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続いて秀司さんが、傍らに座る彼のグラスにワインを注ぐと、


「……父さん」


と、いつにない改まった様子で呼びかけた。


「──母さんから、伝言があります」


秀司さんの言葉に、「えっ?」と、彼が驚いた顔を上げる。


「結婚をする時に、新たに子供は望まないでと言ってしまって、ごめんなさいと」


「おまえ、どうしてそれを知っていて……」


急な話に、彼が言葉を詰まらせる。確か以前にその話を聞かせてもらった際に、誰にも話したことはないと彼自身が言っていたので、秀司さんから伝えられたことが信じられないようだった。


「知っていますよ。母から聞かされていましたから。『息子のあなたを大事に思うあまり、私はあの人にひどいことを言ってしまった』と──。あの人が生まれた子を差別するような人であるわけもないのにと、母はそう言っていて。


だからもしいつか私が、あの人より先に逝くことがあれば、あの人には素敵な相手と結婚をして、産まれた子供と共に幸せな家庭を築いてほしいと……。母は、僕にそう伝えてくれるようにと──」


「まさか……」と、彼が声を失う。


「……いつまでも再婚をする気は見られなかったので、この話はずっと出来ずじまいでした。だけど父さん、母さんからの伝言のように、これからは三ッ塚さんと二人で、どうか幸せな家庭を作ってください」


「……。……ありがとう。おまえも、そうして伝えてくれた千明にも……」


彼はそう言って微かに目を潤ませると、注がれたワインをごくりと飲んで、


「おめでとう、秀司」


と、晴れやかな笑顔を向けた──。

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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