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《私は出海波音。何故かこの世界、ツイステッドワンダーランドに転生?しちゃった。その後、監督生として特別入学を認められた。これは私が幸せになるまでの物語…》〜廊下〜
波音(アズールと楽しく話してる)
エース「波音〜」
デュース「そろそろ時間だぞ〜」
波音「う、うん!では、アズール先輩。失礼します」(お辞儀してマブ達と合流した)
アズール「ええ」(後ろを振り返り、リーチ兄弟と合流した)
ー波音sideー
グリム「子分。おめぇ、アズールと何話したんだゾ?」
波音「ん?ただティータイム誘われただけだよ?」
エース「へぇ〜。波音、アズール先輩に愛されてるじゃん」(ニヤニヤしてる)
波音「そんな事ないよ」
デュース「でも、波音はアーシェングロット先輩と仲良いって噂がよく聞くぞ」
波音「へぇ、そうなんだ」
エース「なぁ、波音。先輩と何の話すんの?」
波音「え?世間話とかだよ。例えば今日何があったとか。あとは、稀に新作のスイーツの試食したあとの感想だよ」
グリム「ふな⁈おめぇ、狡いんだゾ!おめぇだけ美味しいもの食いやがって!」
デュース「確かに」
波音「狡いって言ったって、ただアズール先輩は唯一の女性である私の意見も聞きたいからそうしただけだと思うよ。もし、時間あったらグリムに試食の事をアズール先輩にお願いするから」
グリム「やった〜!」
ーアズールsideー
アズール「行きますよ、お前達」
ジェイド、フロイド「はい/は〜い」
フロイド「アズール。またベルベットちゃんと話してたの?」
アズール「ええ」
ジェイド「いつも波音さんと何の話をしているんですか?」
アズール「ただの世間話です。あとは稀に新作の試食の感想を聞かせていただいてます」
フロイド「え、それだけ?つまんない」
ジェイド「そんな事言わないであげてください。これでもアズールは努力しているんですよ」
アズール「お前達…💢」(分かってる。分かっているが…)
〜アズールの回想〜
ー数日前ー
〜教室〜
波音はエース達と楽しく話していた
波音「⁈///」(顔がボンッと赤くなった)
アズール「…」
フロイド「アズール?」
ジェイド「どうしました?」
アズール「なんでもありません。授業に遅れますよ」(教室から出た)
フロイド「はーい」
〜回想終了〜
アズール(あんな顔、初めて見た。知りたくなかった。この想いに蓋をしようとした。それでもこの溢れてくる想いをどう抑えろと言うんだ…)
〜教室〜
エース「しっかし、まさか波音がアズール先輩にゾッコンとはねぇw」
波音「⁈///も、もう!その話は終わりって言ったじゃん!///」(そう。あの時、改めて自覚した…)
〜波音の回想〜
ー数日前ー
〜教室〜
波音はエース達と楽しく話していた
波音「アズール先輩がね、それでね」(たくさんアズールの話をした)
エース「あー、波音」
波音「ん?」
デュース「さっきからアーシェングロット先輩の話しかしてないぞ」
波音「⁈///」(恥ずかしさで顔がボンッと赤くなった)
エース「あー…」(察した)
デュース「だ、大丈夫か⁈顔が赤いぞ⁈」
〜回想終了〜
波音「はぁ…」(エースの揶揄いに対してのため息)
デュース「波音」
波音「ん?」
デュース「その、アーシェングロット先輩に告白しないのか?あの人は波音の事を大切にしてくれそうだぞ」
波音「…そうだね。でも、言わないかな…。(だって、いつまでここにいられるか正直分からない。それなのに告白して付き合えたとしたら、彼を傷つけるかも。私は彼の足枷になりたくない…)はい、この話は終わり。そろそろ授業が始まるから準備しよ」
デュース「あ、ああ」
波音「…」
ー放課後ー
〜オクタヴィネル寮 VIPルーム〜
アズール(はぁ…監督生さんにどう告白したらいいのか…。いえ、決めたからには無様は二度と晒しません!)
