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いやはや、時の流れとは残酷ですね(;´Д`A
けぇ様!!リクエスト誠にありがとうございました!!!
かなり遅くなってしまいましたね、申し訳ありません:(;゙゚’ω゚’):
書く量に対して使う時間がおかしいです。まあ大抵はやる気の問題でしたから、これは堪らず腹切りですね。
注意
R18
日本語❌❌
WW2について仄めかす場面がございます。
(※人によっては不快感を与えるかもしれません。また、当該作品に政治思想は含まれておりません。 )
決して戦争を肯定、称賛、推進、並びに過干渉する旨は一切とございません。
政治的な意図はありません。
大半の内容は、史実とは関係ありません。
以上が大丈夫な方はどうぞ!
目を開ければ、暗がりを掻き分け入る暖かな日差し。全身を包み込むような温もり。
そんな、変わりゆく当たり前の中で、最も美しいと思えた日常の始まりは、今日。たった今をもって、潰えることとなった。
「おはようございます。随分と眠られていましたね?」
いつも通りの壁掛け棚に、部屋着をしまうアンティークなクローゼット。瑞々しい葉の先を懸命に伸ばしながら、今日も溌剌と生きる観葉植物。天井に張り付く丸型の照明と….。窓が無く、扉が明らかに異質な金属製の扉に変わっていることを除けば、いつも通りに見知った己の部屋だ。
そんな部屋に、もう一つの異変。見知った異常。それが、覗き込む。
まるで太陽光を反射したかのように、暖色の乗った白銀の睫毛を揺らし、アメジストを嵌め込んだ眼窩。桜並木の色と見紛う艶やかな唇。珍しくシルクハットが外されているせいか、幾分も輝いて見える。そんな…..、 寝起きで見るにはいささか眩しすぎる、異変だ。
「………気持ち悪い」
「おや?心外ですね。私これでも、美人な方であると自負しているのですが…」
「はぁ…….ちげぇよ。どうせ、昨日。眠剤でも盛ったんだろう?いったい何を使ったんだ….、目眩がする….ッ!」
「あら、私の真心ですよ!ま、ご、こ、ろ♡」
離れていても分かる。シダーウッドの知的な香りに、ふんわりと、風と絡め合う、シトラスが乗せられている事が。….. 正に、紳士の香り。
到底、巫山戯た口調で、当然のように人に薬を盛る男のものとは思えない。
「見てくださいよ、この部屋。随分とかかってしまいましたが…..。窓と扉を除けば、全て、貴方の部屋と同じにしたんですよ?いやはや、苦労しました」
もはや、言葉すら交わす気も起きなくて….。喜びに満ちた狂気の紫に、何に歪まされているのかも分からない眼差しを向ける。
「貴方の家を見ない日は、あの日以来。一度とありませんでしたからね。素晴らしい出来栄えでしょう?」
「……..ッ気持ち悪い」
「んー、…思っていたより薬の効果が強かった様です。貴方は、あの程度。効きすらしないと思っていましたので……」
独り言を呟く様に喋る、ラピスラズリの男。吐き気がする。その異様なまでの執着が垣間見えたからか。己の眉間に寄った皺が、より細かく刻まれる。
それに、男は破顔一笑。くるり、後ろを振り返り。 こつり、こつり、俺から漸く距離をとったかと思えば。己の懐に手を伸ばし、首だけを此方に傾けて、懐から取り出した小瓶を軽く揺すった。
「これ、ナニか分かります?」
雅やかな笑みは、ガラスに閉じ込められた薄紅の輝きの様に。ほんの一瞬。ぴかりと、白く光る。
「毒か」
「失礼ですね!私が毒を隠しもせず飲ませるとでも?__貴方にでしたら、気づかれないよう、こっそり紅茶にでも混ぜますとも」
「成程、俺はそうやって盛られた訳だな」
