あら？珍しい。

岩本は、家に帰ると、真っ直ぐ寝室に向かう。毛布がこんもりして、渡辺が寝てるのが分かる。

岩本ー・・翔太。

渡辺ー・・。

岩本ー熱はっと。

37.4度。

岩本ー翔太？

渡辺ー・・ん・・。

岩本ー熱、下がったな。

渡辺ー深澤は？

岩本ー・・。

渡辺ーひかる！

岩本ー俺が気になるんだと。

渡辺ー・・。

岩本ー考えられないって言った。

渡辺ーで？

岩本ー翔太がいるからか？って言うから、関係ないって。

渡辺ーん。ひかる、おかえり。

岩本ーただいま。

晩ご飯を食べ、ソファで今日の練習メニューを聞く渡辺。

リハは1日も休めない。

渡辺は次の練習日、ちょっと早く行って、今日のメニューをやると言う。

岩本ー無理するな？

渡辺ー大丈夫だ。

岩本ー俺も早く行こうか？

渡辺ーばか言え、深澤が変に思う。目黒を誘う。ラウールも誘う。

岩本ー大人しく寝るか？

渡辺ーん、流石に2回病院行くのやだ。

岩本ー今更、何度も行ってるし。

渡辺ーだから、今日は行きたくないの！

そう言いながら、抱きついてくる。

岩本は、抱きしめて眠る体勢になる。

渡辺が岩本の首に腕を絡ませてくる。

岩本ー翔太。

渡辺ーひかるに引っ付いてるだけ。

岩本ー寝れないんだけど。

渡辺ーこのまま寝る。

岩本ー拷問か？

渡辺ー大人しく寝たらいいだろ？

岩本ーこんなに引っ付いてて、寝れるとでも？

渡辺ーふふふ。

岩本は、試されている。

もちろん大人しく寝るつもりだけど。と、渡辺が起き上がる。

渡辺ーひかる、熱ある。

岩本ー下がってたから、病院行かないぞ。

渡辺ー違う、ひかるが熱ある。

岩本ー俺？

渡辺ー自覚なしかよ。

岩本ーお前が偉そうに言うな。

渡辺ー測ってみろ。

38.6度。

岩本ーあれ？

渡辺ーほら、病院行くぞ。

岩本ー何ともないけど？

渡辺ーばか、行くぞ！

岩本ー翔太が運転するの？

渡辺ー当たり前だけど？

岩本ーいい、自分で運転する。

渡辺ー失礼な！

渡辺の運転で、病院にやって来た。

看護師さんがため息を吐く。

渡辺ー違います。岩本が熱あるんで。

看護ーあら。珍しい。

渡辺ー俺は熱は下がってきました。

看護ー失礼しました。岩本さん、よく誰かさんを連れて来られてますけど、診察にかかったことないですよね？問診票書いてください。

岩本ーホント、誰かを連れて来ますけど、書いたことないんですよね。はい。これでいいですか？

看護ーはい、先生から、お呼びしますので、お待ちください。

帰って来て、渡辺は大人しく寝るつもりだった。

だが、岩本が引っ付いてくる。

渡辺ー何だ？

岩本ーいつも、翔太が甘ったれになるの、分かった。

渡辺ー俺がいつ？

岩本ー病院から帰って来たら。行くときもだけど。

渡辺ー何で？

岩本ー触れたいんだ、翔太が欲しい。

渡辺ーば、ばか！

岩本ー翔太・・。

渡辺ーんっ・・んっ・・もぅ！

岩本ー翔太・・。

渡辺ー熱、また上がるぞ。

岩本ーいつもの翔太と同じだ。

渡辺ー俺、3回も行くの嫌だぞ、熱出しても、病院行かないから。

渡辺ーはぁ・・ひかる・・。

岩本ー翔太・・欲しい。

渡辺ーだめだって・・はぁ・・あぁ・・。

渡辺ーひかる・・熱い・・。

岩本ー平気・・。

渡辺ーはぁはぁ・・だめ・・でる・・ひかる・・でる・・はぁはぁ・・。

38.8度。

渡辺ー病院レベルだぞ？

岩本ー行かない。翔太は？

38.2度。

渡辺ー大したことない。

岩本ー俺も、大したことない。

渡辺ーアイスノンと冷えピタ、取ってくる。

岩本ー抱きしめて。

渡辺ーひかる、甘ったれ。

岩本ーなぁ。

渡辺ーん？

岩本ー好き。

渡辺ー当たり前だ。

完