テラーノベル
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人は、誰しも仮面を被って生きている
仕事や学校、友達、家族、SNS…
そのどれもが自分であるが、全て本心であるとは限らない
そんなことを、どこかで聞いたことがある
自分に見えているその人が、その人の全てだとは決めつけてはならない
それを知って、分かってはいても、人は、無意識に想像する 見えない部分を、自分好みに補完して、良いように捉えてしまおうと
第一印象が一番大事、というのは きっと、良く想ってもらおうという、ものの表れなのかもしれない
自分には善い人に見えていても、他人からは悪く見えているかもしれない
でも、その事を知ることは不可能である
自分がいれば、必ず”自分に合った仮面”を被るから
…シュレディンガーの猫と言ったか
観測しない限り、同じ確率の2つの事象が、そこに存在するという
百聞は一見にしかず 目は、人間が一番信用のできる情報源だ しかし、同じものを見ているのに、それぞれ別の主張をすることもある
自分が間違っているのか、彼らが正しいのか
答えは、いくら考えたって浮かんではこない
己の目で 見て 見つけるしか 解はない
第1話
「無歓迎ワールド」
フィクションというものは面白い
嘘、絵空事、非現実的 だからこそ良い
現実にはありえないことに、人は憧れる
空を飛ぶ、不老不死になる、世界平和だとか
叶わないから燃えるのか
叶えたいから燃えるのか
未来に理想を抱き、過去を吐き捨てる
未来というのは、希望だ 夢だ フィクションだ
過去だけがリアルであり現実で、そこにあるものだけが本物だ
…なら、今目の前にある光景は… やはり現実なのか…?
格子模様の地面、甘ったるいジャムの香りがする空、寝ぼけながら左手で書いたような植物
そして… 頭に猫の耳を生やした”彼”
「やぁやぁ。随分派手に落ちてきたねぇ。頭は無事かい?」
苦労して現実逃避を続けていたけれど、目の前で模様と原色だらけの体を揺らされているのも、そろそろ限界だな…
「ぶつけてないかっていう意味だと、ちょっと痛いけど、変じゃないかって意味なら、自分では人並みだと思うよ。」
「へぇ、それはびっくり。とどのつまり、君は突然空から現れて、ここに落ちてきたってわけなんだけど。それについては覚えてるかい?」
「そうなんだ…残念ながら、覚えがないけど…。もしかして…君が受け止めてくれたから、僕はぺしゃんこにならずにすんだ…のかな。」
「いや?さながら特別な石を持った王女サマみたく、それはそれは退屈に落ちてってたよ。順当に行けば、優雅にふんわりと絹のような心地であっただろうね。」
「?じゃあ、この背中の痛みはいったい…。」
「そりゃあ、オレがカッコよ〜く受け止めようとしたのさ。でも、キミって見かけよりよっぽど軽いんだね。普通重いよね〜。40秒で支度出来る彼も苦戦するんだもん。知ってた?重いよって思ってモノを持とうとすると、拍子抜けしちゃって〜手がぶち上がっちゃうの。オレもさっき初めて知ったよ。」
「…つまり君のせいってことだね…。」
「そういう捉え方もあるね〜。」
「まぁ多少の罪悪感も無いわけじゃない。だから、お手をドーゾ。アリス(仮)。」
手を取って立ち上がりながら、彼の言葉に問いかける
「カッコかり?」
「そ、(仮)。何故か気になるって?」
「まだ言ってないけど…。」
「手間が省けていいでしょ。それでもって、百聞は一見にしかずって事で。見た方が早いし説明もメンドイから着いてきてよ。」