「冷静ですねぇ….、そんな所も好きですよ♡」
恍惚とした表情に、思わず胸がドキリと脈打つ。官能的な蛇睨みに巻き付かれ、身体がぴくとも動かない。何も見えない。視界が霞む。己で理解できない思考に全てが向いてしまう。
それでも、紳士は空気を滑る様に。緩慢と、歩いて、目の前へ、そして…..。
すぅるり、と。互いの指が絡め合う。
「__ンッ?!…..ふ、…ふ ゥ゛……ッッ!」
優しい隻腕に腰を抱かれ、引き寄せられ、__
__化学香辛料では誤魔化せないぐらいには不味い液が、吐き出そうと暴れる俺を無視して、無理やり開かれた喉に流し込まれた。
人肌程に温められた液体。味覚の壊れた2枚舌は、その渋い苦味を意に介さず。苦痛に耐えようと引っ込んだ俺の紅を覆い隠しては、甘い唾液と絡ませあってくる。甘味と苦味。吐き気を催す、未熟な銀杏の様な、そんな味。それを忘れさせるほどの、典雅な香りが鼻を抜ける。
絆されてしまうみたいに、融け合ってしまった互いの紅が。己の下腹部を、ずくり、と疼かせる。
結び合って、重なり合った手に、より一層力が入り。心地良く寝入っていたベッドのシーツに、ドサリと背から倒れ込んだ。
「んっ…..はぁ〜〜 ……♡」
「ぅ…..ッ、ケホっ、ゲホ、ッ、ぐ…ぅ….゛」
「ねぇ、ドイツさん。私、貴方が神に成って変わろうとした事。とっても素晴らしいと思ってたんですよ?付いて行きたかった….」
「…..はぁ、はぁ…..ッなら何で__」
「でもね、それではきっと、貴方は私よりもより強大な存在となってしまうから。そうしたら、貴方は…過去の栄華に縋る、哀れな国は見てくれないでしょう?」
「……」
「ねぇ、これ。見てくださいよ!貴方につけられた傷。懐かしいですね。あの甲高い音は、今でも、忘れたりなどしていません。あの音の中でも伝わる、貴方の作った子たちの羽ばたきが聞こえるだけで、私はずっと貴方を感じられた」
ぴっちり整えられたスーツが乱れることを厭わずに、露にされた青い胸元。視界に映るのは痛々しい焼け爛れの跡。瑠璃色の肌を穢す錆。耐えきれなくて目を逸らしても、網膜にこびりついて剥がれない業。
吐きそうだった。俺にそんな資格はないと分かっていながらも。苦しかった。有頂天になり、起こしたかの争いが、どれだけの犠牲を払い、無意味に終わったのかを突きつけられるのが。
「この傷をつけたのは貴方。一生消えることのない傷を私に刻んだのは貴方だ。___あぁ、泣かないでくださいよ。まるで私が悪者みたい」
哀愁漂う紳士の指先が。流れるように空を泳いで、穢れた、愚かな、頬を撫づ。一筋零れた雫の軌跡を辿って、俺が持つべきでない、眦に溜まる珠を掬った。
「安心してください。私は貴方を赦しましょう…..。勿論、それ相応の罰は受けていただきますがね」
あゝ….神よ、何故。こんな私めに、ゆるしの秘跡を与えてくださるのか。こんな醜き存在に。生まれ持った罪に、更なる罪を重ねるばかりの俺に。
___しかし、…本当に、良いのだろうか。
赦しを乞うて…..嗚呼、良いものか。
「大丈夫。言ったでしょう?相応の罰はあると。貴方の業は深い、深いだけ、時もかかりましょう。しかし、人とは常に、皆が罪人であるのです」
温かい指先が、一本。俺の胸を指す。
「…..っん 」
するり、するぅり。胸の合間から喉元、顎の裏を。偶に感じる擽ったさを、俺に知覚させるように。ゆっくり、なぞって。持ち上げられた顔に飾る双眸と、ガラス玉みたいな双眸とが。パチリと、確かに交わされる。
「もはや誰がこの世に罪を持ち込んだのか、誰も分からない。けれど、貴方が罪を重ねた事に変わりは無い」
「あ、ぅ…..っ、….ふ、ッふぅ、く 」
