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仙『…誰だ、お前たち。 』
長『…何』
伊『…え?何言ってるんだ!』
留『俺たちは昔お前と…』
仙『…知らん。』
小『おい!!ウソつくな!!』
文『…記憶ないのか?』
仙『記憶?何の話だ。私は記憶喪失などではない。至って正常だ。』
伊『もしかして…僕たちみたいに過去の記憶を引き継いでないんじゃ…』
小『そんなことあるか?!』
仙『…ん?そういえば、お前たちよく見たら…どこかで見たことあるような…?』
長『思い出したか?』
仙『あぁ、あのSNBっていう事務所の今話題の俳優達ではないか。』
小『そっちじゃなーい!!』
仙『ロケ中か?ならすまんが帰らせてもらう。じゃあな。』
留『ま、待てー!!』
仙『な、何を…!』
文『話したいことがあるんだよ!!』
仙『ッ…!』
バッ!!と手を振り払う。
仙『話すことなど何も無い!!』
そして私はその場から走って逃げる。
伊『あーっ!!皆追いかけろー!』
仙『ッ…来るな!!』
文『…待ってくれよ!!』
私は必死に走った。とにかく遠くへ─────。
そして───────
仙『…はぁ…はぁ…』
何とか巻いたかと思われたが─────
文『ま、待てよ…!』
仙『なっ…』
まだ追いかけてきていたとでもいうのか?!
私は再び走り出そうと足を踏み込んだ。
その先には───────
仙『……!』
赤い色の花。美しく華やかな色──彼岸花だ。
彼岸花が一面に咲き誇っていた。
文『…ッ、これ…』
仙『……。』
なぜかどこか懐かしい雰囲気に見とれていた私を─────
仙『ッアガ…!?』ズキンッ
…と、突然頭に激痛が走る。
文『お、おい!!大丈夫か?!
仙『う゛ぅ゛ッ…!』
文『しっかりしろよッ!!───”仙蔵”!!』
仙『…!』
突然フラッシュバックする。
?『おい!いつも焙烙火矢を出すな!! 』
?『私は███学園一クールで優秀な────』
?『…あぁっ…』
嫌だ
ひとりぼっちは嫌だ…!
怖い…
死にたくない…!
助けて…
誰か─────────…ッ!!
文『……。』
う゛ぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
────────────────
仙『っは…!?』
文『…お、おい!大丈夫か?!』
伊『何かあったの?!』
留『無事か?!』
文『…俺はなんともない…ただ…仙蔵が…』
小『…おい、泣いていないか?』
長『…本当だ。』
仙『…え?あぁ…いや、大丈夫だ…。』
伊『ここ…彼岸花が沢山…』
仙『…すまん、もう帰らせてくれ…』
文『仙蔵…』
仙『…なぜ私の名前を知っているのかは知らんが…心配してくれたこと、感謝する。…ありがとう。』
文『仙蔵ッ…!』
仙『私に言えるのはただ一言。”覚えていない”…それだけだ。すまない…またな。』
私はなぜか心にモヤを残していた。見知らぬヤツらのはずなのに…
────────────
文『ッ…!せっかく会えたのに…これかよッ…』
留『…なんで俺たちみたく記憶を引き継げていないんだ…?』
長『…今は考えていても仕方がない。1度ホテルへ戻ろう。』
小『むー…』
伊『ロケの後にこんな気持ちになるのは初めてだよ…』
文『ッ…クソッ!!』
小『明日のロケもあるし…な!長次の言う通り帰ろ…!…悔しいけど…な。』
俺たちはホテルへと戻った。それぞれ心にモヤを残して────。
─────────
次の日
仙『…はぁ。』
喜『立花先輩、』
仙『なんだ…何か用か…?』
喜『ここではお話しずらいですから、屋上に行きましょう。』
仙『あ…あぁ…?』
私は理解の追いつかないまま喜八郎と屋上へ向かった。
─屋上─
仙『…で?…何の用だ?』
喜『昨日、5人の方にお会いしましたよね?』
仙『…あぁ、なぜか私の名前を知っていた。まるで知り合いかのように───────』
喜『───知り合いです。先輩の。』
仙『…え?』
今、喜八郎はなんて……
喜『あったことはあるし、なんならずっと一緒でした。』
仙『な、何言って…』
喜『僕は本気です。だって僕もあの5人のこと知ってますから。先輩、”かつてのあなた”のことも…ですよ。』
仙『…かつて?』
喜『これ以上は今は何も言いません。では失礼します─────あっ。』
仙『…な、なんだ?』
喜『”あの人”のことだけは絶対に忘れない方がいいですよ。後で苦しくなるのは…あなた自身なんですから…。』
そう言って喜八郎はその場から立ち去っていった。
仙『…なんなんだ…!!一体…!!』
私はわけも分からないままそこにただ突っ立っていることしか出来なかった。
続く…