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#成り上がり
aohana
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#ざまぁ
寺町朱穂
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和泉
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コメント
1件
第58話、めっちゃ熱かった…!!🔥✨ ついに久城乃亜が“正体不明の召喚士”ってバレた瞬間、もう鳥肌止まらんかったよ😭💕 白銀のルクスと黒鉄のガルド、召喚獣2体同時顕現とかカッケェの極み…!! しかも二丁拳銃「黒星」「白雨」出てきた時はマジで声出たわ…!かっこよすぎる…!! ヴィーシャとの戦闘、息詰まるような緊張感と信頼関係が伝わってきて、心臓バクバクした🫶✨ aohanaさん、今回も神回ありがとう…!!次話も楽しみにしてるよ〜🎀💖
召喚陣が床いっぱいに広がった瞬間、空気が変わった。
青白い光が円環を描き、その上を幾重もの紋様が滑る。
そして、”久城乃亜”として生きている間、ずっと隠してきたものだ。
――だけど、もう隠せない。
ヴィーシャの一撃を正面から受け、理央たちを背に庇ったあの時点で、選択肢は消えた。
正体を伏せたまま守るには、相手が悪すぎる。
光が脈打つ。
最初に現れたのは、白銀だった。
魔力の奔流を裂くようにして、巨大な狼の影が前へ躍り出る。
白銀の毛並みと鋭い牙、そして黄金の瞳。
こちらを一瞥した直後、ルクスは一切の迷いなくヴィーシャとの間へ割って入った。
「お待たせしました、我が主」
低く落ちる声――それと同時に、もう一つの召喚陣が重なる。
今度は重い。
黒鉄みたいな硬質の魔力が床を這い、岩を軋ませながら立ち上がる。
現れたのは、全身を重装甲で覆った巨躯の騎士だった。
人型に近いが、人ではない。
漆黒の鎧の隙間から赤い光が滲み、片腕には大盾、もう片腕には巨大な斧槍を備えている。
ガルド。
守護と突破の両方を担う、重戦型の召喚獣だ。
「主様、命令を」
ガルドの声は、地鳴りみたいに低かった。
背後で、三人が完全に息を失う気配がした。
無理もない――今まで見せてきた簡易術式や一瞬の顕現とは、規模が違いすぎる。
召喚そのものが、”久城乃亜”の知っている範囲を完全に超えていた。
「ルクス、前を抑えろ」
「御意」
「ガルド、後衛防護。三人から目を離すな」
「了解した」
短く指示を飛ばす。
余計な言葉はいらない。
こいつらには、それで足りる。
ルクスが低く唸り、ヴィーシャの正面へ躍り出た。
ガルドは一歩後ろへ下がって盾を打ち立てる。
重い衝撃音が響き、その場に防壁めいた圧が生まれる。
「う、わ……なに、これ……」
花宮の声が震えた。
配信で見たものと、目の前の現実が繋がったのだろう。
花宮は呆然としながらも、俺と召喚陣とルクスを順番に見ていた。
その目にあるのは驚きだけじゃない。ようやく噛み合った違和感への確信だ。
「え、もしかして……配信の……」
掠れた声が漏れる。
理央も、透花も、何も言えないまま固まっていた。
だが二人とも、もう分かっている。
“正体不明の召喚士”と、今目の前にいる俺が繋がっている事を。
乃亜ではなく、別の何か――少なくとも、噂の中の問題児なんかでは到底説明できない存在だと。
ヴィーシャはそんな周囲の動揺を見て、心底楽しそうに笑った。
「そうだ、それだ!」
裂けた口元みたいに笑みを深め、尾を大きく揺らす。
「その戦い方だ!」
「……」
「その空気、その指示、その召喚術!やっぱりお前はノアだ!」
歓喜そのものだった。
こいつにとっては、俺が本気を見せること自体が褒美なんだろう。
最悪の性質だ。
「――黙れ」
低く吐き捨てる。
ヴィーシャは肩を揺らし、そして気配が跳ね上がる。
まずい。
「ルクス!」
「承知」
俺が言い切るより早く、ルクスが前へ出た。
白銀の巨体がヴィーシャの爪撃を真正面から受け、火花のように魔力が散る。
重い衝撃波が広間を揺らした。
透花が思わず小さな悲鳴を漏らし、花宮が端末を抱える手に力を込める。
理央は前へ出かけたが、ガルドの盾がわずかに動いて、その進路を塞いだ。
「退がっていろ」
ガルドが低く言う。
