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ー翌日ー
謎の殺し屋は壊滅し、一つ目の目標が達成された。


兄さんについてはまだ謎だらけ不安だらけだが、今は目の前の厄介ごとに全力集中だ。


?1「なぁなぁ、この辺に謎の超強い殺し屋がおるの知っとる?」


パトロールのために街を1人歩いていた僕は路地裏でこそこそ話している男性4人の声に足をとめた。


?2「え!そうなん?初耳。」


?3「知っとる知っとる!俺の友達見たことあるいうてたで。」


?4「あれそこって弱いって俺聞いたんのやけど?」


?1「それほんま?!じゃあ俺らボクシング歴長いしわんちゃん倒せるんちゃう?笑」


?3「たしかに笑」


?2「今からカチコミいく?笑」


?4「さんせーい笑」


「…ちょっとすみません。」


?「?!」


これ以上聞いてられなかった僕は殺意漏れ漏れの状態で男性達に向かって一声かけた。


「僕らそんな弱くないんで。あと、ニコアのこと馬鹿にしないでくんない?」


ードゴォ!ー


僕は最初に赤いディナーの話をし始めた男の腹のど真ん中に蹴りを入れた。結構ゆるくやったつもりだったのだが、相手は今にも吐きそうなくらい苦しそうな顔をしている。


?1「うっ…」


?3「お、おい大丈夫かよ…」


?4「そんなこと言ってる場合じゃねぇ!逃げるで!」


?2「お、おう!」


ーヒュンー


僕は逃げようとしていた3人をすり抜けるようにして追い越し、目の前にたった。


「仲間を裏切って逃げようだなんて哀れだなぁ笑」


ードガゴォン!ー


目にも見えないスピードで僕は3人を同時に蹴り飛ばし、壁に叩きつけた。大きなゴミ箱が倒れ、結構派手な音をしてしまったため、1人の男性がこちらへやってきた。


人「あの…なにかありましたか…?」


この状況だと、明らかに僕が悪者になるため、男性は怯えながらか細く言った。僕は殺気を消し、優しい雰囲気を纏っていやぁと言いながら頭をぽりぽりとかいた。


「僕はちょっとしたゴミを捨てに来たんですけど、何やら喧嘩していたみたいで…。大丈夫ですか?」


こう見えて演技には自信がある。4人の男達は見合ってうんうんと強く頷いた。


?1「ちょっといろいろ揉めてしまって…す、すみません。」


様子を見に来てくれた男性は「なんや、そないことか」と言って、仲良くねと去って行った。幸い、ここら辺の地域は治安が悪いため、軽く受け入れてくれた。


僕も、じゃあまたと手を振ってその場を後にした。


「ただいまー」


ーチリンチリンー


カフェの扉を開けると、アキトさんがにっこり笑顔になっておかえりなさい!と言ってくれた。


今日は定休日で中にいるのは全員赤いディナーの面々だ。しかし、賑やかだった店内が僕が入ってきたことによって静まり返った。そうだ、まだみんなには何も言ってなかったんだっけ。


僕は一歩前に出てにこりを笑った。


「はじめましての人もいるかもしれないけど、僕は関東周辺を担当している赤いディナーのジクのウラン。大阪方面が今忙しいって聞いて、1週間こっちでお世話になります。」


全「…!!!」


いつものように怖がられるかと思っていたが、大阪方面のみんなは僕を見てキラキラと目を輝かせた。僕が黙って考え込んでいると、アキトさんはあぁ、と言って苦笑いしながら説明してくれた。


アキト「僕も含めてみんな、ニコのあの自由気ままな性格を止めることができないんです。取説もないのにニコを大人しゅうさせることができるウランさんに、みんないつも会ってみたいと尊敬の眼差しを東京へ向けていて…笑」


なんだそれ。僕は気を取り直してたまたま空いていたアキトさんの目の前の席に腰掛けた。


「まあ今日の僕の見回りは終わったし珈琲お願い〜」


タサキさんは分かりましたと微笑み、珈琲を作り始めた。僕は隣にいた若い男性に会釈した。その男性は緊張しつつも僕に話しかけた。


「あ、あの!ウランさんはボスの息子さん…なんですよね?」


みんなも知りたかったらしいのか、全員が静かに僕の言葉を待つ。不思議な感覚だ。


「うん、正確に言うと義理だけどね。」


少し驚きの声が聞こえた中、次はその男性の隣にいた女性が僕に言った。


「わ、私も聞きたいことあるんですけど!扱える道具とか得意な技とかありますか…?」


なんだが質問タイムのようだ。僕はにこやかに笑って頷いたあと、天井を見上げてうーんと唸った。


「習得済みなのは、散弾銃、ナイフ、弓、スナイパー、手榴弾系の小物…ここら辺はボスに完璧って言われた物。今練習中なのは刀だよ。得意な武器はやっぱり散弾銃だなー。技って言われたら飛び跳ねたり、攻撃交わしたり、落下したりしながらでも相手に向けた銃向は必ずブレないこととか?」


全「すげー…」


「あはは、そんなことないよ。みんなも順を追ってしっかり練習すれば、得意な武器も技も増えていくはずだよ。」


僕は笑いながらみんなにそう言った。大阪方面の人と話す機会なんてそうそうないから、僕はそれから日が暮れるまでみんなと賑やかに話していた。


本格的な夜になった頃にはカフェのカウンターにいるのは僕だけになった。相変わらずの綺麗好きなアキトさんは珈琲カップを1個ずつ丁寧に磨いていた。


「…なんかニコア遅いな。」


僕はそう呟いて席をたった。僕が万が一を備えて散弾銃をホルダーにしまい、なぜか目に止まった僕の刀を腰に差し、コートを着て準備をしていると、アキトさんは時計を見ながら言った。


アキト「実はニコアさん、週に一回は真夜中に帰って来はるんです。何してるかいくら聞いても教えてくれないんですけど…。」


あのニコアが1人で隠し事…?あの…ニコアが?僕はにやりと笑ってドアを開けた。


「ニコアの隠し事、僕が見つけて来ますね。」


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