絶対後者が理由なんだろうな…と考えつつ、空を蹴って先を歩いていく彼の足跡を踏み習って着いていく
ある程度歩いたところで、突然、視界が回るような感覚が襲ってきた
「…っ?! うっ…」
思わずしゃがみ込んでしまった 少し先を行っていた彼が、何かを思い出したかのようにして戻ってくる
「せっかく立ち上がったのにもったいない。そっか、キミはこれに慣れていないんだね。」
「うぅ…。これって…?」
「さっき身をもって知ったろう。ここじゃ、ある程度歩くとワープするんだよ。時間短縮、便利でしょ。」
「なんたってまたそんなこと…」
「さぁ。オレも、ここのこと全部わかってる訳じゃないからね〜。あんま、オレばっか頼るってことをしないことだね。たまに嘘も混じってるかも。」
「えぇ…。じゃあ、さっきのワープっていうのも嘘…」
「いや、それはホント。オレ的に分かりやすく言えば、場面転換のためだろ〜ね。」
「ここ、妙に作りモノっぽいでしょ。地面に空気に草木花。オマケにこ〜んなオプション付き。」
彼は、己の頭についた耳を指でつまみながら続ける
「オレが思うに、ここは舞台みたいなモンなんだと思うよ。現に、キミやオレ。あとに控えたヤツらだって、妙なカッコと設定があるらしいし。」
「自己紹介すると、オレはここじゃあ”チェシャ猫”ってコトになってる。そんで、面倒なコトに、どうやら案内役みたいでさ〜。ここのコトも、他より多少ちょ〜っぴり詳しいんだよね。ま、詳しくはコチラの」
そう言い終わるなり、彼 もといチェシャ猫は、目線が合うように僕の前にしゃがみ込み、目の前で長い袖の奥から手のひらを見せてくる
困惑している僕を尻目にして、
「いーちに、さーーーん!」
と告げ、色とりどりの紙ふぶきと煙を共にして現れたのは、1枚のパンフレット
「す、すごい!君…チェシャ猫って、マジックが出来るんだ?!」
「ここに来る前は出来なかったんだけどね〜。仕様か設定か〜知らないけど。」
「それに、手品に関心するよか、もっと注目すべきもんがあるでしょ?」
「あ、そっかパンフレット。」
「忘れんなよ〜。」
チェシャ猫から全体的にピンクと紫色をしたパンフレットを受け取る
たたまれたパンフレットの、おそらく表側を見れば、”WonderLand”と書かれている
「ワンダーランド…不思議の国?」
不思議の国らしく不思議に思いながら、パンフレットを開くと、 先程のマジックのように紙ふぶきが、今度はファンファーレのような音が、誕生日のカードのごとく鳴り響いた
中には、ここの案内図だと思われる地図と、文字
“繧医≧縺薙◎、ワンダーランドへ”
“ここは縺ゅ↑縺溘r豁楢ソ弱@縺セ縺?”
…らしきもの
「…な、なにこれ…。」
「わーぉなにそれ〜。」
「チ、チェシャ猫の時も…こう、なわけないよね…。その反応だし。」
「そのとーり…。普通に読めてたよ。
“ようこそ、ワンダーランドへ”
“ここはあなたを歓迎します” って。」
「なら…なんで僕だけ…?」
「さぁね。文字化けてんのは、”ようこそ”と”あなたを歓迎します”だろ? なら…」
「キミは…ここにお呼びじゃないのかもしれないね。」
「そ、そんな…。僕だって、望んできたわけじゃないのに…。」
「そうとは限らないんじゃない。」
「…それ、どういう意味?」
「そのままの意味。ここに来た経緯を、キミは覚えてるかい。」
チェシャ猫にそう言われ、思い返してみる 自分はなぜここにいる?どうやってここに?
