テラーノベル
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これで終わりです。
気がつくと、俺は朝日が差し込む断崖に一人で座り込んでいた。
目の前には、一輪の花もない。ただ、真っ白な雪原が広がっているだけだ。
ポケットの中に手を入れると、そこには古びた一輪の押し花があった。
何年も前に、prちゃんが遭難した場所の近くで見つかった、ボロボロの冬桜。
俺は悟った。
prちゃんは数年前、確かに花を手にしていた。
自分の命と引き換えに。
そして今日まで俺の隣にいたのは、prちゃんが遺した最後の優しさだった。
a「……行こっか」
俺は立ち上がり、独り分の足跡を刻みながら、山を下り始めた。
背後で、春を呼ぶ風が小さく笑った気がした。
コメント
7件
うん。 泣きそう。 泣いていい((?