テラーノベル
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私は時間を望み、時間に呑まれた。
いつもと変わらない、 地獄のような毎日。
昭和思考の上司に媚び諂い、 手柄を差し出す。
同僚からは陰口を叩かれ、
無能な窓際社員のレッテルを貼られる。
そんな日々が続き、とある帰り道。
コンビニで安酒を何本か買い込み、
好きでもない酒で悔しさを流し込もうとした。
気付けばベランダの手すりに立っていた。
記憶は無い。
上を見上げれば、満点の星空。
こんなに綺麗な空を見るのは、
いつぶりだろう。
空が遠ざかって行く。
ふと、将来の夢を思い出した
鳥になりたかったのだ。
自由に羽ばたき、勇ましく生きる鳥達に_
ふと気がつくと、そこはとにかく**白かった**
空と地の境目が曖昧で、不気味だ。
それでも、どこか心地良い。
ふと目の前に机があることに気付く。
木目が綺麗で、艶のある、普通の机だ。
そしてもう一つ気づいたことがある。
その机に上には、今の時代では見慣れない。
黒電話がある事に。
私が気付いた瞬間、
まるで計算されているかのように
電話が実家で聞き覚えのある、
あの音を立てて鳴り出す。
私は恐る恐る、受話器を手に取る。
すると、声が聞こえてきた。
*{こんばんは、エージェントA.M.0.}*
>
{こんばんは…?人違いではありませんか?}
<
{いいや、君はエージェントA.M.0.さ。}
>
{私の名前は……名前……は……}
<
{思い出せないのに無理はない。
*なにせ君は、既にエージェントなのだから。}*
>
{エージェント…?何を仰って……}
<
まあ良い。とにかく、
そこを出たら分かるさ。
脳に直接文字を打ち込まれているようだった。
私は受話器を置き、
机の向こう側にある扉へと歩く。
最後に一度振り向いたが、
やはり人は居ない。
ドアノブに手を掛け、ガチャリと回し、
扉を押す_
そこに待っていたのは、
現実と呼ぶのも烏滸がましいほど、
禍々しく、死者が蔓延る死後の世界だった。
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コメント
1件
おお……これはまた重い一話やったな。最初の地獄のような日常描写がリアルすぎて胸が痛かったわ。でも「鳥になりたい」っていう夢の伏線が、最後の死後の世界に繋がる構成が上手い。あの白い空間と黒電話の違和感、エージェントA.M.0.って名前の意味が気になる…続きが気になりすぎる!