…そもそも
「……僕って…誰?」
「…え。」
「え、って何さ…え、って…。覚えてるか聞いてきたのはそっちだろうに。」
「あ〜。いや、ね。そこまでとは思ってなくて。そうか〜、そうか…。全部覚えてないんだね〜キミってば。 」
「…どういう…。」
「オレや他のやつらは、キミみたく全部が分からないって訳じゃないのさ。気がついたらここにいた、それくらい。過去のことは覚えてるつもりだし…。まぁ、それもある程度だけどね。自分の名前が思い出せないから、この役名を名乗ってる訳なんだけど。」
「…なら。僕だけ…違うんだ。書かれてるものも、…記憶も。」
「ま〜ま〜ま〜。そう気を落とすなよ。ほら、パンフだって。全部が全部化けてる訳じゃない。まぁ嫌だってんならオレのをやるよ。」
「…いいの?」
「いいよ。オレ、別に役用のヤツがもう1個あるから、そっちでこと足りるし。」
「…ありがとう。こんな、誰かも分かんないヤツなのに…。」
「いいって言ってんだろ〜。記憶がないくらいでヘコミすぎだよ。多少違うだけで、オレらも同じ状況なんだから。気楽にやろ、ね。」
「うん…。そうだよね、へこたれてても何もならないよね。うん、よし!」
そう言って、勢いよく立ち上がった
「僕、やるよ!!記憶がなくったって…どうにかやってやる!」
「お〜。そりゃ殊勝な心がけだけどさ〜。やるったって何やんの。オソウジ?」
「あ、 …う〜ん…。 …ひ、人の役に立つ…とか、かな…。」
「ぼんやりだね〜。ま、元気そうならよかったよ。」
「うん。ありがとう、チェシャ猫。ずっと優しくしてくれて。僕だけじゃ、きっと立ち直れなかったから。」
僕がそう言うと、チェシャ猫は耳をパタ、と動かして
「…オレが優しい〜?そっか〜そう見える?あは、キミって変なやつだね。」
「そ、そうかなぁ…。」
チェシャ猫は、まるで振り子時計みたいにしっぽを揺らしながら、頬を両手で覆っていた
「よっしゃ〜決めた。オレ、キミに優しくするよ。」
「え、さっきまでのは…?」
「結構からかいもあったり。」
「マジですか…。」
「マジマジ。失望した?」
「そんなことで、失望なんてしないよ。…びっくりはしたけど。」
そうやって話しているうちに、チェシャ猫は突然 僕の体を抱き抱えてきて
「わっ!な、何?!」
「後をついていくよか、こっちのがいいでしょ?さっきよりよっぽど早いから、酔って吐いたりしないでね。」
「うぅ…善処します。」
「舌噛まないよーに、お口チャックでよろしくね。」
チェシャ猫が、足をひとたび前へやったかと思えば、辺りはコーヒーカップに乗ったように周り、地に足をつければ、長く短く感じた時間がやっと終わったことに気づいただろう
「ご到着だよ〜。」
「…ぁ、ありがと…。」
僕は先程の宣言通り、込み上げてくるえも言えない何かを手で塞いで耐えながら、まだ歪む視界を合わせていく
そこは、森の中だった
正確には、森の中の家の前
藁で作られたであろう屋根に、煙がもくもくと立ち上げる煙突 傍には畑らしきものも見える
「…それで。ここ…はどこかな。」
「見ての通り家だよ。」
「家っつったって誰の、とか聞かれるだろうから答えると、”時計ウサギ”の家。」
「そんで”時計ウサギ”っていうのは、オレみたく役の名前で本名じゃない。マトモくんで退屈な奴さ。会えばきっと気にいるよ。」
「へぇ…。それで、その時計ウサギって人には、どうやったら会えるの?ノックとかしてみる?」
「いや、アイツは家には帰んないからいないよ。」
「じゃあ、どうやって…。」
僕が疑問に思っていると、チェシャ猫はまた手のひらを広げて、今度は指を鳴らした
「取り出したるは1本のマッチ。これを靴底で擦って火を付け、お家の屋根に置いてきます。すると。」
「すると…?」
僕がチェシャ猫の手際の良さに見とれていると、煙突ではない場所から黒煙が上がっていくのが見えただろう
それは段々と勢いを増し、遂に赤い炎も現れた
「ちょ、も、燃えてるよ!大丈夫なのこれ?!」
「だ〜いじょうぶだけどちょっと下がってようね。」
チェシャ猫に体を抱えられて、家から離れた木のそばへ置かれる
「…なんだか、悪いことした後みたい。」
「まぁ実際そんなところさ。」
