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本人様にご迷惑のない様にお願いします。
フィクションです。
ギルドパロです。非常に捏造多いです。
青さんがずっと眠ってます。
(たくさんの♡ありがとうございます❕とても嬉しいです、励みになります)
「ごちそうさまでした」
「え、スマさんお残し〜?」
「うるせ、腹いっぱいなんだよ」
「じゃあ僕食べちゃお、いい?やんさん」
「いいけど…。何、めっちゃ残してるじゃん。俺の飯不味かった?」
「そんなこと言ってないだろ」
きりやんのご飯はいつも通りで、ちゃんと美味しかった。
少食の俺のために少なく盛り付けられた白米は、一口だけ食べてそれ以降は身体が拒否した。
優しい味のスープは心地が良くてすべて飲んだけれど、メインディッシュである肉はどうも手を付ける気になれず一欠だけ食べて、それでおしまい。
料理の問題ではない。
「スマイルさあ、最近食べなさすぎだよ」
「それは俺も思った。でもそう言うナカムも最近寝てなさすぎ」
「シャークんだって休んでないくせに」
「俺は寝てるよ」
「ずっと任務漬けじゃん!」
「お前も嫌いな事務処理ばっかだろ?」
いつのまにか話題が移って口論を始めるナカムとシャークんにきりやんがため息をつく。
「はいはい2人とも喧嘩しない」
「…別に喧嘩じゃないし」
「人のこと言えないくせに言うから」
「な、そっちだって…!!」
「ねぇ、もうやめよ」
また口を開いてシャークんにつっかかろうとしたナカムがぶるーくの一言を聞いて黙り込む。
ぶるーくは黙ったナカム見てから俺の残した肉を美味そうに頬張った。
「ごめん…ご飯中に」
「いいよ別に、お互い心配なのは当たり前だもん」
反省した色のナカムにぶるーくが笑って返す。
シャークんは初めからナカムを心配しての行動だったのか反省の気はなさそうだった。
「はぁ…でもまあ俺からしても確かにスマイルは最近食が細すぎるから、体調気にしておけよ」
「…わぁってるよ」
きりやんの声かけに雑に返事をする。
気にするも何も既に体調は悪く、熱が俺の体を蝕んでいるからだ。
ここ3日ほど続く頭痛や食欲の低下は熱の十八番と言える症状だろう。
きんときがいたら確実にバレていただろうが、今はそれぞれ自分のことで精一杯で気付きようがない。
それを良いことに俺は1人で今日も部屋に籠る。
「熱…測るか」
今まで測ったら余計ひどくなるだろうと避けてきた体温計を手に取る。
流石に長引きすぎである、免疫が低下しているのかもしれないが。
気温と同じ温度の無機質な体温計を脇に挟み、その冷たさに鳥肌が立つのを無視して電源を入れる。
ピッと軽い音が鳴ってから体温計が黙り込む。
飯の時にあったことは、きんときがいなくなってからはよくあることだった。
シャークんとナカムはお互いを心配するせいか喧嘩をしやすくなったし、きりやんは声をあげても2人が聞かず、最終的にそれを収めるのはきんときではなくぶるーくになった。
俺は俺でいつも通り何も言わない。
ピピピと鳴る自分の体温に馴染んだ体温計を引っ掴んで液晶を見ると、思ったより高い体温が表示されていた。
平熱が低い自分からすれば37度は十分熱が出ている状態である。
体調を数字で認識した途端に体が重くなるのを感じて、あぁやっぱりやめておけばよかったなんて思いながらベッドに潜り込む。
治すにしても、そもそも薬がどこにあるかもわからなければ、何をすれば良いのかもわからない。
今まで全てきんときに任せ切っていたな、とふと思う。
きんときが眠っている今、医務室の管理人になっているのはきりやんだ。
きりやんに聞けばまともな返事はくるだろうが、今のあいつに今以上負担をかけたくない。
俺ができることはいつも通りを壊さないことだから。
きんときがいてもいなくても俺のままであることで、あいつを生かしておくことができるから。
俺が変わったら、まるできんときがいないみたいになってしまう。
あいつが帰ってきても、すぐに席を用意できるように、俺は変わらないことを徹底する。
変わらないためには、変えないようにするためには、今まで通りである必要がある。
俺は普段から周りに気付かれない限り体調を伝えない。
だけど今のこの状況で何も言わないのは、きんときが必要だと証明するためでもあるし、ただの自己中心的なわがままでもある。
本当はあいつに見てほしいんだ。
怒られるならあいつに怒られたい。
医務室で待っている彼の笑顔が浮かんで、すぐにそれは消えていった。
「…辛いから、早く治してくれよ」
いつまで、この体調を、きんときがいないという現実を、見ないフリをしなければならない?