「ここから先は主の戦域だ」
その一言で、理央が息を呑む。
一方、ルクスがヴィーシャを押し返し、爪と爪がぶつかる音が響く。
だが、押し切れるとは思わない。
ヴィーシャは単純な力比べですら、前の世界でも上位に入る怪物だ。
――なら、俺は動く。
意識を切り替える。
久城乃亜として学校へ通う人間の顔を、いったん捨てる。
必要なのは、召喚士ノアとしての判断だけだ。
ルクスの動き。
ヴィーシャの間合い。
ガルドの盾が守る範囲。
理央たちの位置。
裂けた空間の揺らぎ。
全部を同時に頭へ入れる。
「ガルド、左後方の壁際を固めろ。透花を中央へ寄せるな」
「了解」
「ルクス、三合目で下がれ。あいつの右脚に癖がある」
「見えております」
ヴィーシャがそれを聞いて、ますます楽しそうに目を細めた。
「はっ、いいねえ!」
牙を見せて笑う。
「そうだ、その感じだ!やっぱりお前と戦うのが一番面白ぇ!」
ルクスが低く唸る。
「馴れ馴れしいぞ」
「お前も相変わらずだな、狼王!」
「貴様に覚えられていること自体が不快だ」
「つれねえなあ!」
ヴィーシャは楽しげに肩を揺らした。
そのままルクスの爪撃を紙一重で躱し、逆に前蹴りのような一撃を叩き込む。
ルクスは身を捻ってそれを受け流すが、床が大きく抉れた。
「でも、安心したぜ……お前、ちゃんとまだノアの前に立つんだな」
「当然だ」
「だよなあ。そうじゃなきゃつまらねえ」
ルクスの金の瞳が、さらに冷たく細まる。
「貴様のような戦闘狂に、主の何が分かる」
「分かるさ」
ヴィーシャは獣じみた笑みを深めた。
「ノアの隣に立つやつは、みんな同じ目をする」
「一緒にするな」
「ははっ、嫌だね。お前、昔より余裕なくなってんぞ」
「貴様を前にして余裕を持つ必要などない」
「言うじゃねえか、狼王!」
言葉を交わしながらも、両者の速度は落ちない。
人の目で追える限界を軽く超えた位置で、白銀と褐色の影がぶつかり合う。
爪と拳、脚と牙、純粋な殺意だけで成立するような乱戦だった。
だが、押し返し切れるわけじゃない。
――ヴィーシャは強い。
ルクス一体に前面を任せ続けるのは危険――なら、俺が崩す。
片手を軽く開き、魔力を指先へ集中させる。
術式を圧縮し、武装召喚の回路だけを切り出す。
「――契約武装、解放」
短く詠唱する。
空気が震え、青白い魔力が両手の中へ収束した。
「顕現しろ――黒星、白雨」
次の瞬間、両手に二つの重みが落ちる。
漆黒と白銀。
二丁の拳銃。
片方は魔力を穿つ黒。
もう片方は軌道制御に優れた白。
前の世界で使い慣れた、俺の契約武装だ。
背後で、三人が息を呑むのが分かった。
「拳銃……?」
花宮が掠れた声を漏らす。
「なんでそんなのまで……」
理央も呆然と呟く。
「お前、どこまで……」
それに対して今は答える暇はない。
ルクスがヴィーシャの爪を受け流した一瞬、その肩口がわずかに開く。
「ルクス、半歩引け!」
「御意!」
ルクスが即座に身を沈める。
その頭上を抜くように、俺は黒星を撃った。
轟音――魔力弾が一直線に走り、ヴィーシャの肩口を掠める。
掠めただけ。だが、軌道を逸らすには十分だ。
「はっ!」
ヴィーシャが目を見開き、楽しそうに笑った。
「それだよ、それ!」
弾痕から薄く煙を上げながら、さらに口元を吊り上げた。
対し、俺は止まらず、続けて白雨を撃つ。
今度は直線ではない。
白い魔力弾が壁を掠め、角度を変え、ヴィーシャの死角側から飛び込む。
「っ、おお!」
ヴィーシャが身を捻って躱す。
だが、その一瞬で十分だった。
「ガルド、前へ!」
「承知!」
重い踏み込みと共に、ガルドの盾が前面へ出る。
その圧だけで、ヴィーシャの間合いがわずかに押し返された。
「いい連携だなぁ!」
ヴィーシャは心底嬉しそうだった。
「最高じゃねえか! ノア、お前、やっぱり生きてた方が面白い!」
「黙れ」
黒星と白雨を構え直す。
狙うのは致命傷じゃない。
ヴィーシャ相手にそんなものは簡単には通らない。
必要なのは、崩し、遅らせ、ルクスとガルドの動きに噛ませることだ。
ヴィーシャは喜んでいる時ほど危険だ。
こちらが守りへ回れば回るほど、あいつはそこを抉ってくる。
だから、最初に線を引く。
「三人とも、絶対に前へ出るな」
三人へ背を向けたまま、低く命じる。
「一歩でも出たら、次は守れないから」
言い終えると同時に、ヴィーシャが獣じみた笑い声を上げて再び跳んだ。