🌗「ッはぁ!?どういうことだ」
オレは珍しく声を大きく荒げた。
フィン🌒×毒
みかん🍊リクエストで看病はレイン🌗.ᐟ.ᐟ
みかんいつもありがとう〜.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ
話も面白くて優しいレスポンス大好きだよ.ᐟ.ᐟ.ᐟ
🌗⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱
最前線に立って戦う神格者のオレには、たった1人、弟がいる。
最愛の、何よりも ────自身の命よりも大切な、弟がいる。
心優しい弟だ。戦闘系の固有魔法ではないのに、ここまでの勇気を持ち、命の危険を犯してまで人を助けるだなんて、一般人に出来るだろうか。
これはオレのエゴなんかじゃない。
オレの弟は、あまりにも、優しすぎる。
何度も止めたのに聞く耳を持たなかったフィン。
「僕は強くないけれど、みんなを助けられるのなら──サニタテムズ!!!」
戦うときには死傷者を出さないよう、フィンは動く。
自身のためではなくて、誰かを救うために。
フィン、お前にだけは、辛い思いをして欲しくない。
1番守りたい存在はいつだって儚い。
フィンはうさぎのようだ。
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本当は戦いに関わりたくなんてない。怖いし、痛いし。そして、苦しいし。
でも、僕が耐えることで、他の誰かがそういった思いをしなくて済むのなら…。
最近、そう思えるようになった。
僕だって成長したんだよ、兄さま。
兄さまが僕にしてくれたように、僕も誰かを助けてあげられるようになりたいな。
そう考えるのは、悪いことじゃ、ないよね?
兄さま。
僕の最愛の、兄さま。
だから僕はみんなを助ける──というのはあまりにも傲慢だ。
僕はみんなに助けてもらっている。
その恩返しってだけだよ。
🌒✴✶✴
何度口にした言葉だろう?
サニタテムズ─────。
それを言うたび、沢山の人の笑顔を見た。
それだけ沢山、魔法を遣った。
魔力の遣いすぎは、貧血のようなものなのか。
「ッ げほッ、カはッ
…う゛ぇ、– は───ッは─ッ」
びしゃん、びたた…
はぁ〰…気持ちが、悪い。
堪えきれなくて、戦闘中なのに木陰で少量の胃液を戻してしまった。
僕の魔力は殆ど残っていなかった。
魔力の低下で身体は不安定に陥り、疲れる。
人の【命】を助けるという、ことの重大さ。
それは僕自身の命を削る行為でもあったのかなぁ?
❔『フィンーーー!!何処だーーー!?』
行かなきゃ。誰かに呼ばれてる。
兄さまじゃないことは解るけれど、誰なんだろう。
僕だけ休むわけにはいかない。
ふらふらと立ち上がる僕。
その日、僕はいつも通り、敵と戦い帰還した人たちの蘇生に当たっていた────筈だった。
・
だから僕は、気が付かなかった。
・
その時現れた毒遣いの敵の狙いが、
木陰から離れてまた救助に当ろうとする顔面蒼白の疲弊した生徒…
・
つまり、僕だったということに──
【〰〰〰〰〰〰〰〰〰!!!!!!!!!】
毒を固有魔法とするその女は呪文を叫ぶ。
おぼつかない足取りの僕は、 もろにそれを喰らった。
「ッぐ あ‘’ッ ぅあッ」
苦しい…!!!!まさか狙いが僕だったなんて。
「キャハハハハッ!!
やっぱアンタを仕留めて正解だったわ!!
これで安心して皆殺しにできるものねぇ!!」
たちまち、ザワザワと聞こえ始める
オーディエンスの心配する声。
1人やられたぞ、誰なんだ───と。
戦闘に適した者も、回復魔法を用いる者も。
毒を直接喰らってしまっては
地面に伏せるのみだ。
蘇生の魔法とは、敵にとって厄介なものだろうなぁ。
だから僕が1番にやられた。
それだけのことだよ、ね。
魔力が安定しないせいで、そもそもが不調。
さらにその魔法を直に喰らう僕。
「、ごめ、ん、なさい」
ぽつり、と呟くこの声を拾う者はいない。
“‿. ふ– ら– り- ..
『止めろ、フィンッ!!動くんじゃねぇ!!』
ドットくんの叫び声。
ど_ く_ ん_ 、 ど_ く_ ん_ 、
立 つ の も 、 辛 い な ぁ 。
ぐ – ら、 —- ぺ - た - ん。
「〰ぁ、ふ、お”ぇぇ゛ッ!、
ご.ぽ _けふ、__け゜ふっ_かはッ」
どくん、どくん
口から溢れ出る吐瀉物。
いや、それにはもう毒が回っていて、血がまじる。
鮮血が口から地面へと叩きつけられる。
あれ、毒回るの速すぎない?
即効性の毒にしてもコレはおかしい。
ばしゃん、ばしゃんと汚らわしい音を立てて、嘔吐される。
どくん、どくん、どくん、
心臓が痛い。全身が辛い。ふらふらする。
あー、兄さまは今何してるかな。戦ってるのかな?
どく.どくんッどくどく、どくん、ひゅは、
不規則な心音、呼吸。
視界はしだいに黒と赤の斑点がちらつき、
失血と毒の早い巡りがよく解る。
・
「はぁ、ひゅ、────」
ふらり
と さ 、
まだ、まだだよ…
僕はまだ、役に立てていない。
だから、これはちょっと─────
ちょっとの間だけ、眠るだけなんだ。
水に飲まれるように、
僕は重い瞼を閉じた。
🌗次回に続く.ᐟ.ᐟ🌒
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