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第9話 仕組まれたかもしれない提案
md side
第三王子誘拐事件が一段落し、謁見の間は賑やかさで溢れていた。クリスとリリアは他の貴族との交流をしていて、ナハトとトロンも2人一緒に行動しているようだった。とてもじゃないけどその輪の中に入る勇気はなかった。両親からは他貴族と交流を計ったらという言伝はあるが、僕は関わりたくない。なので気づかれないように謁見の間を後にした。
こういう公の場はすぐに帰れるものなら帰りたいが、今回は帰るに帰れない。実は謁見の間を後にする際にナハトとトロンに声をかけられていた。
ナハト(nc)
「ガイスト。どこ行くの…。」
ガイスト(md)
「帰る。七つの王冠としての用はもう終わったから。」
トロン・フォグナー(tr)
「謁見の間を出るのは咎めませんが、帰らないでくださいね。この後の用事に付き合っていただかないと。」
md
「…何で?付き合うくらいなら他の奴でもいいじゃん。」
僕が不服そうな顔をするとトロンは真剣な表情で僕に向き合った。
tr
「いえ…通常の用事であればガイストさん以外でも構いませんが今回はガイストさんにしか頼めないものでして……。」
md
「僕だけ…?」
tr
「はい。詳しいことは式典が終わったあとに。」
md
「…はぁ、分かった。終わったら呼んで、王宮内の庭園にいるから。」
tr
「はい。」
nc
「僕には秘密?」
tr
「そうですね。ナハトさんを初めとする他の方達にも内密のお話なのです。」
nc
「ふーん…」
興味をなくしたような返事をするとナハトはフラフラと盛り上がりの中に溶け込んでいった。
tr
「では後ほど。」
僕に軽く一礼するとナハトの後を追いかけていった。トロンが僕にしか頼めない、かつ内密な用事って何だろう…。そんな事を頭の片隅にチラつかせながら庭園へと向かった。
小規模な転移陣から家にあるお茶や魔術本一式を持ってきて気長に時間を潰そうと思った矢先、誰かの気配を感じた。こちらに近づいてくる。誰なのかと思い目線を足音のする方へ向けるとそこには第三王子がいた。
…は?いや何でこんなとこに第三王子がいるわけ??マジで意味が分かんない……。
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「ガイスト、今時間いい?」
そう突然に言われた僕はとりあえず頷いた。僕はてっきり身支度等を整えたら謁見の間に戻って式典を楽しんでいるものだと思っていた。だから第三王子がここに来る理由が分からない。
rd
「…まず、改めてお礼を言いたい。助けてくれてありがとう。」
md
「いや…当然のこと、だから……。怪我、なくて…よかった。」
何とか言葉を繋げて話す。それでも王家の人間と言葉を交わすだけで声が震える。コミュ障には辛い…!
rd
「…俺は、王家ってだけで周りが俺に期待する。女とかも王家の人間と結婚すれば名誉だからと色んな奴らが近づいてくる。そんな生活が嫌で俺は王宮から逃げた。少しでも普通に面白楽しく生きたいから。」
md
「………。」
王家の人間っていうのも苦労するんだなって思った。王家はいわば貴族の手本となるべく常に前に進んでいる。それでも周りは結果を求め続ける。それも常に前を進んでくれる王家に。そりゃあプレッシャーに感じるのも納得だ。
rd
「何でこんな話してるか分からないよな…。実は……。…お願いがあって。」
md
「お願い?」
あっ…。何か嫌な役割を掲示されそうな気がする。それでもある程度話を聞いてるように感じさせるために彼の目を見る。
rd
「先日父上から自分に仕えてくれる騎士を選ぶよう言われた。特に期限などはないが早めに選ぶようにと。…そこで俺はガイスト、お前を騎士に選びたい。」
…はぁ!?騎士!?しかも何で僕なわけ!?
……まさか、式典前にアイリスが言ってた第三王子の護衛って、遠回しに俺に騎士になれって言ってたわけ!?じゃあエレナとナハトが目配せをしてたのは…?遠回しに誘導するためとか…。あの2人なら有り得る……。
王家の人間の前でとてもじゃないけど断りにくい。もしかして強制的に第三王子の騎士ルート突入…?
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?? side
たまたま気分転換に外の空気を吸いに行ったらとんでもない場面に遭遇したものだ。あれは第三王子と七つの王冠の1人、ガイスト。
…秘密の密談、ということかな。
遠くから2人の様子を少し観察してから戻るとするか。どうせならアイツにも教えておこうか。これから面白いことになりそう。
To Be Continued………