「しかし、現世での罪は私が今、晴らして差し上げますよ」
彼がパッと手を離したその時。
___呼吸が苦しくなった。
胸焼けするような苦しさが喉を競り上がり、もはや吐き気とも呼べる不快感が全身を支配する。有り余る興奮が燃料となって大きく揺らめく炎が大量の二酸化炭素を無意味に生み出しているようだ。
次第には酸素を求めて、3秒間に呼吸する回数も増え。しかし、一酸化炭素中毒にでもなった脳はその思考を停止させる。これがまた、呼吸を止めさせ、冷静さを取り戻そうと深く息を吸うことすら許されず、永遠と業火に油を注ぎ続ける要因になってしまう。
苦しい。息が詰まって、喉が開かなくて。声すら出せなくて。
……..なのに、なぜ
___こんなにも酔いしれていたいのだろう。
「効いて来ましたね、興奮剤、……もう、そんなにきもちぃんですか?♡ 涎まで垂らしてしまって… 」
鬼を怯ませ、火車をも凍てつかせる、冷酷な瞳。けれど、真っ青には染まらない、麗しのパープル。
何故なのか分からなかった。酷く冷たい青に限らず、同じくらいに情熱の赤が、その内に混ぜられているのかが。しかし、今、やっと分かった。 紅潮させた頬と、劣情いっぱいに滾った声と、欲情した顔。俺にしか向けられない、燃える朱色。
ぞくぞくッと、悪寒にしてはやけに甘ったるい痺れが全身を迸る。
そんな俺の様子に、彼は柔らかに笑った。
「それではまず、自慰でもしましょうか」
「……は、」
「何も驚くことはないでしょう。何のための興奮剤だと…..、ああ、理由が分からないほど初心な人でしたっけね、貴方は」
「、…..」
「ジョークですよ。まぁ、貴方に拒否権はありませんが。……何、貴方は神に反いたのです。自戒も込めて、己の恥を晒す苦しみは贖罪の一つになりますよ、ね?ですから、ほら、貴方を襲う肉欲に身を任せなさい」
「ぃ や、おれ、は……..」
小さく舌打ちがこだまする。実に小さな、小さな音。けれども威圧感は大きなもの。気がつけば、 肩が戦慄いていた。
「神に反くのもまた恥だ。ドイツよ、しかし、罪を更に重ねる気かい?__いいから、とっととヤレ」
「は ぃ….っ」
嗚呼、恐ろしくてつい頷いてしまう。
___本当に? だが、抗えない。手も足も出ない。そんな現状に口角を上げてしまうのは、恐怖からくる本能か。
「ん、良い子ですね♡」
嬉しそうに褒める青き人は、既に取れかけていたネクタイを乱雑に解き……。俺の手首を括ってしまう。後ろで束ねられた腕は、身体の固い俺には随分とキツく、それなりに痛い。
「な….っ、ぇ」
「何度も言いましたよ、これは罰なんだ。簡単にできてはいけません」
「だが、これじゃ…何もできないじゃないかッ」
「身体は動くでしょう?手を使わなければ良いだけです。では、私は見てるので、後は自分で考えてみてくださいね」
そう告げるや否や、彼は俺のズボンとパンツを剥ぎ取る。肌身が布に擦れるだけで、何かが崩れる轟然が頬を火照らせるが。見向きもしない男は以降、俺に触れず。無駄に長い足を数回動かしては、この部屋に置いてあった小さなチェアに、腰掛けた。
____どうすれば…。
手は使えない、足も届かない。ならばベッドに竿を擦り付ける他ない。
そんな自慰など嫌だ。けれどもう、飲まされた興奮剤で抑えも効かない。抜きたい。一度でも抜いて楽になりたい。苦しい、辛い、痺れて、吐きそうで、きもちよくて、疼いて、熱くて、もっと、….凍てつくその瞳に風穴を開けられたい。
そして、そうして。はやく、はやくイきたい….!!♡
ごろり、どさっと、うつ伏せに転がる。優しく陰茎に触れるシーツのこしょばゆさが堪らない。情け無く漏れる大きな喘ぎ声。恥よりも性欲が勝っていた。