「たとえ彼女に好きな方がいようと…」(ティータイムのお菓子を準備しながら小声を漏らし、考え事をしてる)
トントン(扉のノック音)
アズール「どうぞ」
波音「失礼します。(入った)お誘いいただきありがとうございます。アズール先輩」
アズール「いえいえ。是非ソファにかけてください」
波音「はい」(ソファに座った)
アズール(紅茶の準備をした)「どうぞ」(紅茶が入ったティーカップを渡した)
波音(受け取った)「ありがとうございます」
アズール「…ところで(波音の反対側のソファに座った)聞きましたよ、波音さん。貴女に想い人がいると」
波音「ビクッ」
アズール「始めはただの噂でしたが、どうも本当だと小耳に挟んだんです」
波音「…///」(真っ赤)
アズール「!…これはこれは。大変その方を思っているようですね。告白の時、是非お力になりますよ?」
波音「!…ありがとうございます。でも、伝える気は私にありません。私は異世界人。いきなりこの世界に迷い込んだイレギュラー。いきなり来たからもしかしたら逆もあるかもしれません。だって思いを伝えて居なくなるなんて虫のいい話でしょ?」
アズール「…貴女はそれでいいんですか?波音さん」
波音「はい…」(だって、貴方に会いたいという願いは叶った。それにこれ以上願ったら欲張りになりそう…)
アズール「…」(両手でソファを掴み、波音を腕で囲んだ)
波音「…せん、ぱい…?」
アズール(妬ましい…貴女の瞳に映る男が…貴女に思われる男が…)「…好きです…貴女が好きなんです…たとえ貴女に想い人がいたとしても…」
波音「ッ!」(アズールを優しく抱きしめた)
アズール「⁈は、波音、さん?」
波音「好きです。私だって貴方が、アズール先輩が大好きなんです!…でも、私怖いんです。急に私の意図関係なしで皆や貴方の前から消えるのが…勝手に元の世界に帰るのが私は何より怖いの!…うぅ、ぐすっ…」(泣き始めた)
アズール「…泣かないでください、波音さん」(涙を拭ってあげた)
波音「うぅ…」
アズール「全く。そんな事で悩んでいたとは…」
波音「な⁈私は真剣に、ッ!」(アズールに口元を🤫とされた)
アズール「たとえ貴女が元の世界に戻っても探して迎えに行きますよ。それより、僕は貴女が好きな人がいる事が余程…」
波音「…私はアズール先輩一筋ですよ」
アズール「知ってます!ちゃんと聞いてましたから!!」
波音「…探し出すなんて…」
アズール「…僕を誰だと思っているんですか?数多の願い事を叶えてきた僕に不可能はありません」
波音「!…ふふっ、そうですね。でも、飛行術は苦手ですよね」
アズール「な⁈それは別の話です!」
波音「ふふっ、ごめんなさい。先輩が可愛いくて」
アズール「⁈…ンンッ!もう一度言います。波音さん、貴女が好きです。貴女の全てを僕にください」
波音「ッ…はい…!」
2人は優しいキスをした
ー次の日ー
〜教室〜
エース「へぇ、アズール先輩と付き合い始めたんだ」
波音「うん」
デュース「良かったな、波音」
波音「ありがとう」
グリム「でも、なんか契約してきそうで怖いんだゾ」
波音「こらこら💧そんな事しないよ。んじゃ、そろそろ行くね」
グリム「おう。時間になったら迎えに行くんだゾ」
波音「うん」(行った)
エース「…いつものとこ?」
グリム「おう」
デュース「波音は好きだなぁ、海」
〜賢者の島 海岸〜
波音「…(靴を脱いで足だけ海に浸かった)…スゥ、ハァー…気持ちいい…」
アズール「余程海が好きですね、波音さん」
波音「え、アズールせ、うわっ⁈」(振り返ろうとしたら足を滑らせ後ろへ転びそうになった)
アズール「⁈危ない!」(すぐさま波音を支え、セーフ)
波音「ッ…あ、ありがとう、ございます…///」(ち、近い…///)
