テラーノベル
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最近元貴と若井が冷たい
話しかけても何も返事してくれないし
目線が合うこともない
2人の目の前に立っても
肩を叩きながら話をしても
2人は僕にかまってくれない
それに
元貴と若井が 毎日泣いてる
なんでだろう?
2人とも廃人みたいな生活をしてる
家も荒れている
几帳面な2人な部屋を散らかすことなんてなかったのに
どうしたんだろう?
o「涼ちゃん…」
「なんで…」
元貴が僕にくれたネックレスを握りしめて言う
ねぇ僕はここにいるよ?
なんで僕のこと見てくれないの?
w「仕方のないことなんだ」
「誰のせいでもない」
続けて若井が僕にくれた指輪を握って言う
どう言うこと?
元貴と若井がよくわからない会話をしている
よく聞き取れない
r「ねぇ」
「元貴?」
「若井?」
返事してよ
いつもみたいに
お願いだから
r「うっ…」
頭が痛い
意識が…
あれ?
ここはどこ?
あっ!
僕がいる
なんで?
ここはバスか
視点が…
空から見てるみたいな
キイィィィ ドンッ
f「えっ?」
「なになに?」
「うっ」
「あっつ」
「燃えてる?」
事故だ
バスとトラックがぶつかって
バスが炎上している
a「逃げろっ!」
「バスから出るんだ!」
f「僕も出なきゃ…」
b「グスッ ヒグッ」
f「!!」
b「おか〜さんヒグッどこいったの?」
僕がスマホの録音ボタンを押している
f「大丈夫だよ」
「安心して」
バリン
f「今割った窓ガラスから君を投げる」
「大丈夫だよ」
「すぐに助けが来てくれるから」
「・・・元貴、若井、僕は今ここで死ぬ」
「煙吸いすぎちゃった」
「もう息をするのも辛いんだ」
「自分を責めないでね」
「ずっとそばで見てるから」
「ミセス…続けてね」
僕が子供にスマホとネックレス、指輪を渡す
f「これを持ってて」
「大森元貴と若井滉斗に渡してくれない?」
b「うん…」
f「ばいばい、元貴、滉斗」
f「投げるよっ」
「せーのっ!」
ガタンッ
b「ありがとうっ!おにいちゃん」
f ニコッ
ドーンッ
バスが大爆発を起こした
そして
僕は死んだ
全て思い出した
僕はあの子を助けて死んだんだ
r「っ…」
また頭痛がする
気がつくと僕は警察署にいた
元貴と若井が誰かと話している
あの子だった
b「俺、藤澤さんに助けてもらったんです」
「これっ!」
「藤澤さんが大森さんと若井さんに渡してって言ってて」
「渡しにきました」
o「これはっ」
「涼ちゃんのスマホ…」
w「それに、ネックレスと指輪も…」
「ありがとうね」
b「俺は礼を言われる立場じゃないんです」
「俺が死ねばいいんじゃなかったのかって」
「いつも思ってて…」
o「ううん」
「涼ちゃんはそんな人じゃない」
「なんてったって人柄キーボードだからね」
b「うっうぅ」
「ありがとう…ございます」
w ナデナデ
o「じゃあね」
w「バイバイ」
b「ありがとうございましたっ!」
元貴と若井が僕のスマホをいじり出した
o「っ…!」
「録音機能!」
w「事故のあった日のやつじゃん」
「聞いてみよっ」
f「・・・・ばいばいっ元貴、若井」
o「うっ…グスッ」
w「涼ちゃん…」
元貴と若井は何時間も大泣きしていた
r「ぅう」
また頭痛
家に戻ってきた
o「涼ちゃん…」
「会いたいよ…」
w「なぁ元貴…」
「一曲弾かない?」
「涼ちゃんもそばにいるって言ってたし」
「気分転換でさ」
若井がギターを持ってくる
o「そうだね」
「聞いててね、涼ちゃん」
w「何にする?」
o「BFFか…庶幾の唄か…アポロドロスか…」
「涼ちゃんが、映えるやつがいいかな」
w「無難にBFFだな」
o「決定っ!」
w「キーボードも持ってこようか」
o「そうだね」
「そっちのがいいな」
「キーボードはPCで鳴らそうか」
w「だな、そっちの方が…」
ポロン
僕はキーボードを鳴らした
o「涼ちゃんっ?」
「涼ちゃんなの?」
w「姿が見えたら…」
ow「!」
僕の姿がうっすらと浮かび上がる
o「涼ちゃん…」
f「早く弾かなきゃ」
「僕が消えちゃう」
o「やろうか」
「縁に帰る匂いがした…」
・・・
全員が泣いている
ボロ泣きだ
・・・
o「ありがとう今日もただ一緒に」
「忘れることはないただ永遠に」
「涼ちゃん…」
「消えちゃうの?」
f「うん…」
「死んじゃってるからね」
「大丈夫だよ」
「そばで見てるからね」
「ばいばいっ」ニコッ
ow「ばいばいっ」
僕の体は消えていった
ありがとう、元貴、滉斗
一緒にいてくれて
忘れることはない
永遠にね
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