「はぁ、ハっ ♡ん゛ッ、ふ、ぅ……ッあ゛ ♡ 」
観られてる、観られている…..♡
性が激った顔で。手首を縛られ、本能のままにシーツに腰を振ってる獣に、彼が魅入っている。ギシ、ギシ…。苦しそうに唸るスプリング。普段なら、潰れてしまう恐怖に億劫だった手段を、今は無理やりさせられているんだ。それに俺は、きもちよく、なっていて…..。
腰が一度、ベッドの唸りを静止させる。
___が。あの瞳孔が、滲む涙で全く見えない面様が。俺の尻を、思い切り引っ叩いたんだ。矜持を砕く、酷い喘ぎを叫びながら。熱を溜め込んだソコを、また、ゆっくり、ゆぅっくり。動かす。
着ている服が胸元を、腹を、そして陰茎を摩擦するのが。擽ったく、全身に熱を持たせてしまうのがこれまたきもちぃ。布のサンドイッチを受けたソーセージは、 鈴口から先走りを漏らして、ぐしゃぐしゃなシルクを濡らして。その湿った感触が気持ちよくて、また興奮して喘いで腰の振りを速める。そんな俺に、彼も興奮している。
駄目だ。まともな思考ができない。脳が彼に汚染される。
「イ゛きそッ、オ゛…、っ♡あ、あ、きもちっ、….ィ゛……くぅ〜 …ッ♡」
「イけっ♡」
興が乗ったサディストの命令が、鼓膜を穿ち、脳みそを殴り付け。肌触りの良いぐしゃぐしゃのシルクに、シミが生まれる….。
脳から脊椎を、甘い快楽が帯電し、生まれたてのように戦慄く脚から、崩れ落ちた。 震えが、止まない。酸素が、足りない。弱々しい手が、必死に手元を手繰る。コツ、コツ。椅子が軋むと、柔らかな足音が聞こえた気がした。
「ふふ、ははは!嗚呼….、随分とおもらしさんなんですね?こんなにすぐにイってしまうなんて……。__本当に、薬だけの所為ですか?♡」
「ぅ゛___、は、…ぁ….♡」
「ふふ、まぁ…いいです。分かりきった事を聞くのは野暮ってものですから」
随分とイヤラシイ言い方をするものだ。幸いなのは、視界が歪みきって、見た者を蠱惑に落とす全てが目に入らないこと。しかし__それだけ。
誰にでも甘い、魔性の声。滑らかに悩殺を成し遂げる、なよびかな撫手。 他はどんどんと、俺の五感を犯すのだ。 伝う汗に、熱が帯びる。
「次は、ご奉仕にしましょうか」
カチャカチャと。尾錠が舌と打ち鳴らし合う、間延びのしない甲高い音が、耳孔を這い入った。硬い革製のベルトが、シュッ….と布を切り裂くような。決して滑らかには行われていないのに、手際よく行われる行為が、依然として1人興奮を収めない俺を際立たせている。
「…..ぁ、” 」
噛み合うジッパーが静寂を同様に裂いた頃。盛り上がる薄灰色の下着が、多分に汗を吸い込んで、今にも突き破られんと、引き伸ばされていた。その壮大さには、言の葉も枯れて実を付けない。実物はまだ、布一枚を隔てて姿も見せてはいないと言うのに……。
彼の汚れの無い指先が、遂にゴムに掛けられた。ゆっくり、….ゆっくり、……..。劇場の垂れ幕のように、スローモーションで開かれる。
「…….」
ベッドに横たわったまま、起きる気力も湧かずに魅入っていた。ブルンッ♡と、すぐさま大きな逸物が水飛沫を撒きながら主張を始める。まだ、ほんのカリ首ほどの位置なのに、だ。徐々に、力強く浮かぶ太い血管の幹も見え始め。無意識のうちに、己の視線も下へ下へと下がってゆく。そうして、__睾丸が顕になったと同時に、下着をずり下ろす手は離れ、待ち切れんとばかりに雄の 先端を、俺の口元に擦り付けるようにして差し出された。鼻腔を貫くアンモニアの刺激臭と、蒸れ、染み込んだ汗、微に感じる生感のある臭いが混ざったソレ。