アズール「いえ。(波音をしっかり立たせた)波音さんはいつもここへ来るんですか?」
波音「いえ。週に一回来るんです」
アズール「…理由を聞いてもいいですか?」
波音「はい。…海が好きというのもありますが、この世界ならあの子にも会えると思ってここへ通っていたんです」
アズール「あの子…」
波音「あ、アズール先輩の事なのでご安心を」
アズール「…ぷっ、あははは!その事は心配していないので大丈夫ですよ」
波音「…もう隣にアズール先輩はいるのにここへ来ちゃうのは習慣かそれとも元の世界へ帰ってしまうかもという不安からかもしれません…」
アズール「波音さん…」
波音「それならここの海かアズール先輩に攫われたいです。なんてね」
アズール「…」(波音を優しく抱きしめます)
波音「…アズール、先輩?」
アズール「大丈夫です。貴女はちゃんとここにいます。もし元の世界へ行ってしまったら貴女のお望み通りに攫いに行きます」
波音「!…(少し涙目になった)ありがとうございます」
アズール「…そろそろ日が暮れます。戻りましょう」
波音「はい」
日が暮れ始めた
波音「ん?(シャボン玉?一体何処から…?)…きゃっ⁈」(足が泡になっていき、どんどん上半身の方へ)
アズール「⁈波音さん!」
波音「アズール先輩!いや、いやっ!消えたくない、消えたくない!」
アズール「波音さん、落ち着いて」
波音「…アズール先輩…」
アズール「!」
波音「私を見つけてね…」
アズール「ッ!波音さん!!(波音を抱きしめたら、波音は完全に泡となり空へ消えた)…うっ、うっ…うわーーーーーっ!!」
〜元の世界 波音の部屋〜
波音(気づいたらベットの上にいた)「…アズール先輩…」(涙を流した)
〜オクタヴィネル寮 モストロ・ラウンジ〜
ジェイド「おかえりなさい、アズー、ル…ッ!」(倒れたアズールを支えた)
フロイド「アズール、帰ってたんだ。え、どんな状況?」
ジェイド「とりあえずアズールを部屋へ運びます。フロイド、手伝ってください」
フロイド「はーい」
〜オクタヴィネル寮 アズールの部屋〜
リーチ兄弟はアズールをベットの上まで運び寝かせた
フロイド「んで、何があったの?」
ジェイド「分かりません。ただアズールの目は赤く腫れ、顔はやつれているような感じでした」
フロイド「ふ〜ん。…ん?なんかうるせぇから行ってみるね」
ジェイド「ええ」
〜オクタヴィネル寮 モストロ・ラウンジ〜
フロイド「なんの騒ぎ〜?」
エース「あ、フロイド先輩!」
デュース「波音、知りませんか⁈」
フロイド「ベルベットちゃん?知らねぇよ。なんで?」
グリム「子分が見当たらねぇんだゾ。時間になって海に行ったら、アイツの靴しかなかったんだゾ!」
デュース「だから、アーシェングロット先輩なら何か知ってると思って来たんですが…」
エース「フロイド先輩。アズール先輩はいませんか?」
フロイド「アズールは今部屋で休んでる。なんか分からないけど、やつれて帰って来た。明日また来て。アズールが起きたらカニちゃんに連絡すっから」
グリム「わ、分かったんだゾ」
マブ3人は帰った
フロイド「…」(アズールの部屋の方へ行った)
〜オクタヴィネル寮 廊下〜
フロイド「あ、ジェイド」
ジェイド「そちらは大丈夫でしたか?」
フロイド「うん。そっちは?」
ジェイド「呼吸が安定してきました。なので、明日には目覚めると思います」
フロイド「そっか。…ジェイド、ちょっと」
〜オクタヴィネル寮 ジェイド、フロイドの部屋〜
ジェイド「波音さんがいなくなった⁈」(フロイドから説明を聞いた)
フロイド「うん。多分アズールが何か知ってるかもって思って来たかも」
ジェイド「だとしたらアズールの様子にも頷けますね」
