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コメント
4件
マジで心臓バクバクしてます、、! 主様天才!!
最高すぎます… 続き楽しみにしてます!
『返事はしない、したいけど』
tg視点
「…おかえり、ちぐさ」
母の声に、俺はただ「うん」とだけ返して、
自分の部屋にまっすぐ向かった。
ドアを閉める音が、いつもより大きく響いた気がする。
制服のまま、ベッドに倒れ込む。
目を閉じても、さっきの言葉が耳から離れない。
「俺、お前のこと、好きやった」
tg ……やった、ってなに
呟いた声が、小さく震えていた。
わかってた。過去形だったことも、もう終わってることも。
でも、それでも。
ほんの少しでも「今、好き」って言ってほしかった。
スマホを握りしめる。
あのあと、ぷりちゃんからLINEは来てない。
未読のままの画面が、やけに冷たい。
俺は、スマホのメモアプリを開いた。
誰にも見せたことのない、ひとつの下書き。
ずっと送れずにいたメッセージ。
「俺も、ずっと好きだったよ」
「3年間、ちゃんとずっと」
「今日だって、本当は言いたかった」
「でも遅いよね、ううん、遅くしちゃったのは俺だもんね」
「……ごめん」
──これが、俺の答えだった。
メモアプリの右上に「送信」ボタンなんて、もちろんない。
LINEに貼りつければいいだけなのに、
それすらできない。
tg ねえ、ぷりちゃん
tg 俺、もう今日でほんとに終わらせたいのに
俺はスマホを胸に抱いたまま、
声を出さずに泣いた。
カーテンの隙間から差す、夕方の光がにじんで見える。
泣きたくなかったのに。
笑って終わらせたかったのに。
──でも、心はちゃんと知ってた。
あのとき、ちゃんと返事してれば、
もしかしたら、何か変わったかもしれないって。
でも言えなかった。
怖かった。
終わってしまうのが、怖かった。
そして今、終わってしまった。
次の日。
俺は荷造りの途中で、
1枚の紙を見つける。
それは──1年前に書いた、
“卒業式の日に渡す”って決めた、手紙だった。
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