あまりの臭さに脳が危険信号を発し、視界はぐにゃりと歪む。
しかし本能には逆らえなかった。吐き気を催す臭さの中にある、頬を嬲るような強い雄の匂いが嗅粘膜に一度触れたらもうこびり付いて離れない。あれだけ気持ち悪かった異臭は、世界でたった一つのフェロモアに変わった。
「歯を立てずに、咥えて、…..そう、上
手…♡」
幾度となく昂って、鎮める為に、彼へと捧げたくなってしまう芯の臓が、大きく、跳ね上がる。躾けられる犬のような、無垢でいるような気にさせる、恍惚とした表情が。狭まる口腔を口膣に変えている。
太い一筋の通る裏を、舌のはらで、一部を覆って、舐め上げ。必死に大口を開けた。亀頭をカリまで丸ごと食んで。喉彦をゆるぅく突く先っちょ。それを、奥でグッ♡と締め付けたら、快楽に苦しむ彼の顔が映る。
(あゝ!イけ、イけっ♡)
いっとう淫らな音が、己の口から鳴らされる。柔らかいのに、硬い、その巨悪を。懸命に顔を動かしながら奉仕する。いつの間にか顔に回された細い指先は、力強く後頭部を鷲掴み。ついに彼の方から、一切の容赦無く咽頭を穿つようになった。 がちゅん、がちゅ、どちゅっ♡
「……..ォ゛…ッ゛……ご、”…ほ゛…..♡」
息ができずに死んでしまう。酸欠、きもちぃ、死ぬ、殺される。
「ぁ”….く゛っそッ”…ッ”ッ゛♡」
「ギ ゅ゛…..ッ゛、ンッ゛…….う゛、こ” ..っほ゛…ッ゛っ゛♡」
こぼれる乳白色。堪らず喉を鳴らした。咽頭の先に消えてって、胃液に混ざる貴方の約3ヶ月。一刻を待たずして、酸によって死んでしまう。
__俺は、酸欠で死んでしまう。ふわふわと、天に昇るような快感による浮遊感。それに溺れている間には、どろっと、白と透明の混じった糸がいくつもひかれながら。口膣と、萎えた雄の象徴が分たれた。
「はぁ…..はぁ、….っ♡ あ゛ぁ”ー、!イくつもりは無かったのに….っ!!」
気持ちの良い事。十分良い事。そう思ったが、天と海を纏う彼は、苛立っている。左の眉根が痙攣し、皺が一向と濃くなって。けれども欲情が一目でわかるのだから、獣が紳士に化けていたのだと。たった今、理解した。
「やはり、思い通りにはさせてくれませんね。そこが貴方らしいですが、少々、…ええ、腹が立ちますとも!」
嘘が生きがいのようなこの男にしては、随分と芝居がかった、単調な物言いだ。挙げ句の果てには、己の陰部は晒したまま、机の中を漁る始末。
ナニをされるのか、嗚呼、恐ろしい。恐ろしい。
「あぁ、ありました」
キラリと、彼の手元で輝いたのは。歪な銀の球が幾つも連なる、一本の棒であった。それはそれは細いソレ。恐らくてっぺんと思える場所には、鈍く輝く鋼のリングが携えられており。
そのもう片方の手には、誰が見てもよく分かる。ドレッシング型の容器に入れられたローションが、しっかりと握りしめられていた。
滑りを良くする潤滑油と、正に医療器具のような道具。絵に描いたような気違い。
何処とも無しに、筆舌し難い悪寒が背筋を辿る。
「ナニを……、っ、___」
聞いてしまったら引き返せない。興奮で血の巡りが速くなっているせいか、過剰な酸素で逆に脳みそが動かせないのに。本能が、過ちを犯そうとする理性を堰き止めた。
決して良い事は起こらないだろう。けれど……、けれども。きもちぃことを、彼は教えてくれる…。
牡丹崩れたその後も、一時だって花がら摘みを忘れずに。丹精込めて愛を捧げてくださる白い国。いっそ枯れ落ちてしまうその前に、押花にされることを望む者の多いお手で一つ。たった俺だけを選んで欲しいと、強欲が囁いた。世界で唯一持てるチャンスが今だと、誘惑の仕方を色欲が囁いた。