フロイド「だね。だって、俺たち人魚は一途で愛情深い生き物。愛する人を失ったら、尚更病むか暴れるもんね」
ジェイド「ええ。…明日、しっかり話していただけるといいんですが…」
ー次の日ー
〜オクタヴィネル寮 談話室〜
エース、デュース「波音が消えた⁈」(説明を聞いた)
アズール「はい。まるで物語のような泡のように…」
ジェイド「そうだったんですか…」
グリム「そんな…」
フロイド「てことは、ベルベットちゃんは元の世界に帰ったって事?それっていいんじゃないの?」
アズール「ッ!」(フロイドの胸ぐらを掴んだ)
エース「アズール先輩!」
デュース「落ち着いてください!」
ジェイド「アズール!そんな事しても波音さんは戻って来ません!」
アズール「分かってる!分かってますよ、そんな事…」(掴んだ手を離し、近くの席へドスンと座った)
フロイド「アズール…」
???「困り事ですか?アズールさん」
エース「え、誰⁈」
デュース「ん?あの制服って確か、ッ⁈」
エース、デュース「ルーチェミプリンセス学園⁈」
グリム「?なんだそれ?」
エース「はぁ?知らねぇの⁈うちの姉妹校の学園だよ」
デュース「同じ魔法士養成学校で女子校なんだ」
グリム「へぇ、そうなのがあったのかぁ。でも、その学園の奴がなんでここにいるんだゾ?」
???「ふふっ。私の大切な幼馴染の困り事ですもの。何があっても駆けつけて来ますわ」
エース、デュース「え、幼馴染…?」
ジェイド「彼女は僕達の幼馴染、セーラ・アクウェリアスです」
セーラ「初めまして。ルーチェミプリンセス学園、1年のセーラ・アクウェリアスと申します。どうぞよろしくお願いします」(カーテシーをやった)
エース「あ、はい」
デュース「よ、よろしくお願いします!」
グリム「そんでセーラはここへ何しに来たんだゾ?」
セーラ「…そうだね。アズールさんの心配もあるけど、とある情報をアズールさんに提供しようかと」
アズール「とある情報?」
セーラ「はい。(席に座った)その前にアズールさんの悩みの種を教えて欲しいです」
アズール「…分かりました。んで、対価は?」
フロイド「アズール!」
ジェイド「セーラはそんな事しないのは分かってるはずです。何故、」
アズール「分かってます!これは単なる僕のプライドです。それに…これは自分の情け無さを刻む為です…」
セーラ「…」(アズールを優しく抱きしめた)
アズール「…セーラ?」
セーラ「アズールさんは情け無くありません。貴方はこんなにもその子を思って色々考えたのでしょう?取り戻す為に」
アズール「!」
セーラ「私はそんな人を情け無く思いません。むしろ賞賛します。だって、貴方は海の魔女のように慈悲深く稀与の努力家だから」
アズール「!(波音に同じ事言われたのを思い出した)…ありがとうございます、セーラ」
セーラ「はい。(席に戻った)では、アズールさんのプライドを尊重して契約をしておきましょうか」
フロイド「いいの?セーラ」
セーラ「はい。これでアズールさんの気が済むのなら…」
ジェイド「では、契約の内容はどうするんですか?」
セーラ「そうですね…。とりあえず情報提供とアズールさんの望みを叶えるサポートとして、対価は…アズールさんの惚気話たくさん聞きたい!」
皆「え?」
セーラ「ん?惚気話。え、皆知らない?」
エース「いや流石にそれは知ってるわ!なんで対価がそれって話!」
アズール「ええ。セーラ、これでは対価の割に合わないです。もう少し別のはありませんか?」
セーラ「え〜?うーん…。んじゃ、付け加えて言うならアズールさんの愛する人の友達になりたい!」
ジェイド「はい?」
セーラ「私、女友達の恋バナ聞きたいんです。アズールさんに嫉妬される覚悟があってその対価にしました」
