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ゆゆ

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仁人side
仁人「・・・」
勇斗「でも、俺あの子のこと
馬鹿にされたの許せなくて」
「その同級生たちに殴りかかってさ笑」
「なんも知らない癖に!!って」
仁人「っ…」
勇斗「そしたら何分か経った後にその子が
教室に忘れ物取りに来たんだよ」
「めっちゃびっくりしてたな笑」
「まあ当たり前だけどさ」
「だって、同級生が殴り合いの喧嘩してたら
仁人だってびっくりするじゃん?」
仁人「まあね…」
俺はその時、喧嘩の内容までは
くわしく聞こえてなかった。
だから知らなかったんだ。
まさか勇斗くんが俺のために
怒ってくれてたなんて…
勇斗「俺、言っちゃったんだよ」
「男なんかじゃないよね!って」
「・・・それ、今でも後悔しててさ」
「その子、表情が曇った後に
当たり前だよって
すっげえ苦しそうに笑ったんだよ」
「その後すぐにごめんねって
言いながら出てってさ」
「その瞬間、あっ俺いけないこと
言っちゃったんだって
子供ながらに理解したんだ」
・・・多分勇斗くんは、俺を傷つけた事に
対して罪悪感を
抱いているんだろう。
でも俺は違う。
俺は、今まで嘘をついてたことに対して
謝りたいんだ。
勇斗「あっごめんな?
こんな意味わかんない話急に聞かせて」
仁人「・・・ううん」
「大丈夫だよ」
勇斗「出来るなら、もう1回会いたいんだ」
「本当は、ずっと」
「中学・高校も彼女は作らなかった」
「その子がまた、会いに来てくれる
かもしれないって思ってたから」
「でも、もう俺の前に
現れることは二度となかった」
「振られたんだよな多分笑」
仁人「・・・会って何したいの?」
勇斗「・・・うーん、謝りたい、かな」
「1番は」
「多分俺、傷つけちゃったから」
仁人「なら手紙とかは?」
「お母さん同士とかで
新しい住所聞いてたりさ」
何を、俺は必死になっているんだ?
勇斗「うん。知ってたよ」
「次の住所」
仁人「・・・え?」
「知ってたの?なら尚更なんで…」
勇斗「伝えたいこと、
それだけじゃないから」
仁人「?」
勇斗「俺やっぱり、あの子が忘れらんない」
「誰と付き合っても、誰に恋をしても」
「あの子が笑った顔が1番好きなんだ」
「だから、俺を、」
「忘れないで欲しいって」
仁人「あっ…」
ここに、俺は居るよ。
勇斗くん。
勇斗「でも、俺今彼女居るし」
「葵扇の事はもちろん好きだ」
「嫌われてんだから付き合うなんてことは
絶対無理だろうけど」
「でもそれでも、あの子が1番好きだ」
「この想いは消したくない」
「まだ、あの子を好きだった自分で居たい」
「わがままかな…?笑」
そういう自分を犠牲にして、
他人の幸せを願う所、昔から嫌いだったよ…
仁人「俺は…居る」
勇斗「・・・ん?」
「ごめん聞こえなかっ」
もう早く、俺の事を
見つけて。
仁人「俺はここに居るんだよ!!!!」
「なのになんで…!!」
言わなきゃいけない。
ここで。
彼にだけは。
勇斗「何怒ってんだよ…?」
「てかそれって、どういう…」
でも俺は、正体を明かして
一体何がしたいんだ?
勇斗くんを振り回して、傷つかせて、
自分だけ気づいて欲しいなんて。
俺は、ほんとにこのままでいいのか…?
勇斗くんに、記憶の中の好きだった
“しーちゃん”として会いたいのか?
勇斗「仁人…?」
・・・あっ、そうだ。きっとそうなんだ。
分かりたくもない真実が
頭の中に流れ込んでくる。
下手したらこのままが
1番良かったのかもしれない。
独りよがりな考えを押し付けるぐらいなら
最初から1人の方が良かった。
俺、今の俺を好きになって欲しいんだ。
勇斗「なぁ、どうしたんだよ本…」
仁人「っ…」
引き止められて顔を上げた俺は、
心底酷い顔をしていたと思う。
絶望と、嫉妬と、希望と、
それと変な”期待”
勇斗「俺、また…?」
あ、あはは…なんだよそれ。
なんなんだよほんと。
俺、身勝手、過ぎるだろ…
仁人「ごめん。帰る…」
俺は恥ずかしさでどうかなりそうだった。
合わせる顔も、度胸もない。
勇斗「え!?」
「ちょ、なんで」
パシッ
勇斗「待ってって!!」
「どうしたんだよ急に!!」
「ここまで来たんだから一緒に行」
仁人「・・・グスッ」
勇斗「え?」
仁人「もうやだよ…ごめん離して…」
《ごめんね勇斗くん。》
勇斗「・・・!」
「俺は、仁人の事、…が」
(好きなのか?)
???「何してるの?」
勇斗「えっ…」
???「あれ?勇斗くん、だよね?」
勇斗「・・・葵扇?」
葵扇「奇遇だね!」
「吉田さんと2人で買い物?」
「何買うのー?」
勇斗「えっとそれは」
仁人「っ…!」
バッ
勇斗「あっおい仁人!!!」
これ以上この場に居たくたい。
汚いところを見せて、
もっと嫌われるだけだから。
きっと、勇斗くんが感じてる気持ちは、
俺に対してじゃない。
過去の、俺じゃない俺に対しての憧れ。
仁人「もうこれ以上、
傷つきたくないなんて…駄目かなぁ…?」
午後1時。
寂しい秋の訪れを感じた。
𝐞𝐧𝐝☕︎︎𓂃 𓅇
ちょこっと解説
仁人は勇斗に対して少し恋心を
抱いています。
いつでも助けてくれたり、まぁもちろん
幼少期の記憶も持ってるわけなので
勇斗と同じく互いに忘れられない人です。
しかし、葵扇と付き合ってる現状や
今の自分ではなく過去しか見えていない
勇斗にやきもきしているのと同時に
そんな気持ちを抱いてしまっている
自分がどうしても許せないんです。
勇斗は、自分が好きだったはずの女の子に
よく似た男が出できたことで
かなり困惑しています。
初恋の人が好きなのか、
それともこの人が好きなのか、
混濁してよく分かっていないようです。
しかし徐々にしーちゃんとの関連が
見えてきた仁人を気にかけているのは
また避けられない事実であり、
2人がいっそう苦しむことになる原因でも
あるでしょう。
長文失礼いたしました。
引き続きお楽しみください。
コメント
7件
更新ありがとうございます! 読んでて苦しくなります、 2人とも色々な思いがあって、昔の記憶に縛られてたり、、 今後どうなっていくのか、気になります
ああもう、最後の仁人の「もうこれ以上傷つきたくない」ってとこ、めっちゃ刺さった…。勇斗くんはずっとしーちゃんを追いかけてるのに、目の前に居る仁人のこと見えてなくて、でもちょっとずつ気づきかけてるもどかしさ。2人とも過去に縛られてて切なすぎる。解説読んで余計に苦しくなったよ…「今の俺を好きになって欲しい」って台詞、心臓ぎゅってなる。完結お疲れ様でした、ゆ。さんの書く人間の脆さと優しさが好きです🥀