俺が世界で唯一の彼の押花に成れるチャンスを得ている。蜜も持たない空っぽな存在。花弁の先は茶色く乾き、中身はまるで果てたキンギョソウ。だがしかし、空白だけは大量に。残したく無いほどいっぱいに抱えている___
それを全部、不実の彼に埋め立てられたくなった。
「優しく、優しくしてくれ…… 」
身を投げ捨ているように、仰向けになった。
ナニをされるか、分からない。受け入れてしまおうと、口が開いたが今際の際。全て、全てがあの薄桃色の液体のせいだと。俺はまだ堕ちてはいないと、抵抗をしていると思いながら。
消え入るような小さな声を、恥じらいを、腕でそっと塞ぎ込んだ。
「……__煽るのも大概にしなさいよ」
怒り。怒りを感じる。足早に足音が鳴り響くと、余裕の無い気配が俺に影を落とし__
こぷり♡と、粘着性の高い白濁を引っ提げた萎えチンを、掴まれた。
「、ぅ……♡ 」
節ばった指が、疎らに陰茎を揉みほぐす。尿道を奔って吐き出される精虫共も、心地よさに固さを失い、雪解け水のように。ちっちゃなお口から、こぼれ出してしまう。
詰まりの取れる高揚感に身震いをした。僅かに開いている鈴口から入り込む冷たい空気が、奥の、奥の、そのまた奥を鈍く叩くのが、うっそりする程、きもちぃ。
「ひ、…__っ!♡ 」
入り込む冷たさは、空気だけに留まらなかった。内から凍らせるようなローションを纏う、青い男の拭い手で温められたステンレス。一寸も無い、亀頭の穴に、ぬぷ、く、くぷぷ…♡出し入れを繰り返しては、徐々に深くを暴こうと、入ってはいけない場所に入り込む。
___だけなら、良かったのに。
丸い棒先が、管の中間部を優しく掻いてくる間。ローションでびちゃびちゃの支え手が陰茎から離れ、遂に、孔のふちに触れた。
『いやだ。やめて。』そんな言葉は、出てこなかった。代わりに出るのは、野太い、醜い、媚びた声。 慣れた手つきが、尻の谷間からほぐし、ほぐして。
「ふーっ、…ふっ、ふぅーっ…..っ… ♡」
腕に、熱い息をかける羽目になる。熱い、全身が燃えたぎるように。孔に差し込まれる指先が、己の膣肉に触れるたび、融け、蕩けて、溶かされる。こぷっ、こぷっ…♡と、いつか、ローションに混じって。予め、彼のカタチを作るため。中が全部、溢れ出すのかもしれない。
「尿道プラグ、すっかり飲み込めちゃいましたね?」
恍惚とした声色で、俺の陰部を愛撫する。花を愛でるみたいに。
「ですが、貴方がとんだド変態だったなんて….。ほら、せっかく塞いだのに、もう我慢汁が溢れてしまっている… ♡」
「__おま、えが!お前が変な薬を飲ませたせいだ、ッ゛!! 」
「ふふ、…ええ、そうでしたね」
こちらを見透かすパープルアイズ。煌々光る部屋明かりを背に、俺の身も、心も、暴いてゆく。余裕たっぷりの、音色で。
「__っう、あ、っぁ゛…?!♡ 」
「それじゃあ、責任を持って、沢山気持ちよくさせてあげますよ」
「ア゛ぁ”ッ゛ッ…っ!!♡♡」
無慈悲な中指と環指のたった2本。それが疎に暴れ始めて、行き場のない快楽を逃す為に足が空中で、ピンッと伸びる。それでも足らない分が、全身を伝う電流となって大きな喘ぎに消費された。
失い切れない理性が、恥ばかりを意識させる。丁寧に手入れのされた彼の指がシコリを優しく擦るたび、コプッ、トプッ♡と我慢汁が吹き出すのに、きもちぃのに。決定的な一手ばかりを避けられて、いい加減、この焦ったさにもはや泣きたい。
円を描くようにシコリの周辺を指がなぞっては、暇な彼の親指が睾丸の敏感な隙間をコスコス擦って、イきそうになる…。
けれど、イけない。詰まった精子を思いっきり、びゅーっ!♡っと吐き出しながら全身にぶっかけたいのに、許されない。
