“鳳家”先祖代々純血のαの血を持つ由緒正しい家柄。
そんな鳳家には2つの掟がある。
『αの男子が産まれた際は、18歳の誕生日に運命の番を“用意”しなければいけない』
『運命の番を18歳の誕生日までに会わせてはならない』
この世界には男・女とは違うもう1つの性がある。
天才肌と呼ばれるα[アルファ]
1番人口が多いβ[ベータ]
男女関係なく子供を作れるΩ[オメガ]
βは男女同士の恋愛が主流だが、αやΩはそうはいかない
αとΩは産まれた時から繋がっているのだ。
『誰にも見えない“赤い糸”』
それを運命の番と言う。
そんな世界に生きる鳳家の次期当主、鳳 剣悟[オオトリ ケンゴ]は18歳の誕生日を迎えた。
使用人達がお風呂の準備をしている間に、一流シェフ達が料理をせっせと作っている。
鳳家は大忙しである。
『剣悟、お前はこの部屋から一日出てはいけないよ』
父から聞かされたありえない言葉。
急に聞かされる鳳家の掟。
頭がついて行かず、全国模試1位の頭でもパンクしそうな程に混乱している
どうして平然と話せる…相手の気持ちを考えたことは…そんなことが頭の中でチラついて居るが自分の事で精一杯で考える暇がない。
『料理は食べられるから安心して』
料理の話されても…家族で食べるのだばかりと思っていた。
そんな会話しているうちに時間は過ぎ、部屋の扉がノックされた。
『剣悟様、お時間です』
なんだか懐かしいなと笑う父の横で俺は…恐怖に怯えていた
[はい…今行きます…]
バスローブに着替えさせられ、新品のスーツと寝巻きの着物、護身用の鉄扇を持って入ったことの無い部屋に入る…
その時俺は初めて運命の番と目が合った。
金髪で、くせっ毛で、ピアスが沢山空いていて…
そんな彼を見ても恐怖心は産まれなかった
ハっとなって慌てて荷物を部屋の隅に置き、広い天蓋ベッドの近くへと近づく…
その時に気付いた。
何故か口に布が巻かれてて、リボンで手が縛られていた裸の身体はもう蕩けきっていた。
その身体を見て
産まれて初めて俺は…欲情した。
【続く】
[第2話]—–
Ωは一体誰なのか…“用意”とは…明かされる真実