコを吸いながらそういう男。なら拾うなよ。俺だってこんなところ来たくなかった。ここにいるのは俺含めて3匹の猫。
キルシュトルテ…まぁ、キルちゃん。きれいな金色の毛も、長い毛も絡まって毛玉だらけ。目や耳など、ケガしていて歩き方もどこかおかしい。そして、もう一匹のりぃちょ。白くてふわふわしてる、弟のような見た目だった。でも、やせていてるし衰弱してる。ほぼ骨と毛皮。ふるふると常に震えている。
同じ境遇の者同士だったから、俺らはすぐ仲良くなった。
ある日のこと。
人には決してわからない、猫語で話した。
『俺、もう家出ようと思う。窓も今なら空いてる。お前らも来るか?』
キルちゃんはそう言った。すごく、真面目でつよい意志を感じる瞳。魅力的な提案だった。でも、俺はそれを断った。だって、また優しくしてくれるかもだから。逃げ出して、見つかったときが怖かったから。
りぃちょも同じ意見だったようで、キルちゃんだけは出ていった。
別の日。
…りぃちょが消えた。人間がりぃちょのいなくなる日の前、うるさくてバカな猫って。いらないから、捨てるって。乱暴に、ワシ掴みにして。段ボールに押し込んでた。
確かそんなことを言ってたような気がした。耳の中にのこったあいつの言葉が気持ち悪く残る。
りぃちょも、キルちゃんもいなくなった日。ひとりぼっち。
孤独なまま、俺は家を出た。あの2人がいないのなら、俺はこの家を出ないと死んでしまうような気がして。殺されてしまうような気がして。
今、こうしてニキに面倒を見てもらってるけど。
いつ、あいつがそうなるかはわからないけど。少なくとも、前の飼い主と比べて優しいし、面倒見もよかった。
本当に、出会えてよかったと思ってる。でも捨てられないか、まだ怖い。今は晴れてるこの空も、曇りませんように。
1話か2話をみると
野良猫になってよかった
という話があります。伏線ですね!おめでとう!!!
コメント
10件
こちらこそありがとう うちのメイン界隈嫌われ苦手な人多いから話し合えて嬉しい
こういう系とてつもなく大好きなの感謝すぎる
とにかくめっっちゃ好き 😖💞