「まだダメですよ?私のがこの中に入るんですから…♡ 」
ぬぽっ♡、と。ヒクつく穴から指が抜かれる。
やっとの休息だと息を整えるその前に、彼の拳が、俺の腹にスッと近づいた。優しい動きで、2回のノック。『ふっ、ふっ、』と、吐息が漏れるのは。鈍く、苦しい、甘く、蕩ける振動が、肚に響いて、疼かせるから。
「knock knock. Can I cum in? lol」
「だ、…だめ……! 」
「I’m in 〜♡」
「__はッ、ぁ、ア゛……っ!♡」
縁のヒラヒラと緩くなった箇所から、ふっとい棒の先端を擦り付けられ、硬くなった血管の筋が幾度と引っ掛けられる。くち、ぬち…♡たっぷりのローションが、彼の陰茎に纏わり付くと。淫らな音を響かせながら、ハジメテ喰わされる大きな異物を、無理やり捩じ込まれ始めた。
男らしい人の中でも、細身な方である彼からは想像もできない逸物。その質量は凄まじく、まだ先端を呑まされただけで、肚の圧迫感が苦しい。それでも、その巨悪は解された媚肉管を押し広げ、待ちに待っていた、あの、堪らなくきもち良くなれるシコリを。ぐりぃ〜っ♡と引き伸ばすように押し潰した。
「お゛、ぉ”っ、お” …っ゛、ー つ゛!♡ 」
ねちっこい腰つきが、潰れたシコリを塗り広げるように。静に近い動きが、卑猥な音だけを奏でながら、自身の下半身で行われる。
既に真っ赤になってしまった結合部で、何度も、繰り返し…ずっと。
「ふッ、ぐ… オ゛っ!ふぅッ、ほ゛ぉ”っ〜 …ォ゛♡」
腰が引かれ、彼の陰茎が戻ってゆく。
もう、終わりなのだろうか。意識してか、どうなのか、一層、膣の締め付けが強くなる。
「まだ、抜くわけないでしょう…っ?♡ 」
その言葉通り、少し戻った所で、……
ゴチュンッッ!!♡♡今度は敏感なシコリ。引き潰すような、苛烈な勢いで肚の最奥までをぶち抜かれた。
「お゛ほ゛ォ゛ぉ”ッ ッ゛__っ゛!!♡♡♡」
全身が麻痺するような強い刺激に、耐えられず悦峰を果たしてしまう。しかし、塞がれた鈴口からは何も出てこない。しかし、しかし!
きもちぃが全身の毛を逆立てさせるのだ。星が視界の端で幾つも瞬く。嗚呼、きもちぃ。
真っ白く染まった脳みその中で、とろとろ蕩けるピンクの思想が、快楽を絡め取ってよりピンクを濃くするように。担がれた脚を暴れさせながら。後ろ手で顔周りのシーツを、ぐしゃぐしゃになるまで握り込んだ。
それでも、彼の抽挿は弱まるどころか速度を増していく。
もう、頭がバカんなって仕方がない。怖い。全部が書き換えられる快楽が堪らなく怖い。
溢れる涙を拭えない程に余裕がないまま、無意味とわかっていながら、ベッドの外へ逃れようとする。
「此方へ来なさい。そんなに逃げたら、ベッドから落ちてしまいます」
頬を柔く摩られる。腰をガシッと掴まれ、促すようにベッドの奥に引き摺り込まれ、…。
また、優しくも乱暴に。巨悪で内臓まで響く程に突き上げられた。
何度も、何度も。中まで全部彼の形に成ってしまうまで。
___心も全部堕ちてしまうまで。
「はっ、あ゛ォ”…っ゛♡ ぁ”ー、っ …..いぎり____
___ッ゛く”ッ゛ッ“ ?!」
優しかった、柔らかだったあの手の先が。硬く、硬く、俺の気道を絞める。 初めてのキスと同じようで、違う苦しさ。死が明確に訪れようとしている、恐怖。
滲んだ視界の先に佇む、優男の顔は般若のようで。真っ黒い影を落とした、恐ろしいもの。何が逆鱗に触れたか分からずに、ただ、彼を裏切ってしまった事実に涙が溢れる。
溜まる二酸化炭素に快感を覚えて、彼のモノを締め付け、絡め取ろうとする正直な身体に抗えぬまま。掠れた声で謝り続けるのだ。言葉になる前に、彼が潰してしまうのだが、な。