「でも、あれも全部演出だよね?あの煙の中から時計ウサギって人が出てきて、家が燃えたのも全部無かったことにっていう…」
「煙の中から時計ウサギは出てこないし、家は燃えて炭屑になるよ。」
「じゃあなんで燃しちゃったの?!」
「煙で呼ぶため。」
「なら煙突のでよかったじゃん!!」
「アイツそんなんじゃ来ないよ。効率厨だから。」
「それ関係あるかな?!」
などと掛け合いをしていると、ごうごうと燃え盛る家だったものから上がる煙を見てか、それへ駆け寄っていく人影が見えた
「…。」
その人物は長いウサギの耳を生やし、息を切らしながら、燃え朽ちていく家を呆然と眺めていた
「はぁ、はぁっ。 …ふーっ。」
息を整え、一呼吸置いた後
こちらの方へ迷わずズカズカと歩み寄って、 そして、チェシャ猫の胸ぐらを掴んで
「なんたってまたそう何度も家を燃やすんです?いい加減怒るのにも疲れましたよ。私を呼んでいるのなら呼べばいい!貴方の顔に開いているその口は、ただの穴ぐらなんですか?!それと!この方は一体どこのどなたなんです!?」
「そう早口の大声でまくし立てたって疲れるだけだよ。体力の無駄になっちゃうからやめた方がいいよ、時計ウサギ。」
「誰のせいでこうなってると…っ。」
「そんなに燃やして燃やされてるんだ…。」
「いくら用意されたものとはいえ、ものはもの!大事にしないと、いつかバチが当たりますよ!」
「オレ無神論者だから〜。」
「そういうことを言ってるんじゃないんですがね…。はぁ、もういいです。いくら言ったところで、燃えていくのを止める手立てを、私は持ち合わせていませんからね。」
「最初っからそうすればいいのに…。」
「なんですか」
「キミには言ってないよ〜。」
「…それで、自己紹介が遅れましたね。初めまして、私は”時計ウサギ”。といっても、本名ではありません。分からないと思うので説明すると…」
「あ、えっと…ここに来た経緯と名前が分からないから、とりあえず自分に当てられた役の名前を名乗ってる…んだったっけ。」
「よく覚えてるねアリス〜。オレが目をつけたことはあるね。」
「…知っているのならいいです。それより、貴方”アリス”なんですか?」
「あ、いや…格好とか、チェシャ猫がそういうからそうなのかな…ってなってるだけで…。(仮)らしいし。」
「…役が重複するなんてことあるんですね。」
「何か言った?」
「あぁはい。トランプ兵じゃあるまいし、役が重複するなんてこと、有り得るのだなぁと。そう思っただけです。」
「役が重複…。僕が(仮)なのは、もしかして
“もう1人の”アリス”“がいるってこと…?」
「貴方、説明してなかったんですか。」
「見た方が早いかなと思って。あとメンドイし」
「それ絶対後者が理由ですよね…。はぁ、つくづく私と貴方は、考えが合いませんね。」
「完璧合う人とか怖くないか〜い。」
「そうですか?私は、人類全員がそうなれば平和になると思いますよ。」
「なら、永遠にそれは叶わないね〜。」
「いちいち反論しないと気が済まないんですか貴方…。」
「それはキミの方だと思うけどね〜。ね〜アリス。」
「僕に振ってこないで…。」
「あぁそうでした。アリスに会わせるんでしたね。全く、貴方のせいで無駄な時間を過ごしてしまいました。」
「それは」
「もういいです!貴方は黙るということを覚えてください!」
「(パクパク…)」
「はぁ…。すみませんね、こんな調子で。いきなりこんなところへ来られて、不安もあるでしょうに。」
「うーん…。でも、気が紛れるし、楽しいから大丈夫!」
「そうですか。平気であるなら結構。それより、早く向かいましょう。」
「あ、うん。」
時計ウサギが歩を進め、チェシャ猫が僕を抱き上げる またあの感覚が来る…っそう思って身構えていたが、一向にやってこない 不思議に思って目を開けてみると、ちゃんと場所は移動している
「あれ?!気持ち悪くない…。」
「あぁ、貴方は知りませんでしたよね。私は時計を持っているので、貴方の針の進み方と、舞台の進み方の相違を正すことが出来るんです。平たく言うと、私といれば、時間の進み方のズレによって、酔うことはありません。」
「よ、よかった…。」
「…それよりチェシャ猫。貴方わざとやっていましたよね。」
「え、どういう…。」
