2011 3.11
その時、私は宮城にいた
14時46分
ガタガタガタガタ
キュインキュイン
葵「地震!?」
とてつもなく大きな揺れだった
建物がどんどん崩壊していく
葵「とにかく頭守らんと…」
揺れてる時間がとても長く感じた
葵「(これ死ぬんちゃうか?)」
揺れが収まった後、周りから聞こえたのは
知らん人「津波が来る!!!!大津波が来る!!!高台に逃げろ!!!」
”津波”
葵「(逃げなきゃ!!)」
私は一目散に高台を目指し走った
周りは色んな建物が崩れている
高台に着いた時には
もうすぐそこに、津波が迫っていた
葵「ッッッ!!」
避難所には、泣いてる人や電話をしている人
葵「おにぃ!!」
家族に電話しないと
プルルル
葵「おにぃ!!」
しょう「葵!!大丈夫か!!!?」
葵「うん、大丈夫だよ、そっちは?」
しょう「揺れがそんなに大きくなかったから大丈夫やで、ほんま怪我しとらん?」
葵「うん、しとらんよ!すず達も大丈夫?」
しょう「すーさんは泣いてる、あんちゃんも皆葵の事心配しとるで」
葵「スピーカーに出来る?」
しょう「あぁ」
ピッ
葵「すずー?あんちゃん?聞こえる?」
すず「あーちゃんクズッ」
葵「すず大丈夫やで?今ちゃんと避難所に居るから」
こう「あーちゃん!!ほんま大丈夫なん??」
葵「うん、大丈夫。当分の間は高台に居ないといけないっぽいけどね」
こう「そっか、あーちゃんこっちは心配せんで大丈夫やからね、震度3だったらしいから」
葵「良かった…でも余震には気をつけてな?」
こう「それはあーちゃんの方やろ」
葵「笑そうやね」
こう「余震、来とるん?」
葵「うん、震度3位のが何回か来とる」
こう「そっか、当分帰って来れなさそう?」
葵「うん、まぁこの状態じゃ当分帰れへんなぁ」
サタン「葵、変わったで」
葵「お母さん」
サタン「食料とかあるん?お腹空いとらん?」
葵「さっき食料貰ったよ、パンと水」
サタン「行く前にあげた、お菓子とかもあるやろ?」
葵「あるよ」
サタン「なら良かった、葵」
葵「何?」
サタン「必ず、生きて帰ってきなさい」
葵「あぁ、勿論」
”生きて帰ってくるよ”
すず「お姉ちゃんグズッ」
葵「すず大丈夫?」
すず「怖かったぁ」
葵「そやね、怖かったね、」
すず「お姉ちゃん大丈夫…?」
葵「お姉ちゃんは大丈夫だよ笑帰ってきたら皆でたこ焼き食べようねニコッ」
すず「約束だよ?」
葵「うん、約束」
その後1時間ぐらい、みんなで話した
葵「帰りたいなぁポロポロ」
本当は、ものすごく帰りたい
皆に会いたい
数時間後
葵「宮城は、震度7か…」
葵「少し、寝ようかな」
ピーピー
葵「朝、電車復活してるかな」
葵「!!復活してる」
葵「これで、帰れる」
葵「…何これ」
津波のせいで流された、建物や
”死体”が転がっていた
葵「(お悔やみ申し上げます…)」
私は手を合わした
駅まで歩いてる途中、学校の避難所が見えた
彼処は、遺体安置所だ
少し寄ってみることにしよう
葵「……」
玄関には、「○○を探しています!」
「○○町で娘と離れました、見つけましたら080ー□□に電話をしてください」
と、行方不明者を探している人達の紙が貼ってあった
私は初めて、こんなにも酷い地震を体験した
何万人の人が亡くなった
”東日本大震災”
忘れてはいけない
私は死ぬまで忘れる事はないだろう
あの時、感じたとてつもなく大きな揺れ
あの時の悲しみ
死者の想い
そして、大きな津波
必ず、忘れはしない
いや、忘れられない
大阪到着
葵「着いた……」
しょう「葵!!!」
こう「あーちゃん!!」
すず「お姉ちゃん!!!」
サタン「あお!!!」
4人「おかえり!!!」
葵「ッッッ!!ただいま!!!」
ギュー
しょう「辛かったやろ…」
葵「うんポロポロ怖かったぁポロポロ」
こう「もう安心してや」
すず「みんないるで!!」
サタン「頑張ったなぁ」
葵「良かったポロポロ」
しょう「泣き止んだか?」
葵「うん、ありがとう」
こう「お疲れ様」
すず「皆一緒だね!」
葵「そうやね」
サタン「ほら!約束した通り、たこ焼き食べに行くで!!」
4人「うん!!」
家族は大切にしよう
寝室
葵「いてて、」
しょう「どうしたん?」
葵「ねぇ、可笑しいの」
”足がどんどん透明になってる”
しょう「え、?」
葵「あれ、なんでだろう笑」
しょう「葵?ダメだよ?」
葵「これ、消えるやつだわ笑」
しょう「は、?嘘だって言えよ…だってあの時電話したじゃん」
葵「私も分かんない…でもさ今分かるのはさ」
”私、死んでるんやわ”
しょう「なわけない!生きとる!」
葵「だって、もう下半身無いもん笑」
しょう「嘘、だろ」
葵「愛って、怖いね笑」
しょう「嫌や、お願いや逝かんといて」
葵「しょう、こっち向いて?」
しょう「なんや?」
チュッ
葵「一生愛してるニコッ」
サッ
しょう「嘘や、嘘やぁぁぁぁぁ」
あの時、私は高台へ逃げれず
津波に巻き込まれ
亡くなっていた
愛してる
コメント
1件
泣けてくる( ´•̥ω•̥`)