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私はしがないサラリーマンでしてね。

いわゆるブラック企業にずっと務めていました。

残業代もろくに出ないような会社で、部下は次々辞めていきましたね。

いや、医療系の企業です。これが中々に厳しいものなんですよ。

とは言っても、私は誰かに従うことしかできなくて。

ええ、幼少期からです。進路はまだしも、付き合う友さえ選ばれたことには腹が立ちましたがね。

でも、今じゃもう三十八です。従うだけでここまで来れたなんて、なんとも皮肉な話ですよ。

はは、ロボットみたいなんて上手いこと言うじゃないですか。

そう言われてみれば、人格ももう消えてしまったかもしれません。

上司から色々言われたんですよ。君はこんな事もできないのか、低能だ何だってね。

いや、私もそんなに弱くは無いですし、何せ大の大人です。

でも、親友が死んだのは大分心に来ましたね。

こんな話するのは初めてですね。というより、人と仕事以外の話をのんびりすること自体久々かもしれません。

そうです、この夜汽車に乗ったという親友のことです。


病室に着きますと、久しぶりと声を掛けられました。

「体調は。もう喋って平気なのか。」

「大丈夫。そんなに心配しないでくれよ。」

彼は決して病弱ではなく、私が彼に面倒を見てもらうことのほうが多かったくらいです。

小学校からの付き合いですが、彼が風邪を引いたのだって片手で数えられるほどです。

そんな奴が、いつもより幾分も声のトーンを落とし、体も起こせず喋っているなんて心配でしか無いわけです。

「それより、聞いて欲しい話があるんだ。俺は夜汽車に乗ったんだよ。」

私は彼の声に誘われ、その話を聞き始めたわけです。

相乗り夜汽車は何処へ行く

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