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ロードオブメイガスー真祖の試練場ー
プログラマーでありゲームオタク水樹撫子は遊んでいたゲームの世界観そっくりな異世界にトリップしてしまう。
目的は犯罪行為を続ける魔族の粛清である。政府管理の元召喚された。
ステータスにはランクがあり、ランクはアルファベット順にAからEランク、ランクFとGは評価圏外。特別な上位ランクがS、EX、Uとある。
今の撫子こと名を改めティアナ・ドロッセルはGランクで一般人と戦って60%で勝てる程度の強さということだ。犯罪行為を続ける魔族の討伐は基本Cランクから戦力として認められ、二人組バディを組み行われる。
今のままでは瞬殺され、オーバーキルだと恐怖するティアナをおいて
メイドのナーヴェのステータスはAランクでレベル60伝説の英雄と同格ということになる。ランクは基礎能力の目安で高いほど有利が取れ、レベルは種族としてのレベルで特別な試練や特殊な存在でもない限りレヴナントは60までしか上がらない。
限界突破には鮮血神殿の地下迷宮でボスを撃破すれば、限界突破とレベル上げを同時に可能
限界突破できるレベル数は100づつで真祖のみ550まで上がる、通常は400まで
レベル上げを普通にすれば種族レベルカンストまで20年かかると聞き
異世界とゲームの差に2度絶望するティアナ プレイデータのオールランクUレベル550が途方もなくおとぎ話のように感じる。
「ナーヴェがそんなに強いだなんて,,,,」ガックシという効果音が聞こえてきそうだ。
「真祖の試練場に3年潜ればカンストできますよ」とはナーヴェの言葉。
気を取り直してドロッセル家に伝わる秘伝の迷宮こと真祖の試練場に探索し始めて2ヶ月
気を抜いたら直ぐに撃破される難易度でまるで死にゲーの難易度である
第一階層霧の都市
濃い霧で見通しが悪い中進む、ティアナとナーヴェ。
ティアナは銃の先に剣がついた銃剣と隠密のローブを着用し慎重に歩を進める。
入り組んだ路地を抜けるとホムンクルスが3体現れる。
ナーヴェが注意を引き付けているうちに背後から頭を狙い撃つ。
3発打って一発は命中したが、残りは首に当たる。
うめき声を上げて襲いかかるホムンクルスの攻撃を必死で交わし、スキル無敵化でやり過ごす2ヶ月で基礎能力ランクがDに上昇、種族レベルも18になる。訓練された人間の兵士と戦って50%で勝てる程度 因みに人間の限界は30であり、伝説や神話の英雄でない限りは限界突破も出来ない。
魔術が新たに使えるようになり、ナーヴェが誘い込んだ二体を範囲魔術・火炎陣で攻撃し、焼き尽くす。火炎陣に耐えた最後の一体を銃で撃ち殺し撃破する。
ここまでが長かった。
攻撃を回避しきれず撃破されたり、罠にかかったり、
攻撃がそもそも命中せず不発に終わったり。
ヘッドショットの練習をする時間もなく、基本操作だけ覚え、実戦訓練。
ナーヴェの卓越した剣さばきと体術に身体が追いつかず、何度か見失い迷子にもなった。
ティアナは半べそをかきながら、必死について行く。
粛清の対象となるレヴナントはこの数倍は強い。ナーヴェに模擬戦で勝てる程度の実力が必要だと、改めて実感するのだった。
試練場の奥にいるボスを倒せるようになるまで、繰り返される戦慄の迷宮探索
「ゲームではもっと簡単なのに,,,」
最初の意気込みはどこへやら、異世界とゲームの格差にただただ恐怖するティアナだった。
今まで一つもいいことがないティアナだったが、スキル創造にかけては天才だった
プログラマーとしての経験と実力が活かされ、希少スキル無敵化 集中回避を編み出した
この世界のスキルはポイント振り分けではなく、プログラミングに近いやり方で元素と魔法文字を組み合わせ、スキル名、対象、効果、代償、持続時間を決めて自分で作ってゆく。
