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*もちもち丸*
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兎ゞ亜 @はじめたばかり
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trkr
勇者×魔王パロ
日常組様の動画「茶番しかない勇者の冒険」の続きみたいな感じです
この話にはBL要素が含まれますので苦手な方はご注意下さい
kr・・・「」
tr・・・『』
・ ・ ・
kr side
トラゾーが俺のところで暮らし始めてから数ヶ月が経った。トラゾーのおかげと言うべきか、せいと言うべきか、俺の生活は大分変化した。
例えば、食事。魔王になってから食事の必要が無かったためとっていなかったが、トラゾーが『クロノアさんも食べましょうよ!』とか言うから食べるようになった。
こういうことが増えて、まるで俺も“人間“であるような錯覚を覚えた。
他にもトラゾーは今の人間界がどうなっているかの話もしてくれた。俺が知ってる時よりいろんな事が変わっていて本当に俺は数百年生きてるんだという実感も湧いてきた。
そして、この数ヶ月でトラゾーのこともたくさん知れた。好きなもの、嫌いなもの、得意なこと、苦手なこと。でも、一つだけ教えてくれない事がある。トラゾーの袋の理由。いつもトラゾーから話してくるから言わないってことは聞かれたく無いんだろう。
俺は、トラゾーと話してる時が一番好きだ。彼の隣にいると、なんか安心するような、感じたことのない不思議な気持ちになる。
トラゾーは最近、魔王城にある書物庫を漁っている。理由を聞くと、『クロノアさんが人間になる方法か、俺が不死になる方法調べてるんです。クロノアさんとずっと一緒にいたいですから』と笑顔で答えた。
それを見て、心臓の鼓動が速くなり、顔が火照るのを感じた。急いで治癒魔法をかけてみたが、治る気配がない。トラゾーは何か不思議な気でも放っているのだろうか。
tr side
俺がクロノアさんのところで暮らし始めてから数ヶ月が経った。人間の村に住んでいた時よりはとても楽しく感じられた。
この数ヶ月で俺はクロノアさんにたくさん話をした。クロノアさんは自分から話すことはないけど、俺の話を笑顔で聞いて、そして相槌をくれる。受け入れてもらえることってこんなに嬉しいんだって気付けた。
クロノアさんは自分の話はしない。いつかしてくれたらいいなと思いつつ俺は今日も書物庫に向かう。ちょっと前まではなんでこの人のためにここまで必死に一緒にいる方法を探してるんだろうって思ってた。でも、最近になってやっと分かったんだ。
俺、クロノアさんが好きだ。
彼の笑い方、性格、行動、全部に惹きつけられる。俺はどうも、あの魔王に魅了されてしまったらしい。
kr side
ある日、トラゾーと朝食を食べていると侵入者の気配を感じた。
「誰か…、来たね」
『お客さんですか?』
そういう訳ではないのだが、どうもトラゾーは天然らしい。
「んー、敵、かな?かなりの殺気を感じる」
『大丈夫ですか?』
「分かんない。かなりの人数だしもしかしたら入られるかもな」
『もし入ってきたら…、どうするんですか?』
今までの俺なら入り口を突破されても戦わず隠れていたことだろう。だけど、今は守るべきトラゾーとの日常がある。だから…
「俺たちの平穏を脅かすようなら…ね?」
『そうですね!頼りにしてますよ、魔王様』
「えー、俺は勇者様の戦闘も見てみたいけどなぁ」
『だから勇者じゃないですって。あと俺そんなに強くないですし』
「ここまでこれた時点で十分強いよ」
などと冗談混じりの会話をしていると、入り口の方から爆発音にも似た大きな音が聞こえてきた。
「開けられちゃったかー。俺、ちょっと見てくるけどトラゾー、来る?」
『行きます!』
「じゃあ行こうか」
・ ・ ・
入り口の扉に近づくと、数十人くらいだろうか、人間が俺の方を見ていた。このくらいならすぐ一掃できるな、などと思いつつそいつらに話しかけようとしたところで、トラゾーが俺の服の裾を掴んでいるのに気づいた。
「どうしたの?トラゾー」
『あっ…えと…あの…あの人たち……、いや、なんでもないです…』
彼らがどうかしたのだろうか。理由を考えていると、前方から嘲笑混じりの声が聞こえてきた。
“あれ、トラゾーじゃない?”
“トラゾー君、生きてたんだw”
“戻ってこないもんだからてっきり死んだのかとw”
明らかに、トラゾーが生存していることへの否定。表現し難い怒りが湧いてくる。
「トラゾー」
自分でも驚くくらい低い声。
『はいっ!』
「後でちゃんと、話してね」
トラゾーの返事もロクに聞かないまま、俺はそいつらに向かって走り出した。
コメント
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第2話、読みました。クロノアがトラゾーの隣で「心臓が速くなる」のを治癒魔法でごまかそうとする場面、すごく好きです。人間の恋愛じゃないからこそ、自分の変化を「体内の異常」と捉えてしまうのがクロノアらしいなと。そして最後のトラゾーを否定する連中への怒り――日常の積み重ねが一気に「守るもの」に変わる瞬間の描写、胸がぎゅっとなりました。袋の秘密がこれから明かされるのか…続きが気になります。