ほんのり薔薇、ちょい不穏
⚠胸糞、モブ、同意無しの性/行/為を匂わせる文章、自/サツを匂わすセリフ⚠
最近金ブロが増えてきている気がします
この間に奴の続きも書いているのでお待ち下さい
side kn
『〜〜〜w!』
『〜〜〜〜〜〜〜ww』
『〜〜〜〜〜』
『やーい平凡』
『普通の人ー』
『何が得意なの?』
『なにも特化してないくせに』
『全部できるらしいよ』
『せんせーに贔屓されてるんだって』
『将来は何がしたい?』
『ねぇ知ってる?隣のクラスの青木くん』
『知ってる知ってる、うちの学年の王子様!』
『青木くん!』
『青木〜、ノート見せてくんね?』
『青木、掃除当番かわって』
『あいつズルしてました!』
『先生はあなたに失望しました』
『高い学費を出してるんだぞ!』
『無理しなくていいのよ、少しずついけるようにしましょ?』
『ねぇ見て…2組の青木くん…』
『ほんとだ…もう来て大丈夫なのかな、…?』
『おい、見ろよwあいつ、2組の、青木w』
『知ってるぜw定期考査でカンニングしたって噂のやつだろw』
『それで去年1年学校来てなかったらしいぜw』
『うわだっせぇwよくもまぁ、そんな面上げて学校これたよなァw』
『先生ね、青木くんにこと信じてます。だって、あんなにボロボロになって、自分がなすりつけられた悪事を否定した人はみんないい人だったもの』
『せんせー!青木が生徒会長立候補するって!』
『どーせ一票も集まらねぇぜ?w元不登校にカンニング経歴ありじゃぁなw』
『行きたい大学はある?』
『卒業式くらい行きなさい!』
『いいのよ、お母さんはずっと時弥の味方だからね』
『こんな簡単なこともできないのか』
『あいつ見ろよ、上司のミスを押し付けられて、今から例の部屋だってよ』
『かわいそー…』
『あいつも辞めるんだろうな』
『さすがに例の部屋に入って戻ってきたやつは居ないからな』
『この親不孝者が!!』
『母さんが死んだのはお前のせいだ!』
『事故で』
『お前のせいだ!代わりにお前が死ねば良かった!』
『死んではならない、家族が悲しむ』
『俺はお前とお前の兄ちゃんと死んで母さんに会いに行くんだ!!』
『時弥、俺が支えるから、母さんが死んだのも父さんが無理心中しようとしたのも、全部お前のせいじゃないから』
『過労ですね』
『泣くな、お前のせいじゃない』
『残念ですが』
『なんで、なんでもできるお兄ちゃんじゃなくて全部平均値の弟が残ったのかしらねぇ』
『そもそも、あんなに優しい子が、こんな世界で生きていけるわけもないのにねぇ』
『本当かわいそうよねぇ…生まれてこなければどんなに幸せだったか』
『僕と恋愛してみない?』
「き……さ……!きん……とき……!」
「ッ…、は、ぅ……」
嫌な夢から覚める。
過去に言われて、自分の心をえぐって刺して、釘を打って縛り付け逃げられないようにした言葉たち。
「魘されてたよ……?また昔のこと夢に見た?」
優しい声は嘘つきだと、目の前の彼も嘘つきだと、脳の裏側で自分が信じてきた声が囁く。
「はー…はーっ……はーッ……」
いつものことだ、いつもの声が囁けば、それに比例して自分がパニックに陥っていく。
誰も信じられない、誰も信じるな、優しい声も頼りやすい声も頼ってくれる声も、全部嘘つきだ。口先だけで全部全部嘘つきだ。
「…っ!、きんさん…落ち着いて、大丈夫、深呼吸しよう」
そっと膝の上に抱え上げられて乗せられる。
ゆりかごのようにふわりふわりと体が揺らされて、背中をさする手が暖かい。
落ち着かない呼吸が、止まらない涙が、頭から離れない言葉と自己嫌悪が、死にたがりな自分が、人間不信な自分が、全部全部一気に認められるような気がした。
「ひゅ、…は、ふ…ぁ、ひゅ…」
「だいじょーぶ…だいじょーぶだよ〜…」
「……ひゅー、…ひゅーッ…、」
せっかく優しくしてもらえているのに呼吸はうまくできなくなっていくばかり。
頭がくらくらして、目の前の肩に頭を預けてそのまま体の力がすとんっと抜け落ちる。
だんだんフェードアウトしていく視界に抗えず、また眠りに引きずり込まれた。
――――――――――――☆彡
眠りに落ちてしまった彼女を起こさない程度に抱きしめて、軽くキスを落とす。
顔色が悪いがさっきよりは断然安らかな寝顔をしている。
「ん………ぶる………」
寝言で僕の名前を呼ぶ。
それには返事せず、布団に寝かせて毛布をかけて頭を撫でてあげる。
何か飲み物を取りに行こうと思ったら、左手が引っ張られる。
見ると、ぎゅっと指を絡め、握り込まれている。
かわいいな、と思いながらベッドに座り直す。
「………すき、……だぃすき………」
甘い声をこぼすその口に優しく口付けをして、横に寝転んでスマホを軽く見始めた。
しばらく待っていると、少しだけ嫌がるように身を捩った。
「ん、ゃ………ゃぇて………」
「……泣いてる……」
「さわ、なぃで……そこ、や”っッ…」
はらはらと零れていく涙を拭って上げて、毛布をかぶせ直すと、喉の底から絞り出すような喘ぎ声がこぼれる。
昔の夢に未だうなされているみたいだ。
きんときが昔いた会社で、大きなミスをすると、例の部屋と呼ばれる狭い倉庫のような場所に連れて行かれて、人に言えないような惨い、とてもとてもひどいことをされたそうだ。上司のミスを押し付けられて、例の部屋に連れて行かれたきんときは新卒で社会を知らなかった上に何より顔がかわいく、中性的だった。多くは語らない、何があったのかを話してしまえば、きっと彼は壊れてしまうから。
軽く体を揺すって起こすと、そのまま僕の腕の中に飛び込んで、の胸元にぐりぐりと頭を擦り付け、撫でてもらえるのを今か今かと待っている。
優しく撫でてあげると、にへ、とわらって、もっとくっついてくる。
「きんさん」
「ぁに、?」
「頑張ったね」
「?」
「今までさ、たくさんたっくさんがんばったね」
「……」
「すごいよ、僕のあの変な誘い文句で生きようとしてくれたことも、今ここにいてくれることも」
「君は僕の天使だ……でも、天使が生きるにはこの世界は汚すぎる。」
「だから僕が守るよ、任せて」
「……うん…」
「本当だよ、君より先には死なない、」
「……………しょ」
「?なぁに?」
「しぬとき、おれも、いっしょ」
「うん、もちろん。」
少し幼児退行したふわふわとした雰囲気のきんさんの頭を撫で回して、首に噛み跡を作って、そのまま軽くキスを落とした。
また僕の腕の中で寝落ちしてしまったきんさん。
今度は離さないように大事に抱え込んで一緒に二度寝をした。