10月31日。
街には装飾が施されていたり、どこに行ってもハロウィン一色なこの頃。
この歳にもなると、今日がその日であることすら忘れてしまいそうになる。
現在の自分とはとにかく無縁なこの日。
今日も仕事です。当たり前に。
ソファで一息ついていると、若井に名前を呼ばれた。
「口、開けて」
「なんでよ」
「いいから、ほら」
急かされるままに口を開くと、小さな何かを押し込まれて。
なんか、甘い。
「……なに、飴?」
「うん、お疲れの元貴にご褒美。」
ついでにハロウィン、と笑う若井に思わず
キュンとしてしまう。
なんなの。かわいいんだけど。
同時に、悪戯心が芽吹く。
ハロウィンだからね、少しぐらい。
「ね、こっち見て?」
隣に腰を下ろした若井がこちらを向いた瞬間、頬に手を添えて唇を重ねた。
反射的に開いたその口に舌で飴を転がす。
「…はい、お返し」
悪戯っぽく笑うと、頬を赤くした若井に腕で小突かれる。
「…………もー、飲んじゃったじゃん…」
その表情を見たら、余計悪戯したくなって。
「飲んじゃったんだ?じゃあもう返せないね」
ソファの背に手をついて、身体を寄せる。
「もっとお菓子ちょーだい」
本当はお菓子なんていらないけどね、笑
だってもっと欲しいもの、あるし。
「Trick or Treat、だもんね?」
追い討ちをかけると、不満そうな声が返ってくる。
「……ずるくない?」
その表情、ほんっと可愛い。
そっちの方がズルいくらいじゃない?
「くれないなら悪戯しちゃおっかなぁ」
「絶対最初からそのつもりじゃん…」
「バレた?でもほら、ハロウィンだからさ」
「理由になってないけど」
10月ということでハロウィンネタです
早すぎだろとは自分でも思いますが、思いついてすぐ書かないと阿呆な私はすぐに忘れてしまうので(滝涙)
コメント
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どのようなイタズラなのかを1万字くらいで教えていただけると助かります。笑