グリム「そんな嫉妬するのか?」
セーラ「人魚族の人はほとんどが一途で愛情深いんだ。その上に愛が重い場合があるんだ。特に嫉妬がハンパないよ」
グリム「ふぅん」
アズール「セーラ!それは言わないでください!///」
セーラ「え〜?だって本当じゃないですか。私、嫉妬でアズールさんに睨まれたら想像しただけで鳥肌立ちそうですもん」
アズール「セーラにしませんよ!他の男はあるかもしれないですが…///」(一部は小声)
セーラ「え?」
アズール「ゴホンッ!とりあえず契約しましょうか」
セーラ「はーい」
セーラは契約した
アズール「では、情報を提供してもらいましょうか」
セーラ「実は昨日空の方で不思議な魔力を感じたんです」
ジェイド「空に?」
セーラ「はい。まるでブラックホールみたいに何かを吸い込むように」
フロイド「それで?」
セーラ「その魔力はすぐ消えました。恐らくアズールさんの話が合ってれば波音ちゃんは空に吸い込まれるように消えたんじゃないかと推測出来ます」
エース「でも、なんで昨日?」
セーラ「分からない。多分急に地震が起きる感覚と同じだと思う。それに彼女は元々異世界人。世界の理によって強制で戻ったと思う」
デュース「そんな…」
グリム「なんとかする方法ねぇのか?」
セーラ「1つ仮説があるの。でも…」
アズール「なんでもいいです。セーラ、教えてください。お願いします」(深くお辞儀した)
セーラ「…分かりました。アズールさん。昔、私達の前から消えてしまった事を覚えてますか?」
アズール「ええ」
セーラ「あの時、同じ魔力の気配がしたんです。不思議な魔力の気配を」
皆「⁈」
フロイド「マジ⁈」
ジェイド「本当ですか?セーラ」
セーラ「はい。なので、この世界と波音ちゃんの世界は行き来できる。そして、同じ魔力の気配を再現した魔法具を作れば、波音ちゃんをこちらへ連れて来れると仮説する事が出来ます」
アズール「!」
エース「でも、再現とか難しくない?」
セーラ「そんな事ないよ。まぁ、少し上級者向けなのは確かかもね。んじゃ、準備してきます」(行った)
デュース「あの、先輩方。セーラって何者なんですか?」
ジェイド「そうですね。彼女は表にはあまり出れませんが、マレウスさん並みの実力者です」
エース、デュース「え⁈」
フロイド「そうそう。魔法もすげぇけど、勉強も運動も出来んだよ」
アズール「ええ。まさに完璧超人ですよ、彼女は」
エース「すげ〜…」
デュース「そのセーラの幼馴染が先輩達というのも凄い…」
ー5日後ー
〜運動場〜
セーラ「アズールさん、出来ました!時間がかかってしまってすみません」(近くに少し大きな姿鏡がある)
エース「いや、普通5日で出来るもんじゃないでしょ⁈」
デュース「その鏡が再現した魔法具なのか?」
セーラ「そうだよ。行き来は可能なのは確かだよ。でも…」
フロイド「なんかあるの?」
セーラ「この鏡の中はたくさんの世界がある。つまり、波音ちゃんの世界以外に他の別世界がある」
ジェイド「てことは、ただその鏡に入るだけでは波音さんの世界に確実に行けない」
セーラ「その通り。そこでアズールさん」
アズール「はい」
セーラ「アズールさんは波音ちゃんに何かプレゼントしましたか?」
アズール「え?は、はい。彼女に昔、貝殻を渡しました。彼女は祖母にネックレスを加工してもらったようです」
セーラ「なら、確率が上がります」
グリム「なんでなんだゾ?」
セーラ「アズールさんの魔力がそのネックレスに纏ってる可能性があります。それを頼りにします」
ジェイド「しかし、どうやって?」
セーラ「アズールさんならイメージが可能です。例えば…」(フロイドさんの耳飾りに自分の魔力を纏わせた)
フロイド「?セーラ、何したの?」
