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「っずっと、ぼくのこと嫌がっていたくせに!」
「うん。ずっと羨ましくて……嫌いだった。でも、兄弟だからいなくなっちゃうのも嫌なんだよ」
「なんだよ、それ……っ」
抱きしめていた腕を、実里によって引き剥がされる。涙の溜まった目で俺を睨みつけている。
「ぼくだって死ぬのなんて嫌だし、お前ら全員だいっきらいだ!」
やっと面と向かってちゃんと会話ができる。俺の目を見てくれる。
今はこれだけでじゅうぶんだ。
「いいから食えって、実里」
オムライスを実里の前に差し出す。
「死にたくないんだろ! だったら食べろよ!!落としたら何回でも作ってやるから 」
何回でも作るよ。
その度に腕だってあげてやる。いつか俺の作るオムライスが一番だって言わせてやる。
だから、お願い。
実里、食べて。
これが俺にできる精一杯のことなんだ。
「っうるさい」
実里がオムライスののったお皿を手に取り、スプーンで流し込むように口に運んでいく。
何口か食べてから、実里が涙を流しながら声を漏らした。
「……なにこれ、へったくそ……っ」
俺の作ったオムライスを実里が食べてくれている。
それだけで嬉しくて幸せで声を押し殺して泣いた。
ごめん、実里。助けてあげられなくて。
ダメな兄でごめん。
でも————俺がこれから先、なにを犠牲にしたとしても
実里を守るよ。
これは自分との約束だ。
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