「わざと酔うような移動をして、介抱するのを楽しんでいたでしょう。本当に趣味の悪い…。貴方なら、そんなことにならずに移動出来るだろうに。」
「いや、それが難しいんだよ〜?自分と他人じゃその具合がまた違ってだね。」
「言い訳は結構。これからは差異のないようにしてやってくださいね。」
「ちぇっ はいはい。」
「今私に舌打ちしましたか。」
「違〜うよ。オレってチェシャ猫だから、ついチェって言っちゃうの。チェッチェッ」
「貴方そんなことないでしょう!!」
「まぁまぁ… ほ、ほら…着いたのかな?ここがアリスのいる場所?」
これ以上また話がそれて時計ウサギがヒートアップしないように、話を元に戻すと
「あぁ、そうでした。すみませんこう何度も。私のせいではありませんがね…。」
チェシャ猫がまたからかおうとするのを抑えながら、それを見る
そこには…鏡があった
僕の体、ちょうど全部入るくらいの、普通より、少し小さな縦鏡
時計ウサギが、鏡に向かってノックする
「なんで、鏡にノックしてるの?」
「言ったろ、もう1人のアリスに会わせるって。彼女は普段からこっちにいる訳じゃないからね。」
すると、時計ウサギは咳払いをして、唱え始める
「”ミリィ、ミリィ。その姿を表し、あわよくばこちらへ、その勇敢な足を踏み入れて”」
時計ウサギがそう唱え、終わると同時に 鏡は淡く光始める
「さ〜ぁ、お転婆少女のお出ましだ。」
チェシャ猫がそういうと、鏡の中から足が、手が、そして体全てが現れた
「あれ、見ない顔の子がいるね!それに、なんだか私に似てる!」
少女は、僕より明るく長い金髪を、青いリボンを2つ携えたカチューシャで彩った、セーラー服にエプロンをつけた格好をしていて、僕の手を小さな手で握ってそう言った
「初めましてならご挨拶しないとね!私はミリィ!役の名前は多分”アリス”!よろしくね、そっくりさん!」
「よ、よろしく…。それで…あの、多分…って?」
「彼女は、私たちとはここへ来た経緯が異なっていて、記憶の程も違うんです。」
「だから、役とかそういうの、よく分かんないんだよね!でも、多分アリスだよ!みんなから1番最後にここに来たし、鏡から来るし!」
「ねぇそれよりも、なんで貴方は私と似てるの?他のみんなは、個性的で、どれも違ってるのに!」
「そ、それが分からなくて…。」
「そうなんだ!じゃあ役は?」
「それも…分かんなくて…。」
「記憶がないんだよね〜。それも全部。」
「はぁ?!全部!!!?聞いていませんよ?!」
「話してないからね。」
「なぜそんな大事なことを話さないんですか?!」
「聞かれなかったもんで。」
「情報共有!!!!!!💢💢」
「まぁ話さなかった僕も悪いし…。」
「ねぇなんで記憶がないの〜!」
「それが分からないから困られているんでしょうに…。」
「へぇ〜そうなんだ!ねぇ、じゃあ私の役名使いなよ!」
「え、でも君の役じゃあ…」
「私は自分で名前をつけたからいいの!それに、名前がないと、お茶会に招待する時困るでしょ?」
「そう…?なら、これからは、そう…名乗ろうかな。」
「うんうん!その方がいいよ!改めて、よろしくね、”アリス”! 」
僕はミリィにお礼をした みんな、凄くいい人だな… 名前も、行き方も、役割も教えてくれた こんな人たちの役に立てるなら、僕は同じくらい、いい人になれるのかな…
第1話
「無歓迎ワールド」
終
コメント
6件
途中の絵可愛いしこれ何文字でできてるんだ、相変わらず話の内容が好きだし、アリスちゃんの会話のトーンも好きです!
第1話、読み終えました! タイトルの「無歓迎ワールド」、パンフレットの文字だけが主人公に読めないという導入がすごく効いてますね。歓迎されていないのに来てしまった異邦人——その孤独感と、それでもチェシャ猫や時計ウサギ、ミリィたちに優しく迎えられるギャップが心に残りました。チェシャ猫の「キミはここにお呼びじゃないのかもしれないね」→「そうとは限らないんじゃない」の流れ、伏線として気になります。 特に良かったのは、チェシャ猫の軽妙な口調と時計ウサギの真面目さの対比。そしてミリィが自分の役名を譲るシーンでほっこりしました。記憶喪失の主人公が「誰かの役に立ちたい」と言う純粋さも好印象です。 世界観の構築がしっかりしていて、続きが気になります!