セーラ「まぁ、見ててください」(セーラの小指とフロイドの耳飾りに光の糸が結ばれていた)
皆「⁈」
エース「な、なんだ⁈」
デュース「リーチ先輩とセーラの小指に糸が⁈」
セーラ「これは魔力の糸。自分の魔力を纏わせた物と赤い糸で結ぶ事が出来る。これで居場所を見つけることができる。しかし、これはイマジネーションが必要なの」
ジェイド「それはどんなイメージで?」
セーラ「魔力を練るイメージです。魔力を練って細い糸を作るイメージです。この中で可能なのはアズールさんだけです」
アズール「僕が…」
セーラ(鏡の前に立ち、触れた)「この鏡に触れて自身の魔力の痕跡を辿るんです。それを先程説明した魔力の糸を作るんです」
アズール「それで辿るんですね」
セーラ「はい。アズールさんが覚悟を決めたら儀式を行います」
アズール「いつでも大丈夫です」
セーラ「分かりました。では、行う前にこれを」(自分のイヤリングの片方をアズールに渡した)
アズール(受け取った)「これって、セーラの大切なイヤリングじゃないですか⁈」
セーラ「そうですね。でも、保険でありお守りです。貴方が無事ここへ波音ちゃんを連れ帰って来れる為の。だから、持って行ってください」
アズール「!分かりました。必ず波音さんを連れ無事帰って来ます」
セーラ「はい!」
セーラは鏡に触れた
セーラ(何かの呪文を唱えた)「これで行き来できるようになりました。では、説明の通りお願いします」
アズール「はい。(鏡に触れて自分の魔力を辿った)…見つけました!」
セーラ「その魔力を練って糸にしてください。それを辿るんです」
アズール「ええ、見えました。僕の魔力の糸と結ばれている異世界が」
セーラ「そこに波音ちゃんがいます」
アズール「では、行って来ます」(鏡の中に入った)
セーラ「いってらっしゃい。気をつけてくださいね、アズールさん…」
〜鏡の空間〜
アズール(待っててください、波音さん…!)
〜元の世界 海岸〜
波音(海岸の岩陰に座っていた)「アズール先輩…会いたいよ…」
海面の上の一部がぶくぶく泡が立っていた
波音「⁈な、何…?」(怖い。アズール先輩…!)
アズール「波音さん!」(泡の正体)
波音「え、アズール先輩⁈しかもその姿は…」
アズール「ええ。今回ばかりはこの姿になる必要があったので、うわっ⁈」(波音が飛びついた)
波音「アズール先輩!アズール先輩、会いたかった。ずっと会いたかった…」(泣きながらアズールを強く抱きしめた)
アズール「…(同じく抱きしめ返した)貴女の約束通りに貴女を見つけ、迎えに来ました。いや、攫いに来たの方がいいですか?」
波音「…ぷっあははは!どちらでも嬉しいです。約束、守ってくれてありがとうございます、アズール先輩!」
アズール「ええ」
アズールの手の中が光り、海の方へ光の線が伸びた
波音「この光、なんですか?」
アズール「僕達が無事帰れる為の光です。なので、息を思いっきり吸って僕にしっかり掴まってください!」
波音「は、はい!」(言われた通りにした)
アズール「行きますよ!」(海に潜った)
空間の切れ目みたいなのに2人は入った
〜鏡の空間〜
アズール「もう大丈夫ですよ」
波音「ん…(目を開けた)わっ⁈ここ、なんですか⁈」
アズール「ここは波音さんの世界と僕達の世界を繋ぐ通路です。…すみません」
波音「え?」
アズール「貴女の大切な人と別れの挨拶とかせず、いきなりこんな事をしてしまって…」
波音「…」(アズールの額にキスをした)
アズール「⁈は、波音さん⁈///」
波音「お気遣いありがとうございます。でも、あそこには別れの言葉を言える大切な人はいないんです。唯一の家族であった祖母は1年前に亡くなってしまった。もうひとりぼっちは嫌だった。だから、アズール先輩が早く私を攫ってくれて嬉しかったです」(嬉し泣きをした)
