TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ザルメタウンを歩き、星のカケラを探す。すると雪が降り積もる森の中、ドラゴンに乗っているエンジェルを見つけた。

「ここまで来れるとは。関心したわ」

無表情のままパチパチと気のない拍手をされた後、星のカケラを渡された。これで二つ目だ。

一つ目と合わせると、上半分の星形が現れる。あと二つで、カノーカ王国は平和な国になる。

だが、こんなに簡単にくれるエンジェルのことが怪しく思えてしまう。何を考えて渡してくれたのだろうか。

まあとりあえず星のカケラが集まったので、よしとしよう。

「では次の星のカケラの場所ですが、アズキール様に聞いてみましょう」

彼女がそう言って上の方を見ると、闇から現れた全身真っ黒の男が出てきた。彼は帽子を被り直すと、そこにはシプリートと似た顔の男が浮いている。

彼は鼻息を鳴らして、偉そうな態度で話しかけてくる。シプリートとは、真逆の性格だ。

「よくここまで来れたな。感心するぜ」

「アズキール!?」とシプリートは驚愕する。

「エンジェルの言った通り、星のカケラのありかを教えてやる。感謝しろよ、人間ども。だが、ドミニック。てめえが一番憎い。聞いてはダメだ」

そう言われて、ドミニックは複雑そうな表情を浮かべる。

彼は、もう一つの分身シプリートに何度もいじめを繰り返していた。シプリート本人のストレスはアズキールに蓄積するため、人間が嫌いになった元凶である。

エンジェルにニコリと微笑む。

「エンジェルちゃん、よろしく頼んだよ」

「はい」

ゆっくりと頷いた。

ドミニックの手首に持ってきた紐で縛り、ドラゴンに乗せる。そのまま空を飛んだ。縛ることで身動きを取れなくし、紐を長くすることで落ちないようにすることができる。

シプリートは本当は奪いたかったが、彼女の木の能力は明らかに強い。攻撃しても跳ね返されるだけだから、何もせずにただ見ているだけにとどめた。他の人もそうだろう。

あの赤いドラゴンを一瞬で殺したのは恐らくエンジェルだし、それを知らなくてもドミニックが悪いやつだったことは皆知っている。アンジェさえ、縛るのが速すぎたのか助けることをしなかった。

空を飛んでいくのを見計らった後、地面に足をつけてくる。それからヒントを話す。

「さてさて、次の在処を教えてあげよう。ヒント①カノーカ王国にある。ヒント②この国で一番小さな建物にある。以上だ」

「小さな建物ってどれっすか?」

ザールが目を見開いてそう言う。

教えられることはなかった。これを教えたら、簡単すぎるからだ。

「では、またお会いしましょう」

彼はその場で闇の中に消えてしまう。色々と聞きたいことがあったのに、聞けないままいなくなってしまった。

なぜシプリートと同じ顔なのか。そして彼の目的はなんなのか。

彼らはそれを理解していなかった。

残されたのはドミニックを連れ去られた足跡の痕跡と、四人のメンバーだけになる。

ドミニックがいないとなれば、戦力が劣ってしまう。カロリーヌは確かに強いが、力尽きるのも早い。せいぜい10分くらいでバテてしまう。

もしモンスターにまた囲まれてしまえば全滅するのは目に見えている。ザールだって胃袋に限界があり、全部食べられるわけではない。


シプリートはボロボロの剣を見て、剣と盾を作ってもらうことにした。流石に武器なしでは、きつい。自分も戦わなければ、いつ誰かが死ぬのかもわからない。

今立ち上がる時だ。誰かに頼ってばかりではダメ。全力を尽くさなければ。

彼はそう意気込んで、ザルメタウンの武器屋らしき建物を見つけて一人で入っていく。

そこには厚い毛皮を着た毛むくじゃらのドワーフがいて、彼らは目が赤くない。人間ではなく、最初からモンスターのようだ。ほっと一息つく。

もしモンスターだったら襲われていた。倒してしまえば、武器を自分で作らないといけない。二度手間だ。それに関しては、喜ばしいことである。

「武器が欲しいんです。一番強い武器を作ってください。お金はあります」

そう金槌で熱々の剣を叩いていたドワーフが振り向き、お金を見せると頷いてくれた。

「実はとある人に一番強い武器と盾を作ってくれと頼まれていたのだが、いらないと言われてな。それをあげよう」

そう髭を触りながら言うと、奥の部屋に入っていく。

見せてくれた剣は青く、太くて大きい。刃は鋭くて切れ味抜群。柄の部分は、赤い生地に金色の蔦のようなものが描かれてきた。

盾は丸くて真ん中に太陽の模様があり、縁は金、全体は赤で統一されている。これで攻撃がある程度防げるはず。

シプリートはもらった盾を背中に背負い、剣を腰にぶら下げた。お辞儀して、敬意を払う。

「ありがとうございます。それと他にも四つ剣はありますか?」

「実はワシは趣味で剣を作るのが好きでな。四つある。それもあげよう」

「それで全て合わせて何レミルですか?」

「うむ。20,000レミル(約325万円)じゃ」

「20,000レミル!?これ全て出します」

あまりに高すぎて驚愕してしまう。これでは足りない気がしてくる。

金で出来たお金をざらざらと机に出した。彼はお金を数え始める。数え終えると、グッドマークをくれた。どうやらピッタリあったようだ。

安心感が満たされて、明るい笑顔になる。


ドワーフが奥の部屋に入り、中世にありそうな先の尖った炭素鋼で出来た鋭い剣を四つもらう。

残ったお金は1レミル(約160円)だけ。これでは何も買えない。

嬉しいような悲しいようなよくわからない気持ちのまま、武器屋から外に出る。他の三人の仲間がそこに立っていた。

仲間の一人ドミニックは拉致されたので、彼の分の武器は自分が持っていよう。

一人一人に護身用の武器を渡していく。使わないだらうが、魔力が切れたらまずいからな。

もらったみんなは、嬉しそうにはしゃいでいた。

「ありがとう!!わざわざ買ってくれるなんて、お兄様好き!」

妹のアンジェがいきなり飛びついてきて、頬を赤らめてしまう。やっぱり妹は可愛いし、愛らしいな。

その様子を見て、メイドのカロリーヌが頬を膨らませた。そして、彼女もシプリートに飛びつく。

「いつもありがとうございます。とてもいい匂いがしますね。まるで鳥の音色が聞こえてきそうです」

「どういう表現!?」

ツッコミは入れるが、二人に囲まれてそれどころではない。焦ってしまう。しかもふっくらした胸が当たってるし、なぜか全く離してくれない。

ザールはその様子を見て、頬を赤らめニヤニヤする。

「兄さん、モテモテだな!」

「う、嬉しくないって!」

「嘘が下手だね。頬を赤らめちゃって!」

「っ……!」

赤らめた顔のまま、視線をそらす。

なんだかこんなにモテていいのか、甚だ疑問に感じてしまう。エミリ一択なのに……。

失われた姫と消えた秘宝

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

55

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