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「まっぶしっ。」
高校卒業後ろくに運動なんかしなかった僕にとって昼の屋外はスポーツジムに匹敵する暑苦しさと気だるさを持っていた。
今の時代バイト探しなら常時手に持っている電子機器でものの1時間で探せると思う。
でもなんだか無意識に外に出て見ようと思った。
別にバイト募集してる店の宛もないからただ10分くらいぶらぶらしてた。
上京したと言えど僕の住む街はお世辞にも大都会東京!なんて雰囲気は1ミリもない平凡かつ平和な住宅地である。
しかし、それは都会なんかよりも僕の幼少期時代の思い出を繊細に、でも確実に刺激する。
それがむず痒いというか痛いというか言葉にできない感覚を呼び起こし、本能に訴えかけたのか、気づけば電車に乗って渋谷なんかに出向いていた。
平日の昼間は昼休憩のサラリーマンが同じ格好と同じ顔でたむろしてた。
子供の頃に遊んだ背中にネジ巻きなんかがついてて真っ直ぐに進んでくあのおもちゃみたい。
それが多分いちばん人間らしくていちばん人らしくない姿なのだろう。変な既視感を覚えた。