自分の中にある個体データに書き込みをすることで習得できるのだ。
スキルは習得に専門的な知識と技術が必要で、短縮し単純化したスクロールでも代用可能だが、効果はイマイチで実戦には向かない。
勿論専門家を雇い作ってもらうこともできるが、高価で失敗することも多い。
しかしティアナは失敗せずにスキルポイントをうまく使い、強力なスキルを作り実戦で活かしていた。
無敵化 すべての物理、魔力攻撃、肉体や精神干渉を魔力を代価に一度だけ無力化する
集中回避 全範囲からの攻撃を魔力を代価に3回まで必ず回避できる。
この防御スキルによりレベル差があるナーヴェの攻撃を防御、回避した
超広範囲の攻撃の無力化、回避は行えないものの生き抜く上で重要なスキルとなる。
何度か死に帰り辿り着いた真祖の試練場ーボス部屋ー
初めてのボス戦
敵は狼のような見た目で素早く、鋭い爪を持ち、爪には猛毒が滴る。
気を抜けば、一瞬で防御力を突破され致命傷を負い、猛毒で追加ダメージを負うだろう
ティアナは猛毒耐性と
ダメージを受けた際スタミナを消費してダメージを回復するスキルファーストエイド
を作り戦いに備える。
近接戦闘になることも考慮し魔剣デュランダルを装備した。
魔剣デュランダルはゲームの世界での神話級の上位、世界級に分類される最高レア度の剣で
全種族に防御無視のクリティカル2倍のダメージと攻撃力の8倍のダメージを与えられ、受けるダメージを三分の一にする攻守ともに優れた装備である。
最高難易度のレイドボス戦で一位を獲得し運営からプレゼントされた。
所詮頭おかしい装備、公式チート装備である。
「持ってきてよかった。今の8倍じゃ大したこと
ないけど、クリティカル2倍は大きいし、受けるダメージ三分の一が何よりありがたい。無敵化は連続して使えない、集中回避も同じだ今ランクCレベル45ナーヴェの話じゃ人間の軍の師団長クラス。ボスはランクAレベル65英雄が倒すような伝説の魔族並みか。」
スキル解析鑑定により、目でみた対象の能力がわかるようになっていた。
強化魔術ですべてのステータスを一時的にAランクに引き上げる。
魔術が効いてるうちに、ナーヴェに弱点を突ける氷属性の魔術を使用し初手で四分の一の体力を減らし、魔書ロードオブメイガスの効果で発動可能となった、流星群召喚で半分を減らした。ボスの素早さは思っていたより早く、一瞬で間合いを詰められ攻撃される。
防御スキルに頼り防御したが、ナーヴェが猛毒に侵されてしまう。
戦闘は一進一退の攻防が続き、魔術による強化も解け、己の実力のみとなる。
猛毒から回復したナーヴェによる氷結乱撃により、仰け反ったところを渾身のチカラで振り下ろしたデュランダルで攻撃し、ボスは倒れた。
計3時間半の戦いだった。
真祖の試練場から満身創痍で帰還し、食事とお風呂を手早く済ませベッドに沈み込む。
この世界文明レベルは近世レベルだが、爵位持ちともなると現代並みのマジックアイテム、魔力を代償に動く家電が貴族には普及していた。魔導冷蔵庫からだした、ブラッドパックー吸血衝動であるレヴナントの乾きを癒やす、献血で集まった人の血をろ過してブラッドハーブという精神系の鎮静作用のある薬草を配合し冷やしたもの
元人間としてかなり抵抗があったが、背に腹は代えられない
乾きはほっておくと凶暴性に繋がりやがて自我を破壊するとナーヴェから教わった。
それをちびちびと口に含み飲み干す。喉の乾きが癒えていき、ネガティブな感情も収まる。
ランクAレベル60になり、来月から粛清のために活動することとなったティアナ。
不安や恐怖のほうが強く、使命感もあるが、複雑な心境である。
バディはナーヴェではなく、別のレヴナントと契約するらしいしどんな人だろうか?
異世界に来て3年が過ぎようとしていた。
真祖の試練場終わり