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蘇芳 ver.


彼女と別れてから、輝がなくなった。

ご飯も美味しくないし、何をやっても楽しくない。

もう1回、彼女の笑顔がみたい。


俺はただ、スマホの中に映る彼女の写真を眺めることしかできない。


「…結構キツイなぁ、」


こんな独り言を零して。






この風鈴高校はには、女子生徒はいない。

彼女とも、会えない。


<おい>


声がした方を振り返る。


「どうしたの?桜くん」


そこには、桜 遥 がたっている。


<お前、今日なんかおかしいぞ>


「そんな事ないよ。笑」


<彼女と別れたのかよ>


図星をつかれた。

だけど、俺は理由もなく隠したくなった


「いや?別れてないよ」


<ふーん、>

<ま、俺には関係ないけどな>


莉菜ちゃんに会いたい。

心の中でそう思っても実際には会えない。


家は近いし、5分もあれば着く。


「はぁ…会いたいなぁ、」


こんな独り言をこぼすだけだった。








俺は帰るとき、ふと…彼女の家の方に寄って行った。

ただ、顔が見れればそれでいい。

少しだけでもいいから彼女の顔が見たかったんだ


「…さすがに、いないか」


後ろを向いたとき



『…隼人、?』



「…莉菜…ちゃ、ん?」

もう一度、私の名前を呼んで

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