br.kn
左右なし
口調迷子
ハピエンではないです
※ご本人様方とは何の関係もありません
kn「…ごめん」
「…へ…?」
「ちょ、きんとき…!?」
どうしようどうしようどうしよう…!!
目の前に見える先へ先へと走っていく彼…
僕はそれを眺めていることしか出来なかった。
きんときと付き合い初めて1年ほど経った。
僕よりも少しだけ小さな手を握るのも、細い身体を抱きしめるのにも慣れてきて、そろそろもう1ステップへあがろうと決めていた。
いつも通りご飯を食べに行き、夜景が綺麗に見えるベンチへと座りダラダラと他愛のない話をしていた
周りには誰もいなくて、俺と彼の姿しか見えない。
…今がチャンスなのでは…?
そう思い彼の名前を呼び、可愛らしい顔がこちらを向いた時、頬に手を伸ばし顔をゆっくりと近づけた。
そしてその後は僕の口と彼の口がくっついたはずだった…。
「…きんとき…?」
僕の口に当たったのは彼の唇ではなく彼の手だってことに目を開けて気づいた。
ゆっくりと彼から離れると彼は目を逸らし、困ったように眉を下げて小さく一言「ごめん」と言って逃げてしまった。
…僕じゃダメなのかな…
そんなことを心で呟く。
付き合って1ヶ月でキスはまだ早いかもしれない。
だからもし逃げられてもここまで傷つくことはないけれど、1年付き合ってたんだ。
1ヶ月とは11ヶ月もの差がある。その間に僕らは距離を縮めていたはずだ。
彼から「好き」だとかいう言葉はあまり言われてこなかったが、それでも彼は僕を好いていてくれているんだと思っていた。
毎日のように沢山話し、寝落ち通話をし、手を繋いだら頬や耳を赤く染めながらぎゅっと握り返してくれて、優しく抱きしめたら顔を見られないように顔を埋めて服の裾を少しぎゅっと握ってくれて…
全部全部本当に愛らしくて、僕は勝手に彼が照れてそういう行動にうつっているんだと思っていた。
けれど、思い返してみても彼から手を繋いでくれたことはなかったしハグをしてくれたこともなかった。
それに話しかけるのも僕からが多く、寝落ち電話も毎回僕から…
そして彼から好きだとハッキリ言われたことはない。
…どうして今まで気づかなかったんだろう。
告白して成功だったから両思いなんだと決めつけていた。
でも彼は自分の心より相手を優先する人。
僕と彼が気まずくなってしまったら共通の友達に気を使わせてしまう。
僕にも気を使わせてしまうと思ったのかもしれない。
そう考えると、彼が了承した意味もわかるし今逃げた理由も納得がいく。
「…あ~ぁ、僕だけだったんだぁ、…」
自分の足元を見て小さく呟くと、目から涙がポロポロと流れ出てきた。
目の前に何人か通ってこちらを見ていたがそんなことを気にする余裕もなく涙が枯れるまでないた。
これ以上に泣くことなんかこれからないんじゃないかと言うくらい沢山…
次の日、起きたら目はパンパンに腫れていた。
あぁ、みんなに色々聞かれるんだろうな。行きたくないな。
ズル休みしてやろうかとスマホを手に取りLINEを開く。
LINEを開いてまた胸がズキリと痛む。
彼と最後に会話をしたのは昨日のお昼すぎ
帰ってから一度もLINEを送っていないし、送られてきてもいない。
「っ…きん…とき…」
身体中の水分は昨日無くなったんじゃないかと言うくらい泣いたくせに、また涙が出てきてしまい止まることを知らずポタポタとスマホに落ちてゆく。
…苦しい。
彼はきっと、自分から僕を振ることが出来ない。
「昨日はごめん」と一言送り、仲直りするつもりだろう。
でももう彼に我慢させることは出来ない。
…ちゃんと言おう。
僕から彼に別れを…
〈僕たち別れよう〉
kn視点
〈僕たち別れよう〉
…え…?
「Broooock…?ねぇ、返事してよおねがい。」
何度電話をかけても何度LINEを送っても彼はメッセージを見てはくれないし電話にも出てくれない。
家まで来て迷惑なやつだとは分かっているけれど彼と別れたくなくて必死だった。
何度もチャイムを押して扉を叩いて…
でも彼が扉を開けてくれることも、声を出してくれることもなくそのまま時間が過ぎていく一方だった。
「…ぶるっ…く…っ…。」
分かってる。原因は俺だって。
今までろくに愛情表現もできずに、彼からのキスを拒んでしまった。
それがきっかけで彼は別れるという選択をしたんだって…
俺が原因なのは分かっているけれど、ちゃんと話し合いたい。
俺が今まで愛情表現出来なかったのは恥ずかしかったからだって…
キスを拒んだのは俺でいいのか不安になって怖くなっちゃったからだって…
ちゃんと話したいけれど、彼は聞く耳を持たずに俺の事を無視し続ける。
…あぁ、彼との関係を修復することは出来ないのかな。
大好きなのに。世界で1番。大好きなのに…
ポロポロと涙が出ており、声も少しかれてしまっていた。
手も叩きまくっていたからか赤く、ジンジンとしていた。
「…ねぇ、Broooockいるんでしょ、今。」
「ドアの前に。」
どうしてか分からない。分からないけれど今彼は目の前にいるんだと思った。
…最後くらいしっかり伝えよう。
「…言うのが遅くなってごめん…」
「…大好きだったよ。ほんとに。」
「…今までありがとう。」
そう言って、ドアから離れるとドアの向こう側からガタッと何かの音がした。
彼がもしかしたら出てきてくれるんじゃないかと期待して少し待ってしまったけれど、彼が出てくることは無かった。
…ほんとに終わったんだ…
変なところで終わらせてしまってすみません…💧
最後まで見て下さりありがとうございました🙇🏻♀️
コメント
4件
コメント失礼します ハピエンじゃないと分かって観ていてもやっぱり辛いです😭 リクエストになってしまいますが、続きが読めるなら読みたいです!