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#初心者だからつまんないかも....
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虹執事
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「またお越しくださいませ」
店長の声を背に、俺たちは店を後にした。
店に入った時は青空が広がっていたはずなのに、長居しすぎたのか、外へ出る頃には空がすっかり赤く染まっている。
「ユリ、急いで帰ろう」
「にもちゅ、いっぱい。はちる、おしょい」
そう言って、ユリが手を差し出してくる。
「……?」
何気なく、その手を握り返した その瞬間
ぶわっ、と強い風が吹いた。
「うわっ……!」
反射的に目を閉じる。
そして、次に目を開けると
「……え?」
そこは、軍の自室の前だった。
「……今の、何?」
ユリは何事もなかったかのように、こちらを見ている。
「ちゅかえた」
「……もしかして、瞬間移動?」
どうやら、ユリの能力らしい。
詳しいことは分からない。
本人があまり能力を使いたがらないこともあって、俺もその力について詳しく知らない。
ただ、今はありがたく使わせてもらうことにしよう。
「ありがとう、ユリ。はい、これ」
自室へ戻ろうとするユリを呼び止め、紙袋の中から小さなガラス瓶を取り出す。
それを手渡すと。
ユリの長く尖った耳が、ふにゃりと下がった。
(……あ)
喜んでる。
思わず吹き出しそうになるのを、なんとか堪える。
「じゃあ、また明日な」
「……ん」
小さく返事をすると、ユリはガラス瓶を大事そうに抱えて自室へ戻っていった。
その背を見送り、俺も自分の部屋へ戻る。
見た目だけなら普通に成長した悪魔に見える。
けれど、ユリはまだ生まれて一年と少し。
まだまだ幼い。
ユリが甘い物を好きだと気づいたのは、偶然だった。
以前、食事に芋の甘露煮が出たことがある。
ユリはいつも通り、ほとんど表情を変えずにそれを食べていた。
ただ。
長く尖った耳だけが、ふにゃりと嬉しそうに動いていた。
(あの時も、無表情だったな〜w)
思い出して、思わず小さく笑う。
さて。
明日から忙しくなる。
今日はもう、早めに寝るとしよう。
コメント
1件
第6話、拝読しました。 今回は日常回で、ユリとの距離感がじんわり伝わってくるいい回でしたね。 「耳がふにゃりと下がる」仕草、可愛いすぎます。無表情なのに耳で感情が漏れてしまうギャップ、すごく好きです。 しかも前の甘露煮のときも同じ反応だったって振り返りがまた…「思わず吹き出しそうになるのを堪える」気持ち、めっちゃ分かりますw 短いエピソードだけど、日々の積み重ねで築かれた信頼が感じられて、ほっこりしました。