____嗚呼、そろそろ、本当に….
「し゛………..ぬ゛ぅ…. ♡ 」
世界の輪郭が溶け合い、真っ白に弾けた瞬間。喉を塞いでいたその手が、ようやく離された。
掠れた、言葉にもならない何かと一緒に酸素を全身へと巡らせる。脳みそが回り出すまでの、心臓が弱々しく萎む拍動と、ピンと伸ばされる足先。涎が唇を伝って肌を汚すことだって。
___すべてがきもちぃ。
今も生々しく残る締め付けの感覚に肩を跳ねさせながら、ゆっくり、呼吸を整え。再び手をかけられる不安から、そっと己の右で、自らの首を覆った。
……死んでは、もう、逢えないから。
「…な゛、…で”……? 」
「__ダメですよ。私なんかに堕ちる貴方なんて、貴方じゃない」
激しい運動で火照った身体から、一気に熱が消えてなくなる。
もう一度名を呼びたいと望んだ口は、音も立てぬうちにチャックをした。
「…くそやろう」
「ふふ、嗚呼……、愛してる、私のドイツ….♡」
沈黙の臓器も煮え立ち、揺れる。ウィスパーを耳から一献傾けさせられよう、ただ今。くらり、目眩が、世界の輪郭を揺らす。どこか甘口。他者には辛口。そっとグラスを倒す、貴方様。
くるり、回して。ゆらり、ゆすって。脳を犯す、フルーティなビアンコベルモット。
神に祝杯を。貴方様に乾杯を。醜い私には聖水を。
堪らない。そのお声。耐えられない。悦楽での拷問。
取り巻く、淫靡さの欠片も、己も無い啼き声。キツく、欲望を着飾られた、細い銀を管に通す陰茎。 掠れた喉から望む絶頂。
金木犀の甘いくどさが、鼻を掠めた。子への愛を囁く親の甘さか。恋人へのプロポーズの甘さか….。
とにかく最後の一突き、その時に。銀の栓は遂に抜かれた。
「ッあ゛….っ____ ♡♡ 」
________________________________
「はふっ、…は、はぁ…♡ くち、…さびしっ、い… 」
溜まりに溜まった快楽の解放。快楽にキマッたドイツの求める接吻に、イギリスは応えるように互いの唇を重ねた。
ちゅ、ちゅ、…っ。潤った紅を何度も触れさせる甘いバードキス。激しさの後には、ちょうど良い。
だが、しかし。刺激ばかりの彼らの関係なのだ。口付けはこればかりには収まらず、本能の赴くがままに互いは舌先を絡め合う。
身を寄せ合い、瞳を見つめ合い、ドイツは目を閉じ、離されるまでイギリスを受け入れた。
「ん…..んぅ、ふっ く、….ぁ、ふ…… 」
瞳が、再び光を見る。目前の紫を見る。
融けた視界の輪郭が、この空間を外界から隔て、分つ。
「・・ ・ー・・ ーーー ・・・ー ・ ー・ーー ーーー ・・ー ーー ー・ーー ーー・ ーーー ー・・ 」
「なん、….て……..」
零された最後の言葉を掬う前に、ドイツの意識はブツリと途切れた。
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わあぁあ!!早く見れた!嬉しい! まずはありがとう。愛してる💕!!イギドイ!普段あまり読まないかつイギ受け地雷的に避けてたけどこの作品で解消されたという事実。書き方がね、もうね、本当に上手すぎるのですよ。貴方の作品を読ませてもらうといつも圧巻されて語彙力が『凄い』か『最高』だけの低下状態に陥ります。素晴らしい作品をありがとう!!!
明太子に食われる鈴木