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しゅぴ
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もう終わりにしよう、凛____。
兄ちゃんの手には俺のスマホ。もうバレたんだな…。
『終わりにしよう…って、俺のこと怒んねえのかよ』
「あぁ」
静かに頷く兄ちゃん。そりゃそうだ。浮気していたやつとなんか誰が付き合いたい。
いつかこうなることはわかっていた。わかった上でしていたんだから文句は言えない。
覚悟を決めた俺は、じゃあ、と言葉を続ける
『俺、今週にはここ出ていくよ』
「…あぁ」
_______
俺のいた痕跡を徹底的に無くしていく。兄ちゃんと初デートで買った服、兄ちゃんが誕生日プレゼントで渡してくれた指輪、兄ちゃんとお揃いだったっけな。いつか結婚するときにつけてほしい、っていわれたんだっけ。もうそれは叶わなくなったわけだけど。
思い出に浸りながら準備していると、頬に涙が伝ってくる。でも、俺には泣く権利なんてない。
もう少し早くしないと間に合わない、そう思って急いで準備をした
_______
家を出ていくのはあれから1週間後となった。
「凛」
兄ちゃんは、怒鳴ることもせず、ただひどく悲しそうな、見たこともない瞳で俺を見つめる。
「……悪かったな、凛。寂しかったろ」
裏切られた側なのに俺を気遣う。
(違う、兄ちゃんは悪くない…)
悪いのは俺なはずなのに、
『兄ちゃん…』
「でもな凛、もうお前をどう愛せばいいか分かんねぇ」
「だから、お別れだ」
『っ…』
最後まで兄ちゃんは優しかった。その優しさが辛かった。思い切り怒鳴ってくれたら、こちらも少し気が楽になったのに。
『行ってきます、兄ちゃん』
「…あぁ」
きっともう、この言葉も兄ちゃんとは二度と口にすることはないだろう。
『ごめんね、兄ちゃん』
俺は、少し涙を流しながら、この家を去った。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。 「裏切った側なのに責めない」って、逆に痛いよね。兄ちゃんの「もうお前をどう愛せばいいか分かんねぇ」が切なすぎて、胸がぎゅってなった。優しさが一番の罰になること、あるんだなあ。凛の後悔も涙も、ちゃんと伝わってきたよ。最後の「行ってきます」が、もう戻れない別れの言葉に聞こえて、静かに泣きそうだった。