アズール「…(涙を拭った)もう二度と寂しい思いをさせませんし、貴女を絶対に離しません。たとえ、また貴女が元の世界に帰ってしまっても何度だって貴女を攫いに行きます」
波音「…ふふっ、ありがとうございます。私の王子様…」
アズール「!…はい」
2人は優しくキスをした
〜運動場〜
セーラ(鏡に触れてる)「…来た!引っ張りますよ、う〜!」(魔力の糸を引っ張った)
ジェイド「手伝います」
フロイド「カニちゃん達も手伝って!」
エース、デュース「は、はい!」
グリム「分かったんだゾ!」
皆が魔力の糸を一気に引っ張った
セーラ「アズールさん、波音ちゃん。帰って来てーー!!」(鏡からアズールと波音が出てきた)
エース「出てきた!」
デュース「2人とも無事だ!」
グリム「子分!」
アズール、波音「うわ〜!!」(上から落ちてきた)
フロイド「え、空から落ちてくんだけど⁈」
ジェイド「さっきの引っ張りが強かったようです」
セーラ「はっ!」(風魔法でアズールと波音を助けた)
アズール「ふぅ。助かりました、セーラ」
セーラ「いえ、素敵なもの見せていただきありがとうございます」
アズール「え?…あ///」(咄嗟に空中で波音を守るように抱きしめていた)
ジェイド「おやおや」
フロイド「アズール、見せつけるじゃん」
アズール「お前達…💢」
波音「ん?女の子…?」
セーラ「初めまして、波音ちゃん。私はセーラ・アクウェリアス。アズールさんの幼馴染だよ」
波音「え、アズール先輩の幼馴染…?」
セーラ(波音の両手を握り、大袈裟に握手した)「君に会いたかったよ〜。会えて嬉しいよ。アズール先輩の自慢の彼女さん」
波音「え、え?」
アズール「セーラ、離してあげてください。彼女が困ってます」
セーラ「はーい。(離した)全く、嫉妬深いんだから〜」
フロイド「ねぇ〜」
ジェイド「そうですね」
アズール「お前達、いい加減にしてください💢」
セーラ「きゃ〜、アズールさんが怒った〜」
フロイド「逃げろ〜」
ジェイド「はい」
アズール「あ!待て〜!!💢」(追いかけっこが始まった)
波音「…」(唖然)
グリム「子分〜!」(波音に飛びついた)
波音「グリム!」(キャッチした)
エース「よく戻って来たな」
デュース「おかえり、波音」
波音「2人とも…ただいま!」
セーラ「波音ちゃん」
波音「わっ⁈えっと、セーラちゃんだっけ?」
セーラ「うん。私の幼馴染で兄同然のアズールさんをこれからもよろしくね。少し難儀の性格だけど、大目に見てあげて。私の事も頼っていいから。これ私の電話番号」(電話番号が書かれた紙を波音に渡した)
波音(受け取った)「あ、ありがとう」
アズール「セーラ!!」
セーラ「あ、見つかった。んじゃ、女友達としてこれからよろしくね。バイバ〜イ」(消えた)
波音「⁈消えちゃった」
エース「すげぇ〜」
デュース「本当に凄い魔法士だったなぁ」
アズール「全く…。まぁ、イヤリング返せたので良かったですけど」
波音「イヤリング?」
ジェイド「セーラはアズールと波音さんの為に大切なイヤリングをアズールに貸してここへの帰り道を作ったんですよ」
波音「そうなんだ。あとでお礼をしないと…」
〜賢者の島 海岸〜
波音「…アズール先輩。改めて私を探し出し、連れ出してくれてありがとうございます」
アズール「いえ。僕は約束を守っただけです。それに…(波音の左頬に自分の右手を添えた)貴方のいない世界は白黒にしか見えないので…」
波音「アズール先輩…」
《私はアズール先輩達のお陰で無事にこの世界に帰ってこれた。その後、海の夕暮れに照らされて私達は口付けをした。こうして私は好きな人と結ばれ、幸せになりました》
〜the end〜