テラーノベル
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覚悟を決め、ダンジョンへ行くような気分で扉を開けた瞬間…逃げたくなった。いや、帰りたくなった、の方が正しい。
「あーーー!月夜見星羅が来た!」
朝からこんなバカでかい声で話すな!人の鼓膜破る気か!?ぶっ倒れそうだ
「うるさい」
私は耳を抑えつつそう返した。すると、「俺、皇《すめらぎ》旭《あさひ》!よろしく!」
うるさっ。それでも、一応挨拶は返す。第一印象は大事だからな。
「私、月夜見星羅。よろしく」
これで黙ってくれるだろうか。そういや、彼はかなり攻撃魔法が得意なことで有名だ。それぞれ、このクラスにはなにかに特化している人が世界中から集まるところだ。人数は…そんなにいないが。私もかなり有名だ世界中で。席に座り、鞄から本を出す。しかし!そんなゆっくり読書ができる感じではなく…嫌がらせで魔法で攻撃してくる奴がいる。大抵、こんな小さいヤツが3学年飛び級なんてありえない…なんて考えてるやつがほとんどだ。しかも、私はソロで全てダンジョンや任務を攻略・クリアしている。怪しいのだろう。攻撃…と言っても簡単なものだ。私なんて7歳で習得したようなものだ。それを話すとお前は異常だからできるんだと言われる。解せぬ。しかし、反撃しない訳にもいかず振り返った瞬間私はひゅっと息を呑んだ。何故なら…ヤツがいたのだ。ヤツが。無言で杖を出す。動きは超早く正確に杖を振るとドォォォン!!という音が教室中いや、校舎中に響き渡った。私が今回使ったのは光属性の魔法だ。魔力を打ち出すくらいどうってことは無いが…壁は可哀想なことに無惨に破壊されている。まぁ、私が壊したが。周りを見渡すと全員こちらを驚いたような表情で見ている。しかし、仕方ない。ヤツがいたのだから仕方ない。そう自分に言い聞かせる。あいつは名前も言うのもおぞましい。1度だけ言う。蜘蛛だ。見た目がまず無理。キモい。
「あのぉ…壁は…」と、
名前も知らないやつが言ってきた。あぁ、そうだ。壁を忘れてた。私が杖を振るとあんなにも無惨に壊れてた壁は元通りに直った。これでよし!と頷くと先生が入ってきた。
「月夜見さん、ちょっとこっちに」
こ うして、私の初日学校生活からやらかしからスタートした。
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