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「うそ……!なんで……?だって……!!」
美穂はアリスを睨んだ。
「もしかして、このトランプ、いかさまなの?!同じ数字のカードが4枚以上あるの!?」
「いいえ?」
アリスは口元に笑みを讃えた。
「スペード、クラブ、ダイヤ、ハートがそれぞれ13枚ずつですよ」
「だって!それなら!!」
美穂は裏返しのカードを全部ひっくり返した。
「さっき出したでしょ!④!あんた、出したじゃない!」
尚子を睨みながらカードを捲っていく。
⑦
⑥
⑤
…………………
「ジョーカー?」
ジョーカー?
だって、
ジョーカーは……。
「……あんたが持ってたんじゃないの?」
美穂は花崎を振り返った。
「え」
彼は顎を軽く突き出した。
「俺、持ってるなんて一言も……」
「だって聞いたじゃない。ジョーカーはどうなるんだって!?」
「ああ、それは……」
美穂が言うと、花崎は少し困ったように頬を人差し指で掻いた。
「みんな9枚ずつだから数が合わないなと思って。それならジョーカーの2枚も当然入ってるんだろうなと思っただけだよ」
「――――」
しくった。
完璧見誤った。
美穂は隣からこちらを睨み上げている尚子を見つめた。
―――こいつを、じゃない。
振り返って花崎を睨んだ。
―――こいつを、だ。
ダウトは誰かが大量にカードを持ってしまったら終わりだ。
1対1ならまだしもこんなに人数がると、どんなにダウトを叫んだところで、ラッキーな人からどんどん手札を減らしていく。
美穂は必死で自分が4枚持っている数字のダウトを叫び続けたが、いつの間にか手札を減らした花崎が――――。
「……ごめん。上がりだ」
最後のカードを、トランプの山に置いた。