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#アニメ
すずめ
262
@ う み .
916
「安らかな顔してどーした?」
無機質で無愛想な声が上から降ってきた。
真澄と海は声の主を見る。
「あの世で隠居するには早すぎるだろう」
「無人兄さん…!」
海はポロポロと涙を流しながら兄の名前を呼ぶ。
そこにあったのは「待たせたな」と言いながら血液で作り出した傘によって真澄と海を守っている無陀野の姿だった。
真澄は「登場の仕方がムカつくんだよ」と八つ当たりしている。
無陀野は八つ当たりをスルーし、神門に言った。
「ところで、お前の『ソレ』はいつ撃つんだ?」
「急に現れて偉そうですね…。準備完了です」
神門の横にはとてつもなく大きな銃がある。いや、これは大砲と言った方が正しいのか。
四季を止めるために生成され、装填された銃は照準を四季に会わせる。
海は真澄と一緒に飛び退き、行く末を見守る。
神門は涙を流しながら、叫ぶように四季に言った。
四季も、泣いていた。
「頼む…!死なないでくれ…っ!」
それは、この場の全員が四季に対して思っていること。
銃口から放たれた攻撃は、真っ直ぐに四季に向かっていく。
微かに、四季の口が「ありがとう」と動いたように見えた。
海は泣きながら、放心したように名前を呼んだ。
「し、き」
煙の中から出てきたのは丸焦げになった四季。意識はなく、聞こえるのは微かな呼吸だけ。間違いなく危ない。
神門は気力を使い果たしたのか、瓦礫の中に倒れ込んでいた。
今にも消えてしまいそうな四季の命に、海は再び両親の死を思い出した。
(絶対、助ける)
どうにかして、少しでも延命して助けるための時間を稼がねば。
(どうすればいい…?)
目覚めた鬼神の力を、どうにかして応用できないか。
考えていると、はたと気付いた。
(水は、どんな形にでもなれる。…命を育む場所にも)
それを延命に応用して使う事が出来れば、四季を助けられる。
鬼は自己治癒力が高い。それは間違いなく、鬼としての血液からもたらされるものだ。
では、血液ごと自己治癒力を増幅させて、四季に渡すことができれば。
生成した水の中で増幅させ、四季に渡せばいい。
今四季は意識がない。ならば。
「勝手にすまない。…後で殴ってくれ」
普通に飲み込むことが難しいなら、飲み込ませてしまえばいい。
舌を少し噛み、生み出した水と共に少し待つ。
そして、黒こげになってしまった四季に口付ける。
少し口の端から溢れたものの、何とか飲み込んでくれた。
海はよろけながら四季を担ぎ、支えるように歩き始める。
真澄と無陀野は神門に話があるようで、残った。
少し歩くと鉢合わせた馨が「海ちゃん…?」と驚きながら名前を呼んだ。
「馨さん、真澄兄さんが足を飛ばされた…。だから、早急に運んでやってくれ!私は一ノ瀬を運ぶから…!」
馨は頷くと「ありがとう」と駆けて言った。
地下に潜ると海は医療部隊の待つ場所へ四季を連れていく。
もう酷使しすぎた体は限界だったが、息絶え絶えに訴えた。
「すみません…っ!死にそうなんです!助けてください!」
「あなたも傷が…! 」
「私はいいから、一ノ瀬を…助けてください…!」
慌てる隊員と、泣く海。
その部屋にはもうすでに腕を貫かれた矢颪と傷だらけの守がいた。
ベッドの一つに横たえられた四季を見て、促されるまま手当てを受け、部屋を出た。
部屋の外にはクラスメイト達と真澄、馨、そして無陀野がいた。
「みん、な」
部屋の中ではばたばたと命を救うための足音が聞こえる。
海はまたぽろぽろと涙を流し始めた。
「一ノ瀬が…、わた、し、何も…できなかった…」
その言葉に弾かれるように、屏風ヶ浦が海を抱きしめた。
「神示さんは何もできてなく無いです…!」
海は屏風ヶ浦の肩に顔を埋め、涙声で「あり、がと」と礼を述べる。
その光景からふい、と視線を動かして無陀野が言った。
「…そろそろか」
「なにが?」そう桃華が問うより前に答えが元気な声と共にやってきた。
ピアスと明るい色の整った髪、そして白衣。
聞き覚えのある声が聞こえた。
「きょうにい!」
「大事な妹に呼ばれてね、来ちゃった!」
花魁坂京夜、絶対的な治癒能力を持つ兄貴分が、練馬に来ていた。
「京夜兄さん、何で…」
「何でって、戦場が僕を呼んだだけだよ」
少し格好つけて言う兄貴分は部屋に入ると「もう大丈夫だよ」と隊員に声をかける。安心した声が部屋から聞こえた。
(よかった)
これで大丈夫だ、そう思った瞬間、海の意識は深く沈んだ。
こんばんは。作者です。もう少しだーーー!ここまで長すぎてごめんなさい。これからも亀更新でがんばりますので、生温い目で見守ってください。
いつもいいね、ブックマーク、そしてコメント、ありがとうございます。これからも読んでいただければ幸いです。
コメント
3件
まじで好きです!これからも応援します!
美月ゆめか🌸です〜!!読んだよ第37話…! えーんもう感情がぐっちゃぐちゃ…😭💦 四季さんの「ありがとう」って口元、神門さんの叫び、海ちゃんの必死の口づけ…全部がエモすぎて心臓もたんわ…。あと無人兄さんの登場ムカつくけどカッコよすぎでは!?血液の傘…イカす…! 京夜兄さん来たーー!!「戦場が僕を呼んだだけ」って台詞カッコよすぎて崩れ落ちた。これで助かる…よね??海ちゃんも限界まで頑張ったね、ほんと偉かった…。 亀更新でも全然待つよ!生温かい目で見守るどころか全力応援してます🔥 続きドキドキしながら待ってるからねっ🌟