チュンチュン、と雀が鳴き朝を伝える。カーテンの隙間から差し込む陽の光に目を擦りながら空は起きる。
「ん〜〜……よく寝た…」
大きく伸びをした後に立ち上がり、カーテンを開ける。先程眠っていた目には眩し過ぎた為、手で影を作り、太陽を見上げる。
(うん、いい朝だ)
「パイモン、朝だよ」
「…もうあさかなのかぁ……?」
「そうだよ。ほら、しゃきっとして」
「お前、朝強いよな…」
「昔は朝弱かったけど、習慣付ければ平気になるよ」
「そうなのか…でも、オイラは空が起こしてくれるから朝弱いままでいいぞ!」
「…そうだね、俺達は相棒だもんな」
「おう!あ、オイラ顔洗ってくる!」
「俺も行くよ」
モンドにある宿屋の個室には洗面所が着いていない。この時代はこれが普通で、個室には大丈夫ベッドやテーブル等の家具が置いてあるだけである。その為、共同洗面所がある所に行く為に部屋を出なければならない。顔を洗い終わったらすぐに部屋に戻る。急ぐ必要は無いが、共同の為あまりモタモタする訳には行かない。
「それにしても…やっぱりお前、器用だな」
「いつもやってる事だからな」
いつも三つ編みにして縛ってある髪は解かれ、綺麗な金髪が空の背中に広がっている。空は自分の髪を一纏めにして見える所まで持っていく。手馴れた様に髪を結っていく空の手元をジーっと見つめるパイモンがふと思った事を口にした。自分のが終わると、次はパイモンの髪を梳かす番だ。
「パイモン、おいで」
呼ばれたパイモンは待ってました!と言わんばかりに空の膝の上に座る。空が髪を梳かし始めると、パイモンは気持ち良さそうに表情を緩めた。ブラッシングで喜ぶペット…と心の中で思った空だが、それを口にすると絶対に怒るので心に秘めておく。
「これでよし。じゃあパイモン、外に出ようか」
「そうだな」
「今日は何の依頼があるかな?」
「オイラはモラがたーっくさん集められるのがいいぞ!」
「モラばかり見てると痛い目合うよ」
「ゔっ……確かに…」
「璃月にも行かないとな。魈達が拗ねる」
「ああ…あの万葉とか北斗とか……お前の気に入ってもんな」
(まぁあれは気に入ってるって言うより狙われてるって言った方が正しいんだけどな……)
「パイモン、どうしたの?」
「な、なんでもないぞ!早くクエスト見に行こうぜ!」
「?うん」
外へ出ると、何故か険悪なムードのガイアとディルックが居た。
「な、なんでお前達がここに居るだ!?」
「ガイアにディルック…こんな所でどうしたの?宿屋に何か用でもあるのか?」
「いや、宿屋に用は無いな。今日はお前に用があったんだ」
「俺も空に用がある」
「そうなの?俺になんの用?」
「今日一緒に出掛けないか?」
「ふざけるな。そもそもお前は騎士団の仕事はどうした。ジンを少しは見習ったらどうだ」
「お前には関係ないだろう?」
「おーい、そこでバチバチすんなよ…空は今から依頼を受けるんだからガイアとは出掛けないぞ!後ディルックの旦那ともだ!ついてくるのもダメだからな!」
「誘ってくれるのは嬉しいけど…ごめんね、また今度にしよう」
「「チッ」」
「仲がいいのか悪いのか……」
空は自分が恋愛的に好かれているとは微塵も考えていない為、あまり深く考えずにOKしてしまうが、それをパイモンは許さない。パイモンの釘さしのお陰か、それ以上2人はついて行こうとはしなかった。
「あ!そろそろ本の返却期限だ。返さないと……パイモン、依頼受ける前に図書館に行こう」
「リサを怒らせるとやばいからな……」
思い出すのは、返却期限が過ぎている本をまだ持っている人達に本を返すようにと伝えにるのを手伝った時の事だった。その中の一人が本を盗まれたんだといい、リサが本につけた特殊な元素を辿って盗んだ犯人の所へ乗り込み本を無事奪還できたのだが…その時のリサの容赦のない様を思い出すだけでカタカタと震える。因みにその日リサは可愛い子ちゃん(空)とデートが出来たのでるんるん気分だった。
「パイモン、図書館の中ではしぃーだよ」
「わかってるぞ!」
「それならいいけど…リサさん、本返しに来ました」
「あら、可愛い子ちゃんじゃない。ちゃんと期限守れて偉いわね」
「いえ…あ、その口紅?似合ってますね」
「気付いてくれたのね、嬉しいわ」
「口紅?……あ、ほんとだ!少しだけピンクっぽいぞ!良くこんなのに気付いたな」
「そうか?別に普通だと思うけど…」
「ふふ。案外そうでも無いのよ?気づかない人が殆どだもの。その点可愛い子ちゃんは気付いた上に褒めてくれるから嬉しいわ」
余裕ぶっているリサであったが、裏では嬉しさで胸がいっぱいで表情がゆるゆるになるのを抑えるのに必死である。よくよく見ると耳が少しだけ赤くなっているのが分かるが、これは指摘しない方がいいだろう。
「そういえば、この前ジンが人手が足りないとと言っていたわ。もし良かったら手伝ってあげて」
「そうなんですか?確かに忙しそうですもんね…分かりました、ジンさんに話しかけてみますね。」
「ええ、そうして頂戴。それと…」
「?まだ何かありましたか?」
リサは空の耳へ顔を近づけ、ボソッと呟く。
「今度、2人っきりでデートしましょうね♪」
「っ……はい、いいですよ」
「ふふ、それじゃあまたここに来てね」
「わ、わかりました」
至近距離で色っぽく誘われたら誰だってドキドキする。空は少し照れた様に了承し、図書館を離れた。因みに空の方が若干身長が低いので意図せず上目遣いになってしまい空の照れ顔+上目遣いをモロに食らったリサは心臓を射抜かれウッと声を出してその場にうずくまった。空が出ていくまで我慢したのは意地である。
力尽きた_( _´˙꒳˙)_ペショ
やべぇ口調マジで掴めてねぇ…っていうかガイアとディルック出番少なくてごめんね……次回続いたらジンだそうた思ってるけどジンの口調わっかんない……どんな感じだっけ??男よりの凛々しい感じだっけ???まだストーリー全然進めてねぇからわっかんねぇよ!!!!(叫び)冒険ランク上がんないから進められない……最近になってデイリーを全てクリアすると報酬貰えることに気付きました(遅い)
次いつになるかな…………
コメント
5件
稲妻編とかも見たい…🥺
原神のBL中々ないからうれしい🥺